ハピスマ大学 (ハピスマ大学は、お金の基本から運用、活用まで「お金のことを学ぶ、あなたと家族のための大学」です。)

STEP5 殖やす 第17回  なぜ、お金を殖やすのか?

ここまで、ハピスマ大学では、貯金の基本について講義を行ってきました。今回から始まる「殖やす」というテーマは、貯金がある程度できるようになったという前提の下に、そこから始めるべきこと、持っておきたい視点についてお話ししていきます。そのため、これまでとは、ある意味でガラリと内容が変わるとお考えください。

貯金がある程度できるようになったら――と言いましたが、それはみなさんの手取り月収の3カ月~半年分程度の蓄えができた状態を指します。3カ月~半年分と幅がありますが、なるべくなら半年分、手取り20万円の方なら、120万円は貯金をしておいたほうがいいですね。
このお金は、何かあったとき(あなたや家族が急に病気になる、失業する……など)に、当座の生活費となって、あなたを守ってくれるものです。そのため、原則としてこのお金は、非常時以外切り崩してはいけません
何かあったときにすぐに引き出せないと困るので、中途解約すると元本割れしかねない金融商品(外貨建ての商品全般や仕組み預金など)にしておくのはNG。普通預金、あるいは定期預金(中途で引き出しても利率が悪化するだけなので、元本割れはしません)で持っておきましょう。

「全部預貯金」というあなたのお金は“死に金”になっている!?

手取り月収の半年分をゆうに超える貯金があるなら、の分を投資に回し、“殖やす”ことを考えてみてください
というと、よく「せっかく貯めたお金を、投資で減らすのがコワイ!」という方も大勢います。伝統的に、日本人は投資に苦手意識を持つ風潮があるので、気持ちはわからないではありません。実際、投資をすると損失を出す可能性も多分にあります。万一誤った投資をすれば、損失は大きく膨れ上がります。ですから「投資=コワイ」という感覚は、あながち間違いではないのです。

それでもなお、私が投資をオススメするのは、やはり預貯金だけで資産を保有しているのは、超低金利の現状を考えると、非常にもったいないことだからです。
日本は世界一の低金利国。たとえ1億円を1年間、円建ての定期預金に預けても、金利は0.03%程度(メガバンクの大口定期預金金利の場合)なので、30,000円しか殖えません。

私に言わせれば、お金を預貯金のままにしておくというのは、せっかく苦労して稼いだお金を“死に金”にしているのと同じ。工夫して活用し、殖やしていくことこそが、お金を“死に金”にせず、“生きたお金”にすることなのです。結果として“お金を長生きさせる”ことは、本当の意味で“お金を大切にしている”ことだと私は思います。

このAさんは、330万円程度の年収ながら、すでに1,000万円前後の預貯金を持っていました。話の内容にある通り、投資は一切していません。ただ、毎月の収支を赤字にしないようにする、つまり余らせる、ということだけは意識していたそう。このように、フローだけを意識していれば、ストックはそこまで気にしなくても、ここまで殖やすことができるのです。

次回からは、具体的な投資の始め方、リスクの考え方に関するお話に入っていきます。

使っても効果がなくて、無駄になるお金のこと

Point! 投資は「お金を長生きさせること」であり「大切にすること」でもある。