保険お役立ちコラム

がん保険の診断給付金(一時金)とは?必要性やメリット、備える際の確認ポイント

更新日:2024/11/18

※本記事についてのご注意

がんと診断されたときに、がん保険から受け取れる「がん診断給付金(一時金)」は、実はがん保険ごとに違いがあります。がん診断給付金の特徴や注意点を抑えたうえで、自分に合ったがん保険を選べるように比較のポイントを確認しておきましょう。

この記事でわかること

  • がん診断給付金はがんと診断されたときに受け取れる給付金のこと
  • がん治療に関する費用は、思っているよりもかかる可能性がある
  • がんと診断されたら、治療の初期段階で給付金を受け取れる
  • がん診断給付金の使い道は自由

がん診断給付金は、がんと診断されたときにがん保険から受け取れる給付金のことです。がんと診断されると、入院日数などに関わらず、契約時に約束された一定額がまとめて支払われることが多いため、がん診断一時金と呼ぶこともあります。

がんの治療にかかる費用から、がん診断給付金(一時金)の必要性について考えてみましょう。

図表1は、部位別のがんの治療にかかった平均的な医療費です。この金額は医療費の総額のため、患者が負担する金額は「平均医療費×30%」と考えられます(自己負担割合が3割の場合)。

また、健康保険には1ヶ月の医療費の自己負担額に上限を設ける高額療養費制度があるため、実際の負担額はさらに抑えられるとも考えられます。

図表1「がんにかかる医療費(1入院あたり)」
疾病名 医療費
胃の悪性新生物 99万6,965円
気管支および肺の悪性新生物 91万3,065円
直腸の悪性新生物 115万26円
乳房の悪性新生物 79万2,609円

治療費以外にも、1日1,470円(一食490円)の食事代がかかります。このほか、個室や少人数部屋を利用すればその日数分の差額ベッド代等が全額自己負担となります。これらの費用は、入院日数が長くなるほど負担が増していきます。

がん治療は、退院したら終わりではありません。退院後も通院しながら治療を続けるケースが多くなります。

通院のために会社を休んだり、体調不良が続いて今まで通りに仕事ができなくなったりすれば、収入が減少する可能性があります。体への負担を軽くするために、今まで自分でやっていた家事を誰かに依頼することもあるかもしれません。

こうしてみるとがん治療に関する費用は、思っているよりもかかる可能性があると想像できます。そのため、がん診断給付金(一時金)を備えておく必要性は高いといえるでしょう。

がん診断給付金(一時金)を受け取れるがん保険を選んでおくことで、このようなメリットがあります。

早い段階で給付金を受け取れる

がんと診断されたら給付金を請求できるため、治療の初期段階で給付金を受け取れます。そのため、経済的にも精神的にも余裕をもって治療に取り組むことができるでしょう。

治療方法や入院日数に関わらず受け取れる

がん診断給付金(一時金)の給付金額は、治療方法や入院日数に左右されません。がんと診断されれば、契約時に定めたがん診断給付金額を受け取れます。

厚生労働省の患者調査(令和2年度)によると、がん(悪性新生物)の平均入院日数は19.6日です。平成8年度の同調査では35.8日だったことと比較すると、がん(悪性新生物)の平均入院日数が短期化していることがわかります。

がんの治療では退院後も通院しながら治療を続けることや、仕事を休んで療養することも多いことはすでにお伝えした通りです。入院日数が短期化していることもあり、入院日数に応じた入院給付金だけでは保障が十分ではないことがおわかりいただけるでしょう。

治療費以外にも活用できる

がん診断給付金は使い道が自由です。子どもの教育費や生活費の補填、ウィッグ代などにも使えます。

保険商品によっては複数回受け取れるものもある

がん診断給付金(一時金)は、保険期間を通じて1回だけの受け取りとしている保険会社がある一方で、がんの再発や転移に備えられるように複数回受け取れる保険会社もあります。

この辺りはどちらがいいということではなく、保障内容の手厚さと保険料のバランスを全体的に考えて選ぶといいでしょう。

なお、アクサのネット完結「がん終身」「がん定期」では、保険期間を通じてがん診断給付金の支払いは1回のみとなっています。

がん診断給付金(一時金)があるがん保険を選ぶときには、どんな点に注目すればいいのでしょうか。注目すべき比較ポイントについて解説します。

受け取れる金額

保険会社や保険商品にもよりますが、がん診断給付金の金額は50万円から200万円の範囲内で設定されていることが多くなっています。給付金額が大きいほど、保障が手厚く安心感がありますが、その分保険料の負担が重くなると思っていいでしょう。

保障される範囲

「がん診断給付金」があるがん保険でも、がん保険の保障範囲によっては診断給付金がもらえないケースがあります。それが「上皮内新生物」です。

上皮内新生物は、悪性新生物に比べると治療期間も短く、治療費の負担も軽いです。そのため、がん診断給付金の対象に上皮内新生物を含めていないがん保険や、給付金の支給額を少なく設定しているがん保険も多数あります。

保険料とのバランスになるとも思いますが、上皮内新生物も保障の対象としているがん保険のほうが安心感があるでしょう。

受け取れる回数

がん診断給付金の支払いは、保険期間を通じて1回のみとするがん保険と、複数回受け取れるがん保険があります。

免責期間

多くのがん保険では、加入してから90日間(3ヶ月)を免責期間としています。この免責期間中にがんと診断されても、がん診断給付金(一時金)やがん入院給付金などの保障を受け取ることができません。

保険料を支払っていても保障を受けられない期間があることを知って、早めに加入手続きを済ませておきましょう。

がん保険の保障はがん診断給付金(一時金)だけではありません。それ以外の保障も検討することで、保障を手厚く備えられます。

がん入院給付金

がん入院給付金は、がんの治療目的で入院したときに、入院日数に応じて給付金が支払われるというものです。

1日あたりの支給額は、保険会社によって異なりますが、一般的には5,000円から2万円の間で選べるがん保険が多くなっています。

1日あたりの支給額を大きくするほど、保険料も上がりますが、そのぶん手厚く備えることができます。入院1日目から日数無制限で支給されるので、長期入院になったときにもしっかりと備えることができます。

抗がん剤治療給付金

抗がん剤治療特約を付けると、抗がん剤治療を受けた月ごとに「抗がん剤治療給付金」を受け取れます。

例えば、仕事を続けながら抗がん剤治療のために通院を続ける選択をした場合、入院していないためがん入院給付金は受け取れません。

しかし、このケースでも抗がん剤治療特約を付けていれば、抗がん剤治療をした月は給付金を受け取ることができます。長引きがちながんの治療に備えられる安心感があります。

がん手術給付金

がん手術給付特約を付けると、がん治療のために入院して、所定の手術や放射線治療などを受けた場合に、がん手術給付金が支払われます。

がんの手術を受けた後で転移が見つかり、再び手術を受けるケースがありますが、こうした場合も手術の回数に応じて給付金を受け取れます。

がん先進医療給付金

先進医療は、厚生労働大臣が定める特別な治療です。先進医療の技術料には健康保険が適用されず、全額自己負担となります。高額療養費制度の対象にもなりません。

がん先進医療特約は、がんの治療の一環として受けた先進医療の技術料を保障します。

令和6年8月1日現在。先進医療は82種類あり、がん治療の先進医療として代表的なものには、陽子線治療や重粒子線治療があります。

女性がん入院給付金

女性特有のがんで入院したときに、通常の入院給付金に加えて、同額の「女性がん入院給付金」を上乗せして受け取れます。

なお、女性向けのがん保障は、すべての保険会社で取り扱っているわけではありません。取り扱っている場合も、その内容は保険会社ごとに異なります。取り扱いの有無や保障内容については、それぞれの保険会社に確認しておきましょう。

退院後療養給付金

がん退院療養特約を付けていると、がんで入院した後に療養のため退院をしたときに、一時金が受け取れます。退院後の通院治療費や交通費としても使えます

がん診断給付金(一時金)は、がんと診断されたときにがん保険から受け取れる給付金です。治療の初期段階に、治療内容や入院日数に関わらず受け取れる、使い道が自由になるなど、さまざまなメリットがあります。

がん診断給付金(一時金)は、給付金額や支払い回数といった保障内容と保険料のバランスで選ぶようにしましょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)

ハートマネー代表

「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
2005年からFP相談を始める。
日々お金のことを考えなくても安心な
「家計の仕組みづくり」が好評。

大学の非常勤講師として金融リテラシーを普及するほか、
キャリアコンサルタントとしても活動している。

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