保険お役立ちコラム

がん保険の診断給付金(一時金)は必要?がん保険加入前に知っておきたいポイント

更新日:2023/09/15

※本記事についてのご注意

最近のがん保険では、がんと診断されると一時金が支給される「がん診断給付金」が保障の中心となっています。がんの治療では、なぜ「がん診断給付金」が役に立つのか、その理由と、比較のポイントについて確認していきましょう。

がん診断給付金は、がん保険の大切な保障の一つです。日本でがん保険が広まり始めた当初は、がん保険の保障といえば、入院日数に応じて受け取れるがん入院給付金が保障の中心でした。しかし、最近のがん保険では、入院給付金と診断給付金の両方を基本保障として、そこに他の特約を付加する流れへと変わってきています。

がん診断給付金(一時金)が必要な理由と、そのメリットについて解説します。

必要性

がんの治療法には、手術、放射線治療、抗がん剤治療などがあります。がんの種類やステージ、患者の体調等によって、選ぶ治療法は異なります。最近では、日帰り手術や、通院しながらの抗がん剤治療などもあり、長期入院をしないでがん治療を受ける人が増えています。

がん診断給付金は、がんと診断された段階で給付金支払いの申請ができるため、選ぶ治療法や入院日数に関わらず、まとまった一時金を受け取れます。一時金は治療費にあてたり、治療などで働けない間の生活費にあてたりできるため、治療に専念するために必要な保障と考えられるでしょう。

メリット

がん診断給付金のメリットは3つあります。

(1) 早い段階で給付金を受け取れる

がんと診断されたら給付金を請求できるため、治療の初期段階で給付金を受け取れます。

(2) 治療方法や入院日数に関わらず受け取れる

がん診断給付金の給付金額は、治療方法や入院日数に左右されません。がんと診断されれば、契約時に定めたがん診断給付金額を受け取れます。ただし、上皮内新生物に対してはがん診断給付金を支払い対象外としているがん保険やがん特約もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

(3) 治療費以外にも活用できる

がん診断給付金は使い道が自由です。治療費はもちろんのこと、子どもの教育費や生活費などにも活用できます。

がん保険には、がん診断給付金(一時金)のほかにも、さまざまな保障があります。どのような保障があったらいいのか、考えながら選んでみましょう。

がん入院給付金

がん入院給付金は、がんの治療目的で入院したときに、入院日数に応じて給付金が支払われるというものです。1日あたりの支給額は、保険会社によって異なりますが、一般的には5,000円から2万円の間で選べるがん保険が多くなっています。

1日あたりの支給額を大きくするほど、保険料も上がりますが、その分手厚く備えることができます。入院1日目から日数無制限で支給されるので、長期入院になったときにもしっかりと備えることができます。

抗がん剤治療給付金

抗がん剤治療特約を付けると、抗がん剤治療を受けた月ごとに「抗がん剤治療給付金」を受け取れます。例えば、仕事を続けながら抗がん剤治療のために通院を続ける選択をした場合、入院していないためがん入院給付金は受け取れません。しかし、このケースでも、抗がん剤治療特約を付けていれば抗がん剤治療をした月は給付金を受け取ることができます。長引きがちながんの治療に備えられる安心感があります。

がん手術給付金

がん手術給付特約を付けると、がん治療のために入院して、所定の手術や放射線治療などを受けた場合に、がん手術給付金が支払われます。がんの手術を受けた後で転移が見つかり、再び手術を受けるケースがありますが、こうした場合も手術の回数に応じて給付金を受け取れます。

がん先進医療給付金

がん先進医療特約は、がんの治療の一環として受けた先進医療の技術料を保障します。先進医療は、厚生労働大臣が定める特別な治療です。その技術料には健康保険が適用されずに全額自己負担となります。高額療養費制度の対象にもなりません。がん治療の先進医療として代表的なものには、陽子線治療や重粒子線治療がありますが、患者の自己負担額が1回あたり300万円前後と高額になります。

女性がん入院給付金

女性特有のがんで入院したときに、通常の入院給付金に加えて、同額の「女性がん入院給付金」を上乗せして受け取れます。

なお、女性向けのがん保障は、すべての保険会社で取り扱っているわけではありません。取り扱っている場合も、その内容は保険会社ごとに異なります。取り扱いの有無や保障内容については、それぞれの保険会社に確認しておきましょう。

退院後療養給付金

がん退院療養特約を付けていると、がんで入院した後に療養のため退院をしたときに、一時金が受け取れます。退院後の通院治療費や交通費としても使えます。

がん診断給付金(一時金)のあるがん保険はいくつもあり、その内容は少しずつ異なります。選び方のポイントを確認しておきましょう。

受け取れる金額

保険会社や保険商品にもよりますが、がん診断給付金の金額は、50万円から200万円の範囲内で設定されていることが多くなっています。給付金額が大きいほど、保障が手厚く安心感がありますが、その分保険料の負担が重くなると思っていいでしょう。

保障範囲

「がん診断給付金」があるがん保険でも、がん保険の保障範囲によっては診断給付金がもらえないケースがあります。それが「上皮内新生物」です。

上皮内新生物は、上皮内がん、上皮内腫瘍とも呼ばれます。がん細胞が、臓器の表面を覆っている上皮内にとどまっているがんのことです。基本的には手術でとることが可能で、転移がほとんどないと考えられています。

悪性新生物に比べると、治療期間も短く、治療費の負担も軽いため、がん診断給付金の対象に上皮内新生物を含めていないがん保険や、上皮内新生物の場合は給付金の支給額を少なく設定しているがん保険も多数あります。

保険料とのバランスになるとも思いますが、上皮内新生物も保障の対象としている保険の方が、安心感があるでしょう。

受取回数

がん診断給付金の受取回数には、複数回受け取れるものと、1回のみのものがあります。がん診断給付金を複数回受け取れる商品だと、再発やがん治療の長期化に備えることができて安心感がありますが、その分保険料が高くなる傾向があります。

また、2回目以降の支払い条件などもあらかじめ確認しておきましょう。

免責期間

がん保険では、一般的に、契約から90日までは待機期間と呼ばれる免責期間が設けられています。つまり、契約から90日以内にがんと診断されたとしても、がん診断給付金やがん入院給付金等を受け取ることができません。早めの加入を心掛けましょう。

がん治療にかかる費用の目安はどれくらいなのでしょうか。部位別に確認しましょう。

費用の目安

図表1は、部位別のがんの治療にかかった平均的な医療費です。この金額は医療費の総額のため、患者が負担する金額は「平均医療費×30%」と考えられます(自己負担割合が3割の場合)。

また、健康保険には、1ヶ月の医療費の自己負担額に上限を設ける高額療養費制度があるため、実際の負担額はさらに抑えられるとも考えられます。

図表1「がんにかかる医療費(1入院あたり)」
疾病名 医療費
胃の悪性新生物 973,747円
気管支および肺の悪性新生物 908,470円
直腸の悪性新生物 990,784円
乳房の悪性新生物 784,143円

医療費以外にも、1日1,380円(一食460円)の食事代がかかるほか、個室や少人数部屋を利用すればその日数分の差額ベッド代等が全額自己負担となります。

治療以外の費用にも注意

がんの場合は、退院したら終わりではなく、退院後も通院しながら治療を続けるケースが多くなります。

通院のために会社を休んだり、体調不良が続いて今まで通りに仕事ができなくなったりすれば、収入が減少する可能性があります。体への負担を軽くするために、今まで自分でやっていた家事を誰かに依頼することもあるかもしれません。

がん診断給付金は、治療の初期にまとまった給付金を受け取れます。そのため、治療費はもちろん、生活費の補填や子どもの教育費など、さまざまな使い方ができます。

がん診断給付金は、がんと診断されたらすぐに給付金支払いを申請できます。治療方法や入院日数に関わらず、治療の早期にまとまった金額を受け取れることが大きなメリットになります。多様な治療の選択肢を確保できるのはもちろんのこと、生活費の補填などにも活用できます。

上皮内新生物でもがん診断給付金を受け取れるがん保険を選んでおいて、がん検診などを積極的に受けることで、早期発見・早期治療を心掛けていきましょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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