保険お役立ちコラム
がん保険の告知書には何を書くの?がん保険に加入する前に確認しておきたいポイント
公開日:2020/4/23
がん保険の加入手続きでは、健康状態に関する告知を求められます。がん保険での告知内容は、ふつうの医療保険とどこが違うのでしょうか? お手軽なネットでの告知についてもお話しします。
告知書とは
告知書の役割
生命保険の加入手続きでは、申込書の提出とあわせて、告知書の提出が必要です。告知とは、保障の対象となる被保険者の健康状態や既往歴、職業など、質問されたことに対してありのままに生命保険会社に伝えることをいいます。
生命保険会社では、告知書に書かれた内容をもとに、保険契約を引受するかどうかを決めます。既往症がある人は健康な人に比べて入院や手術のリスクが高くなるため、すでに病気を抱えている人が加入すると、加入者同士の公平性が保てなくなります。そこで、生命保険会社では、告知書に書かれた内容から、リスクが高い人だと判断すれば、保険の契約をお断りするか、もしくは特定の病気や体の部位を一定期間保障の対象から外したり、保険料を上げるなど、特別な条件を付けて加入を認めることがあります。また、告知書だけでは判断がつかない場合や、希望する保障額が高額の場合には、加入にあたって健康診断書の提出や医師の診査が必要になることもあります。
ネット保険の場合だと、告知もネット上で完結します。インターネットやスマートフォンから保険の申込みを行うと、申込み画面の後に続いて告知画面が現れます。画面上に表示されている質問に答えていくとその場で告知が完了します。
告知義務違反
保険の加入を希望する人が、事実と異なる内容を告知したり、過去に受けた治療や現在かかっている病気について正しく告知しなかったときには、生命保険会社は告知義務違反と判断して、契約を解除できます。本当に保障が必要になったときに肝心の保険が適用されない、ということにならないよう、加入時には正しい告知を心がけましょう。
がん保険の告知書はどこまで書けばいいのか
がん保険の告知内容
生命保険の告知書では、被保険者の名前、身長・体重、職業、年収、連絡先などの基本情報を記入する欄と、過去から現在までの健康状態を記入する欄があります。ネット保険の場合には、パソコンやスマートフォンから入力できます。質問項目のほか、告知するうえで迷いそうな点のアドバイスも画面上に現れるなど、ひとりで入力しやすいように工夫されています。告知内容については各保険会社が独自の基準を設けているため、少しずつ異なりますが、ここではがん保険の告知についての一般的な傾向をお話しします。
よくあるのが「今までにがんになったことがありますか?」というがんの既往歴を問う質問です。がんは再発のリスクが高い病気なので、過去に一度でもがんになったことがあれば、告知する必要があります。
既往歴は、生命保険会社にもよりますが、過去5年、過去2年、過去3ヶ月などと期間を分けた質問があります。「過去5年以内に所定の病気について、手術や7日間以上の入院をしたり、医師の診察・検査・治療・入院のいずれかを受けたことがありますか」「過去2年以内に、健康診断や人間ドッグで指摘を受けたことがありますか」「過去3ヶ月でかかった病気、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか」といった内容です。告知書についている病名や症状が載っている「別表」や、ネット保険の告知画面には、体の部位ごとに具体的名称や症状が書かれているので、あてはまるものがないか参考にしながら記入します。
健康診断の欄は、指摘があった場合はもちろん記入しますが、そもそも健康診断を受けていない人もその旨を伝えます。女性の場合には、現在妊娠中かどうかを聞かれることもあります。
過去から現在にかけて詳しく記入してもらうことにより、加入希望者の公平を保った引受査定を行うことが出来ます。
告知義務の範囲
健康診断や人間ドッグを受けて、要経過観察といわれることがあります。要経過観察とは、すぐに治療や投薬が必要というわけではないものの、時期をおいて再検査をして、状況を観察していくということです。その後の数値や状況の変化を調べるために、3ヶ月から6ヶ月後を目途に、また検査を受けに来るように言われることも多いでしょう。
このような状況では、告知書の記入に迷ったり、余計なことを書かずに提出したいと思うかもしれません。しかし、自己判断で書かない選択をすることは、告知義務違反となる可能性があり、せっかく加入した保険でも給付金が受け取れなくなるかもしれません。正しく情報を伝えたうえで、告知に該当するか迷ったときは保険会社に聞くといいでしょう。
がん保険には90日(3ヶ月)の免責期間がある
がんは自覚症状があってから、がんと確定診断されるまでに検査などで時間を要することがあります。また、がんによっては進行が速く、自覚症状を感じた時にはすでに相当進行していることもあります。このため、保険会社の多くは、契約成立から90日(3ヶ月)間は保障が開始されるまでの待期期間を設けて、その期間に診断されたがんを保障の対象外とする免責期間を設けています。
がん検診を受ける直前に、慌ててがん保険に申込むのでは手遅れになりかねません。がん保険への加入を検討している人は、90日(3ヶ月)の免責期間を念頭に入れて、余裕をもって手続きを済ませましょう。
告知義務違反に気を付けて、告知書は正直に隠さず記入しよう
がん保険の加入手続きは、免責期間を意識して、余裕をもって済ませましょう。告知書は正直に隠さず詳しく記入しましょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
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- ※ アクサのネット完結保険の保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 個別の税務等の詳細については税務署や税理士等、専門家にご確認ください。
ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。