保険お役立ちコラム

がん保険に入るか悩んでいる人へ罹患リスクと必要性を解説

更新日:2023/08/16

※本記事についてのご注意

がんの治療法や治療費について、あなたはどの程度知っているでしょうか。この記事では、がん保険に入っていない場合のリスクや、がん保険に入るメリットを解説しています。

がん保険に入るか悩んでいる人へ罹患リスクと必要性を解説

がん保険が必要と言われる理由の1つに、がんの治療費があります。がん治療にかかるお金と治療の選択肢から、がん保険について考えてみましょう。

公的医療保険で保障されない部分を備える

がんの治療であっても、公的医療保険が適用されますが、差額ベッド代や入院時の食事代、入院中のパジャマレンタルなどの諸費用については自己負担となります。それぞれにかかる金額はわずかでも、入院日数が長期化すれば負担が積み重なっていきます。

長期の治療に備える

がんの治療は多くの場合、長期に渡ります。入院日数自体は短かったとしても、退院後に通院治療が続くこともありますし、職場に復帰できたとしても仕事のペースを落とすなど、今まで通りのようには働けないこともあるでしょう。

医療費が長期でかかる一方で、収入減少が続くとなると、家計には大きな負担となります。治療に専念するためにも、経済的な心配はなるべく取り除いておきたいものです。

積極的な治療を受けられる

がんの標準治療には、手術や抗がん剤治療、放射線治療があります。公的医療保険の使える範囲であれば、治療費は3割負担(年齢や所得によっては2割負担、1割負担)になりますし、高額な治療費がかかった月には「高額療養費制度」が適用されるため、限度額を超過した分については払い戻しを受けられます。

ただし、すべての治療法に公的医療保険が適用されるわけではありません。例えば、がんの陽子線治療や重粒子線治療のような先進医療を受けるときには、その技術料は全額自己負担となります。こうした費用にも備えたいと思ったら、がん保険に加入しておくと治療の選択肢を広げられます。

男女別、年齢階級別のがん罹患リスクを見ながら、がん保険の必要性について考えてみましょう。

生涯でがんに罹患する確率

がん情報サービス「最新がん統計」2019年データに基づくと、一生涯でがんと診断される確率は男性が65.5%、女性が51.2%です。男女とも一生涯では2人に1人ががんになるリスクがあるという結果がでています。

年齢別がんの罹患リスク

がん情報サービスの「年齢別がん罹患リスク」によると、がんの罹患率は年齢が上がるにつれて上昇していくことがわかります。

図表1「年齢別がん罹患リスク(2019年データに基づく)」

<男性>
現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.2% 0.3% 0.6% 1.2% 2.8% 7.7% 21.4% 43.0% 65.5%
10歳 0.1% 0.4% 1.1% 2.6% 7.6% 21.4% 43.1% 65.6%
20歳 0.3% 0.9% 2.5% 7.4% 21.3% 43.1% 65.6%
30歳 0.6% 2.2% 7.2% 21.2% 43.1% 65.8%
40歳 1.6% 6.6% 20.8% 43.0% 66.0%
50歳 5.2% 19.7% 42.5% 66.2%
60歳 15.7% 40.5% 66.1%
70歳 31.3% 63.9%
<女性>
現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.1% 0.3% 0.7% 2.3% 6.3% 12.5% 21.4% 33.3% 51.2%
10歳 0.1% 0.6% 2.1% 6.2% 12.4% 21.4% 33.3% 51.2%
20歳 0.5% 2.0% 6.1% 12.3% 21.3% 33.3% 51.2%
30歳 1.6% 5.7% 12.0% 21.0% 33.0% 51.1%
40歳 4.2% 10.6% 19.7% 32.0% 50.4%
50歳 6.7% 16.3% 29.2% 48.5%
60歳 10.4% 24.3% 45.2%
70歳 15.9% 39.7%

男女別がんのリスク

同データより、男女のがん罹患率を比べてみると、10代後半から50代までは女性の方ががんの罹患率が高い傾向にあり、60代から80代は男性の方ががんの罹患率が上回ります。

日本人ががんで死亡するリスク

がん情報サービス「最新がん統計」2021年データに基づくと、日本人ががんで死亡する確率は、男性が26.2%(4人に1人)、女性が17.7%(6人に1人)です。

近年のがん治療の傾向

患者調査から入院日数の傾向を見てみると、近年は全ての傷病で入院期間が短期化していますが、がん治療では平均を大きく上回る勢いで入院期間が短期化していることが分かります。ただし、がんの治療は退院して終わりではありません。抗がん剤などによる治療や経過観察などで、退院してからも通院が続くことも考えておきましょう。

図表2「退院患者の平均在院日数」
平成8年(1996年) 令和2年(2020年)
すべての傷病 40.8日 32.3日
がん(悪性新生物) 46.0日 19.6日

がん保険に入っていない場合には、どのような経済的な負担があるのでしょうか。収入減少や治療にかかる費用などについて解説します。

働けない期間の収入は減少

休職期間中は収入が減少します。会社員の場合、病気やケガの療養で仕事を休んでいる期間は、傷病手当金が支給されます。入院中に限らず会社からの給与が出ない場合の傷病手当金は、直前12ヵ月の平均給与の3分の2になります。

自営業等の場合には傷病手当金がないため、働けなければ収入が無くなることになります。療養期間中の収入減少に、あらかじめ備えておく必要があります。

なお、厚生労働省では治療と仕事の両立支援に取り組み、患者に対しても企業に対しても治療をしながら働き続けられるようにさまざまな情報提供を行っています。治療にはお金がかかりますし、働き続けることは生きがいにもつながりますから、勤務先と調整しながら働ける工夫もしていきましょう。

それでも、通院のためや副作用が原因で仕事を休むことも考えられますし、時短勤務や、身体に負担の少ない仕事に転職をする可能性もあります。経済的な備えがあれば、選択の幅が広がります。

がんの手術費用

がんの標準治療には、手術、放射線治療、抗がん剤治療があります。がんになった場所やその進行具合などによっても、どの治療を選択するかは異なります。また、複数の治療方法を組み合わせたり、同じ治療を繰り返したりすることもあるため、かかる費用は一概にはいえません。

国立がん研究センター中央病院のデータより、肺がんの治療にかかった費用を治療別に抜き出しました。肺がんの手術には開腹手術と腹腔鏡下手術があります。ここでは肺を手術によって部分切除した場合の平均費用を載せています。患者負担額は、加入する健康保険の自己負担割合によって異なります。

また、1か月の自己負担額が高額療養費を上回った場合には、後日差額が払い戻されます。なお、こちらの費用には、公的医療保険が適用されない差額ベッド代等や食事代等は含まれていません。

図表3「肺がんの手術にかかる費用」
平均在院
日数
平均総額
医療費
患者負担割合
3割負担 2割負担 1割負担
胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術
(部分切除)
6.3日 1,240,100円 372,100円 248,100円 124,100円
肺悪性腫瘍切除
(部分切除)
7.2日 1,369,400円 410,900円 273,900円 137,000円

放射線治療の費用

肺がんの放射線療法にかかる費用は、以下の通りです。

図表4「肺がんの放射線治療にかかる費用」
平均在院
日数
平均総額
医療費
患者負担割合
3割負担 2割負担 1割負担
放射線治療 16.2日 917,900円 275,400円 183,600円 91,800円

抗がん剤治療の費用

肺がん治療で用いられる抗がん剤にはいくつかの種類や組み合わせがあります。ここでは2つのパターンを載せています。

図表5「肺がんの抗がん剤治療にかかる費用」
平均在院
日数
平均総額
医療費
患者負担割合
3割負担 2割負担 1割負担
カルボプラチン
+エトポシド療法
6.2日 305,900円 91,800円 61,200円 30,600円
シスプラチン
+ビノレルビン療法
9.7日 425,100円 127,600円 85,100円 42,600円

先進医療の費用

先進医療は、公的医療保険が適用されない特別な治療です。先進医療と組み合わせて行った通常の治療(診察・検査・投薬・入院料等)については公的医療保険が適用されますが、先進医療の技術料については全額自己負担となります。

がん治療にかかる技術料の平均額は、重粒子線治療が3,162,781円、陽子線治療が2,692,988円となっています。

がんの治療にかかった平均費用

がんの治療にかかる費用は医療費だけではありません。医療費以外にかかる費用も用意しておきましょう。

ほかにも必要な治療費以外の費用

個室や少人数部屋に入院する場合には差額ベッド代がかかります。そのほか、食費は一般の人の場合1食あたり460円の自己負担があります。入院日数が長くなると食費額も大きな負担となります。また、入院中は着替えが必要になります。パジャマなどの洗い替えを複数枚用意しておくか、着替えをレンタルすることになるため、その分の費用がかかります。

家事や子育てをしている人が入院する場合には、家事代行サービスやベビーシッターを利用するか、外食やクリーニングの頻度が増えるなどして生活費がかさむ場合もあるでしょう。体への負担を考えると、退院後もしばらくはこうしたサービスの利用が続く可能性も考えておき、費用を見積もっておきましょう。

がん保険の保障は保険会社によっても異なりますが、がん診断給付金とがん入院給付金を主契約としているがん保険が多くなっています。

がん診断給付金

がんと診断されたときに、50万円、100万円、150万円など、まとまった一時金が支払われます。がんの治療には手術や放射線治療、抗がん剤治療などがあり、どの治療法を選択するかによって入院日数や手術の有無などは異なります。

がんと診断された段階ではどの治療を選択するかわかりませんが、診断を受けた段階でまとまった金額が支給されることで、どの治療法を選んだ場合にも対応しやすくなります。

がん入院給付金

がんで入院した場合に入院日数に応じた給付金が支払われます。通常の医療保険では、1入院辺り60日や120日などの上限日数が決まっていますが、がん保険の場合には日数無制限となっているため、長期入院にも対応しやすくなっています。

その他の給付金

がん手術給付金、がん放射線治療給付金、抗がん剤治療給付金などは特約としてがん保険に付加できる場合が多くなっています。いずれもその治療法を選んだ場合に、給付金が支払われます。

がん保険の目的は、がんにかかった場合の経済的な負担を緩和することです。がんの治療には公的医療保険が使えますが、先進医療や差額ベッド代などには公的医療保険が使えません。そのうえ、治療以外にもこまごまとした費用がかかります。がん保険に加入しておけば、治療の選択肢の幅が広がりますし、療養中の支出についても対応しやすくなるでしょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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