保険お役立ちコラム

就業不能保険はうつ病でも保障対象になるの?加入の際の注意点も解説

※本記事についてのご注意

働けない期間に備える就業不能保険では、うつ病などの精神疾患に備えられるのでしょうか。保険会社ごとに異なる保障の範囲、免責期間、保障される期間について解説します。精神疾患で「保障」を受けられる場合の条件についても確認しましょう。

就業不能保険はうつ病でも保障対象になるの?加入の際の注意点も解説

就業不能保険は、病気やケガの療養のために働けない期間の収入減少に備える保険です。入院費用や手術費用には医療保険で備えますが、医療保険だけでは生活費の減少には備えられないことから、近年は、この就業不能保険に注目が集まっています。

多くの就業不能保険では、病気やケガで働けない状態になってからすぐに保障が始まるわけではなく、一定の免責期間を設けています。免責期間を60日間に設定している保険会社が多くありますが、保険会社によって日数は異なります。

免責期間が終わっても働けない状態が続く場合に、設定した給付金を毎月受け取れます。

図表1「就業不能保険の給付の流れ」

就業不能保険の加入率

生命保険文化センターの調査によると、就業不能保険に加入している方の割合は40歳代が最も高く、男性が12.5%、女性が7.9%となっています。40歳代の次には30歳代が高いことからも、働き盛りの世代に支持されている保険ということがわかります。

図表2「就業不能保険の加入率(年代別・性別)」
年代 男性 女性
20歳代 5.1% 6.7%
30歳代 11.3% 6.0%
40歳代 12.5% 7.9%
50歳代 7.0% 3.3%
60歳代 3.6% 3.2%
70歳代 1.1% 1.3%
全年代平均 6.4% 4.4%

うつ病などメンタルヘルス不調で働けなくなった方の割合

うつ病などメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した方がいる事業所は全体の10.6%、同理由で退職した方のいる事業所は5.9%になります。平均すると全事業所の13.3%でメンタルヘルス不調による休業もしくは退職していることになります。

図表3 「過去1年間にメンタルヘルス不調により1ヶ月以上休業した労働者・退職した労働者がいた事業所の割合(事業所規模別)」
事業所の
従業員数
いずれかに
該当する労働者がいた
事務所の割合(1or2)
1 連続1ヶ月以上休業した
労働者がいた事務所の割合
2 退職した労働者が
いた事務所の割合
全事業所 13.3% 10.6% 5.9%
1,000人以上 93.5% 90.8% 75.4%
500~999人 89.4% 88.7% 43.1%
300~499人 66.4% 65.3% 33.2%
100~299人 52.0% 46.9% 23.6%
50~99人 27.4% 23.6% 9.3%
30~49人 19.2% 14.1% 8.7%
10~29人 6.9% 4.8% 3.1%
  • ※ 参照 厚生労働省 令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)の概況 第1表」過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所及び労働者割合
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r04-46-50_kekka-gaiyo01.pdf

また、メンタルヘルス不調よって連続1ヶ月以上休業した労働者の割合は全体の0.6%、退職した方の割合は0.2%となっています。

図表4「過去1年間にメンタルヘルス不調により1ヶ月以上休業した労働者・退職した労働者がいた事務所の割合(事業所規模別)」
連続1ヶ月以上休業した
労働者の割合
退職した労働者の割合
全事業所 0.6% 0.2%
1,000人以上 1.0% 0.2%
500~999人 1.0% 0.3%
300~499人 0.7% 0.2%
100~299人 0.7% 0.2%
50~99人 0.5% 0.2%
30~49人 0.5% 0.3%
10~29人 0.3% 0.2%
  • ※ 参照 厚生労働省 令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)の概況 第1表」過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所及び労働者割合
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r04-46-50_kekka-gaiyo01.pdf

就業不能保険は、働けない場合に備える保険といわれますが、病気やケガの療養で働けない期間に備える保険です。失業を理由に働けない場合は想定していません。

病気やケガの療養であれば、入院中でも在宅療養でも対象となります。ただし、在宅療養については、医師の指示に基づくこと、対象となる療養であることなど、保険会社ごとに条件が設けられています。

うつ病などの精神疾患でも給付金を受け取れるかどうかは、保険会社ごとに異なります。精神疾患による休職にも備えたい場合には、保障の範囲を事前に確認しておきましょう。

うつ病などの精神疾患により働けない期間が続いた場合に利用できる、公的保険制度をご紹介します。

傷病手当金

傷病手当金は、病気やケガの治療で働けなくなったら、休業4日目から通算1年6ヶ月までの間、給与の約3分の2を受け取れる制度です。うつ病などの精神疾患で休職している場合でも受給できます。

会社員や公務員が加入する健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)にある制度のため、個人事業主など国民健康保険に加入する方は残念ながら利用できません。

傷病手当金がない方は、傷病手当金がある方に比べて、収入の減少に対してより手厚く備える必要があります。

障害年金

障害年金は、障害認定を受けた方が受け取れる年金です。国民年金加入者には障害基礎年金、会社員や公務員などの厚生年金加入者には、障害基礎年金に加えて障害厚生年金があります。

例えば障害年金は、うつ病、統合失調症、双極性障害、反復性うつ性障害などは、一定の要件を満たしたと認められれば受給対象となります。ただし、人格障害やパニック障害などは障害年金の対象外となります。

なお、症状が固定して障害状態と診断された場合、もしくは、初診日から1年6ヶ月が経っても傷病が治らない場合、その日を障害認定日とします。

失業手当

失業手当は、雇用保険に一定期間加入していた方が、職を失って働けない間の生活保障としてもらえるお金です。失業手当は俗称で、正式名称は、雇用保険の「基本手当」といいます。

失業手当の対象者は、「いつでも就職できる状態にあり、就職する意思があり、ハローワークに求職の申込みをしている方」のため、病気の療養により休職している方は対象外となります。

また、雇用されていない個人事業主は、そもそも失業保険の対象外となります。

失業手当の受給期間は失業してから1年間です。失業状態にありながら、療養中ですぐに働けないという方は、ハローワークで受給期間の延長手続きをしておくと、離職日の翌日から4年以内にまで延ばせるため、回復後に失業手当をもらいやすくなります。

精神障がい者保健福祉手帳

精神的な障害のため、長期間にわたって日常生活や社会生活に制約がある場合に、市区町村の窓口に申請します。精神障がい者保健福祉手帳があると、税金の優遇や公共施設の利用料金の優待など、いくつかの優遇が受けられます。

自立支援医療制度(精神通院医療)

患者の負担を軽減するために、医療費の自己負担上限金額を設定し、上限金額に満たない場合にも最大1割負担に抑えられる制度です。

働けないときの生活費の保障をしてくれる就業不能保険ですが、保障の範囲は決まっています。どのような場合が保障の対象外となるのか、保障の範囲について確認しておきましょう。

すでに精神疾患と診断されている場合は保障されない

保険に申込むときには、告知をします。療養中の病気等があるときには、保険に加入できない、もしくは保障の対象外となる可能性があります。

すでに精神疾患と診断されている方は、そのことを告知することになるので、保険に入れない場合や精神疾患が保障の対象外となる可能性が高くなります。

精神疾患も保障されるのかを確認する

就業不能保険で保障される範囲は、実は保険会社ごとに異なっています。精神疾患による療養も保障の対象に含まれるかどうかを、加入前に確認しておきましょう。

給付の限界回数を確認する

就業不能状態になれば、その状態が続く限りいつまでも保障する就業不能保険がある一方で、給付の回数や年数に上限を設けている保険もあります。

また、精神疾患も保障している保険では、他の疾病と区別して、精神疾患での保険金・給付金の回数に一定の上限を設けている場合もあります。

在宅医療は保障対象外になる

在宅療養でも保障の対象とする就業不能保険、うつ病などの精神疾患を保障対象としている就業不能保険でも、精神疾患による在宅療養は保障の対象外となります。

うつ病などによる休業は保障の対象外とする保険もあれば、うつ病でも入院療養であれば保障対象とする保険、うつ病の場合には就業不能給付金ではなく一時金の支払いとする保険など、保障の範囲や保障内容は保険会社によって異なります。

免責期間を確認する

免責期間は給付金や保険金の支払い対象外となる期間のことです。多くの就業不能保険では、就業不能状態から一定期間を免責期間としています。

多くの就業不能保険では免責期間を60日としていますが、免責期間がない保険や30日など短期に設定されているものもあります。この場合、保障対象となる病気や症状を絞り込んでいる場合もあるので、保障内容についても合わせて確認しましょう。

そのほか、傷病手当金の受給資格がある方に対しては、保険料を抑えるために免責期間を60日よりも長期に設定する選択肢がある場合もあります。

就業不能保険の中には、うつ病などの精神疾患を保障の対象としているものがあります。精神疾患が気になる場合には、就業不能保険の保障している疾病の範囲に注目しましょう。ただし、その場合も精神疾患については在宅療養を保障の対象外とする場合や、一時金のみの支給とする場合など、各保険会社によって対応が異なります。

そのほか、免責期間の日数や、給付の上限にも注目しながら、保険料と需給のバランスを考えて選びましょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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