保険お役立ちコラム

掛け捨て型の生命保険とは?貯蓄型との違いや、掛け捨て型のメリットとデメリットを紹介

更新日:2022/08/08

※本記事についてのご注意

生命保険には、掛け捨て型と貯蓄型(積み立て型)があります。この記事では、生命保険の概要について触れたあと、 両者の比較から掛け捨て型の生命保険のメリット・デメリットについて考えてみましょう。

生命保険とは大勢の人で保険料を公平に負担し、万が一の事態が起こった場合にその中から保険金を支払うと約束した保険のことで、「一人は万人のために、万人は一人のために」という相互扶助の精神のもとに成り立っています。

生命保険は保険金がどのようなケースで支払われるかによって、以下の4つに大別されます。

死亡保険

死亡保険はその名のとおり、保険の対象者(以下、「被保険者」)が死亡または高度障害状態になった時に保険金が支払われる保険のことです。

また、死亡保険は保障の期間が定められている「定期保険」と保険期間が一生涯となる「終身保険」に分類でき、後述する掛け捨て型の生命保険は「定期保険」の立ち位置に該当します。

生存保険

生存保険は契約してから満期を迎えるまで被保険者が生存していた場合に、保険金が支払われる保険のことです。

具体的には将来の学費に備える「学資保険」や老後資金の備えとして活用される「個人年金保険」といった商品が該当します。

生死混合保険

生死混合保険は、死亡保険と生存保険が組み合わさった保険のことです。

被保険者が保険期間内に死亡、または高度障害状態になった時には「死亡保険金」が、満期を迎えるまで生存していた時は「生存保険金」が支払われます。

代表的な生死混合保険として万が一に備える保障機能と貯蓄性を併せ持った「養老保険」が挙げられるでしょう。

その他の生命保険

生命保険の中には、「死亡」以外の保険事故を支払い対象とした保険もあります。

例として、病気やケガによる入院、手術などに備える「医療保険」やがんによる入院、手術などに備える「がん保険」が挙げられるでしょう。

ここまでに挙げた保険を単独で、あるいは組み合わせることでニーズに見合った保険を選べます。

掛け捨て型の生命保険とは

そもそも生命保険とは、大勢の人々が万が一の場合に備えてお金を出し合い、誰かが困った状態になったらそこからお金が支払われる「助け合い」の仕組みです。困った時に助けてもらえる安心感を得るために、少しずつお金を出し合う「掛け捨て」が本来の保険の姿でした。
その後、金融商品として保険が発展していくなかで貯蓄性のある保険も登場し、今では、掛け捨て型の生命保険、貯蓄型の生命保険のなかから、ニーズに合わせて保険を選べるようになってきています。
掛け捨て型の生命保険の特徴としては(1)貯蓄型に比べて保険料がお手頃となる傾向にある、(2)お手頃な保険料で大きな保障を備えやすい、(3)支払った保険料が戻ってこない などが挙げられます。

掛け捨て型の生命保険の種類

定期保険

定期保険は、一定期間内に亡くなった場合に、死亡保険金を支払う生命保険です。保険料がお手頃となる傾向にあり、被保険者が死亡した場合にまとまった額の死亡保険金を支払って遺族のその後の生活を支えます。定期というその名の通り、あらかじめ期間を定めて保障をするので、その期間を過ぎてから死亡しても保険金は1円も支払われません。また、基本的に掛け捨てなので、保険期間中に解約しても解約返戻金は無いか、あってもわずかしか受け取ることができません。(※1) もっともシンプルで基本的な保険の形がこの定期保険です。

  • ※1 長期平準定期保険や逓増定期保険など一部の定期保険を除きます。

収入保障保険

収入保障保険は、被保険者が亡くなった時の死亡保険金が、毎月定額ずつ年金形式で支払われる生命保険です。期間を定めて加入する定期保険の一種で、お手頃な保険料で大きな保障を備えやすいという特徴があり、遺族にとってより使いやすく、合理的な工夫がされています。
収入保障保険は、その名の通り、遺族に安定した収入を保障します。毎月給与収入を得ていた人が亡くなると、遺族には公的遺族年金が支払われますが、それだけでは生活費が不足します。そんな場合も、生前に収入保障保険に加入していれば、毎月定額ずつ、あらかじめ決めた金額を死亡保険金として受け取ることができます。死亡保険金の受け取り開始時に、定額ずつ受け取るか、一括受け取りをするか選ぶことができるので、幅広い用途に活用しやすい保険です。

保険金の受け取り総額は、保険期間中の早い段階で亡くなったほうが多く、遅い段階で亡くなるほど少なくなります。子育て中の家族にとっては、出産直後が一番大きな保障が必要です。子どもの成長に合わせて必要な保障額は減っていくので、遺族の生活費を遺したいという時には合理的な保険です。

メリット

定期保険や収入保障保険といった、保険料が掛け捨てになる生命保険は、終身保険などの貯蓄型の生命保険に比べると、保険料がお手頃に設定されています。小さな子どもがいる子育てファミリーなどは、大きな保障が必要になりますが、そうしたタイミングでもお手頃な保険料で大きな保障を備えやすく、ライフスタイルの変化に合わせて、保障を見直しやすいというメリットがあります。

デメリット

掛け捨て型の生命保険は基本的に貯蓄性がないため、満期まで保険料を支払っても満期保険金がありません。さらに、保険の途中で解約をしても、解約返戻金が無いか、あってもごくわずかです。また、定期保険のように期間を定めた保険では、保険期間中の保険料は一定ですが、その保険が満期を迎えて更新する時には、その時の年齢で契約となるため、保険料が上がるのが一般的です。なお、定期保険が満期を迎えて同じ保険を更新する場合には、保障額を増額しない限り、更新時の健康状態に関わらず加入することができます。

貯蓄型の生命保険とは

貯蓄型の生命保険は、保険の保障機能に貯蓄機能を組み合わせた保険商品です。代表的な保険としては、何歳で亡くなっても死亡保険金を受け取れる「終身保険」や、保険期間内に亡くなったら死亡保険金、なにごともなく満期を迎えたら満期保険金を受け取れる「養老保険」などがあります。

貯蓄型の保険はどれも掛け捨て型の保険よりも保険料が高くなる傾向になりますが、支払った保険料の一部が保険会社によって運用されるため、途中で解約した場合には解約返戻金が受け取れますし、保険の種類によっては満期を迎えた時に満期保険金を受け取ることもできます。

契約者から受け取った保険料の一部を保障にあてて、残りを保険会社が運用して将来の支払いに備えます。

なお、貯蓄型保険とかけ捨て型保険の違いについては下記の記事で詳しくまとめています。

貯蓄型の生命保険の種類

終身保険

終身保険は、一生涯、死亡保障が続く保険です。何歳で亡くなっても保険金を支払うため、保険会社は契約者から受け取った保険料の一部を運用しています。そのため、途中で解約をした時には、加入期間に応じた解約返戻金を受け取ることができます。

解約返戻金とは、保険を中途解約した時に払い戻されるお金のことです。多くの終身保険では、最初の保険契約時に約束した予定利率で保険が運用されています。そのため、予定利率が高い時に契約した終身保険では、解約返戻金の返戻率が高くなっています。

養老保険

養老保険は、貯蓄目的でお金を貯めながら、保障機能も兼ね備えた保険です。あらかじめ定めた保険期間でなにごともなく保険料を払い終えると満期保険金が受け取れます。保険期間中に、万が一途中で亡くなった場合には、死亡保険金を受け取れます。養老保険では、この満期保険金額と死亡保険金額が同額になっています。満期を迎えるとそこで保障も終了します。また、満期を迎える前に中途解約した場合には、解約返戻金が受け取れます。

貯蓄型の生命保険では契約者貸付が可能

契約者貸付制度とは、生命保険の契約を担保にお金を借りる仕組みのことです。

契約者貸付の資金は「解約返戻金」となっており、保険会社から解約返戻金の一部を借りている状態と考えるとわかりやすいでしょう。

一般的に、契約者貸付を受けている間も保障はそのまま継続するほか、配当金を受け取る権利も継続します。

万が一、契約者貸付を利用している間に亡くなった場合、支払われる保険金と借入金額が相殺された金額が支払われます。

ただし、貯蓄型の生命保険に契約していたとしても、そもそも契約者貸付の取り扱いがない保険会社もあることに注意が必要です。

また、契約者貸付制度の貸付金は、利息がかかります。利用する前に確認しておきましょう。

  • ※アクサのネット完結保険では、契約者貸付制度の取り扱いはおこなっておりません。

メリット

貯蓄型の保険のメリットは、支払った保険料の一部が保険会社によって運用されて、将来、満期保険金や解約返戻金などといった形でお金を受け取れることです。保険の場合、保険契約時に予定利率が定められ、その利回りでずっと運用されることになります。(※2)そのため、予定利率が高い時に貯蓄性の高い保険に加入した場合には、その後、世の中の景気が悪くなったりしても、高い利回りで保険が運用されることになります。

  • ※2 積立利率変動型終身保険や外貨建ての保険など一部運用中に利率が変わる商品があります。

デメリット

貯蓄型の保険のデメリットは、掛け捨て型の保険に比べて保険料が高くなる傾向があり、必要な保障を貯蓄型の保険で確保しようとすると、保険料が高くなり、必要な保険が用意できないことがあります。また、途中で解約や減額をする場合には解約返戻金を受け取れますが、加入から数年以内の短期で解約をする場合には、保険の積立金から一定割合が解約控除として差し引かれるため、わずかな解約返戻金しか受け取れないことがあります。

生命保険の掛け捨て型と貯蓄型の違いについて、下表で確認しておきましょう。

図表1「生命保険の掛け捨て型と貯蓄型の違い」(筆者作成)
掛け捨て型 貯蓄型
契約期間 終身または定期 終身または定期
保険料 比較的お手頃 比較的高い
満期返戻金 なし あり(満期のある商品の場合)
解約返戻金 なし(あっても少額) あり(※)
代表的な保険の例 定期保険、収入保障保険、終身医療保険、がん終身保険 終身保険、学資保険、養老保険、個人年金保険
  • (※)払い込んだ保険料と返戻率によって金額が変わる

掛け捨て型の生命保険が向いている人とは

掛け捨て型の生命保険が向いている人は、お手頃な保険料で大きな保障を確保したい人です。子育てファミリーでは、万が一の時にも子どもの養育費や教育費がいるため、大きな保障を備える必要があります。定期保険や収入保障保険など、掛け捨て型の生命保険を活用しましょう。

また、万が一の場合のお葬式代や相続対策としてなどさまざまな目的で、一定期間、まとまった死亡保障が必要な場合にも、定期保険など掛け捨ての生命保険が活用できます。

また、近年はNISAやつみたてNISA、iDeCoなど、さまざまな投資の税制優遇制度ができています。保障は掛け捨て型で保険料を抑えて、投資は投資性商品を使ってやりたいという方にも掛け捨て型の生命保険は向いています。

貯蓄型の生命保険が向いている人とは

貯蓄型の生命保険が向いている人は、将来のために貯蓄をしながら保障も確保したい人です。支払う保険料は高めになりますが、自分で貯蓄することが苦手であったり、貯蓄が少ない人にはおすすめの保険だといえます。

貯蓄型の保険の特徴として、保険加入時の予定利率でずっとお金が運用される点が挙げられます。予定利率が高い時に保険に加入した場合には、高い利回りでその後もずっと運用されるため大きなメリットになりますが、予定利率が低い時に加入すると、同様に低い利回りでずっと運用されることになるので注意が必要です。

保険の中には、掛け捨て型と貯蓄型保険の両方の特徴を組み合わせた、「ハイブリッド型」と呼ばれる保険があります。

例として、終身保険を主契約とし、特約として掛け捨て型の定期保険を組み合わせた「定期付終身保険」が該当するでしょう。

子どもの教育などでお金がかかる間だけ保障を手厚くし、成長してお金がかからなくなったころに終身保険が残るように契約することで、万が一のリスクを軽減できます。

また、貯蓄型保険の1つである学資保険に子どもの医療保険を組み合わせるのもよくあるケースの1つです。

期間満了時に学資保険から満期保険金(解約時には解約返戻金)が受け取れることに加え、契約期間中に子どもがケガや病気で入院した場合も給付金を受け取れます。また、満期または解約時以外にも、進学時など子どもの決まった年齢で祝金(保険会社によって名称は異なる)を受け取れる学資保険もあります。このように、節目で祝金を受け取れるのもメリットの1つです。

個々のライフスタイルにあった形で保険を活用できるのが、ハイブリッド型の魅力といえるでしょう。

大きな保障が必要な子育てファミリーや、教育費や住宅ローンなどが重なって家計を見直したい人、収入が減って支出を抑えたい人には、掛け捨て型の生命保険が向いています。掛け捨て型の生命保険で保険料を抑えれば、資産運用にもお金を回しやすくなります。

ライター

白倉友里恵(しらくら ゆりえ)

AFP・2級ファイナンシャル・プランニング技能士

元信託銀行員で、AFP・2級FP技能士や宅建士、証券外務員1種、内部管理責任者、生保・損保募集人など複数の金融・不動産資格を取得した知識を初心者にわかりやすく執筆することを得意とする。

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