保険お役立ちコラム
死亡保障を備える生命保険には、貯蓄型の保険と、掛け捨て型の保険があります。それぞれの違いを比較しながら、貯蓄型保険について解説をしていきます。

貯蓄型保険の基本
貯蓄型保険とは
貯蓄型保険とは、万が一に備える保障機能と、貯蓄機能が合わさった保険を言います。万が一に備えつつも、支払った保険料の一部が運用に回されて、保険の満期時には満期保険金、解約時には解約返戻金としてお金を受け取ることが出来ます。
貯蓄型保険の種類
・終身保険
終身保険は、死亡保障が一生涯続く生命保険です。途中で解約しない限り必ず保険金の支払いが発生することから、保険会社は受け取った保険料の一部を、将来の支払いに備えて積み立てて運用しています。そのため、満期はありませんが、途中で解約をすると解約返戻金を受け取ることができます。何歳になってもずっと保障が続くため、相続対策に用いられることもあります。
・養老保険
養老保険は、満期までの間に万が一のことがあれば死亡保険金または高度障害保険金が支払われ、無事に満期を迎えると満期保険金が支払われる保険です。満期保険金と死亡保険金は同額になっています。貯蓄性が高い保険のため、教育資金準備や老後資金準備などの貯蓄目的で活用されることが多くなっています。また、保険期間中に解約をすると、解約返戻金を受け取ることができます。
・学資保険
学資保険は、子どもの将来の教育費準備目的で活用される保険で、こども保険と呼ばれることもあります。子どもの入学や進学にあわせて貯蓄代わりに保険料を払っていき、進学時期などで祝い金を受け取り、学費などに備えることができます。また、保険期間中に保険契約者である親等が亡くなると、以後の保険料の支払いが免除されますが、支払った場合と同額の満期保険金を、満期時に受け取ることができます。
・個人年金保険
個人年金保険は、老後資金準備目的で活用される保険です。契約時に年金受け取り開始年齢を決めておき、そこまで保険料を払い込んでいきます。払込期間中に亡くなると、それまで払い込んだ保険料と同程度の死亡保険金が支払われます。無事に年金の受け取り開始年齢を迎えると、そこから年金の支払いが始まります。個人年金保険は受け取り期間によって大きく3つに分けられます。
確定年金は、10年や15年などの一定期間、被保険者の生死にかかわらず年金を受け取れます。終身年金は、被保険者が亡くなるまで一生涯年金の支払いが続きます。長生きするほど受け取り総額は増えますが、早く亡くなった場合は遺族へお金が支払われないため、受け取り総額が少なくなります。有期年金は、あらかじめ定めた期間のうち、被保険者が生きている間だけ年金を受け取れます。
貯蓄型保険のメリット
保障と貯蓄性を兼ね備えた貯蓄型保険では、状況に合わせてお金を使い分けることができます。亡くなったときに保険金を受け取れる以外にも、実にさまざまな使い道が考えられます。
例えば、養老保険の満期保険金は、長い期間をかけて確実に貯蓄をしたい人に向いています。20代の独身者が将来のためにお金を貯めたいと思ったとき、10年満期、15年満期の養老保険を活用すれば、30代や40代になって住宅資金や教育資金が必要になったときに満期保険金を活用できます。払い込む保険料は、生命保険料控除の対象になるため納めた税金の一部が還付されますし、払込期間中に万が一のことがあれば、満期保険金と同額の死亡保険金が遺族に支払われます。
終身保険は、何歳で亡くなっても必ず保険金が支払われることから、お葬式代の準備で用いられることが多くなっています。また、もしその途中で老後資金が足りなくなった場合には、終身保険を中途解約して解約返戻金を受け取れば、老後資金として利用できます。

掛け捨て型保険の基本
掛け捨て型保険とは
掛け捨て型保険とは、満期保険金や解約返戻金がない保険です。保険期間中に保障の対象となる事柄がおきれば、保険金や給付金が支払われますが、何事もなく保険期間が終了すると、なにも支払われず保険料は掛け捨てになります。保険料を運用に回す必要がないため、貯蓄型保険に比べて保険料がお手頃になっています。
掛け捨て型保険の種類
・定期保険
定期保険は、期間を定めた生命保険です。被保険者が保険期間内に亡くなると死亡保険金が支払われますが、保険期間を過ぎてから亡くなっても死亡保険金は支払われません。また無事に保険期間を終了しても満期保険金はありません。途中解約をした場合も、解約返戻金は無いか、あってもごくわずかです。(※1)ただし、終身保険などの貯蓄型保険よりも保険料がお手頃なため、家計に負担をかけずに大きな死亡保障を備えやすい特徴があります。
- ※1 長期平準定期保険や逓増定期保険など一部の定期保険を除きます。
・収入保障保険
収入保障保険は、死亡保険金を年金形式で受け取れる定期保険です。保険契約時に、1ヶ月あたりの死亡保険金額と保険期間を決めておき、保険期間中に被保険者が亡くなった場合には、その時点から毎月定額ずつ保険金が支払われます。保険期間の早期に亡くなると保険金の受け取り総額は多くなりますが、保険期間の終了間近に亡くなると受け取り総額は少なくなります。保険期間中であればいつ亡くなっても同額の死亡保険金を受け取れる定期保険に比べて、受け取り総額がだんだん減少する分、収入保障保険の保険料はお手頃になります。なお、収入保障保険の保険金は、一括受け取りも選択できますが、年金形式での受け取りに比べると受け取り総額は少なくなります。
掛け捨て型保険のメリット
掛け捨て型保険の最大のメリットは、お手頃な保険料でしょう。保険はもともと、「自分にもしものことがあったとしても、家族の暮らしを守りたい」という思いに応えるためのものでした。家計に負担とならないお手頃な保険料で、もしもの場合にしっかりと備えられる掛け捨て型保険は、保険の原点に近い保険です。
掛け捨て型保険が向いているのは、大きな保障が必要な子育てファミリー、教育費や住宅ローンなどの支払いが重なって暮らしの固定費を減らしたい40代から50代の家族、収入の変動が大きくて暮らしの固定費を抑えたい自営業者などが該当します。また貯蓄型の保険に加入している人で、不足する保障を補完したい人にも掛け捨て型保険は向いています。
貯蓄型保険に向いている人
貯蓄型保険が向いているのは、貯蓄目的で保険を活用したい人です。貯蓄が苦手という人のなかには、毎月決まって口座から引き落とされる保険であれば、取り崩さずに続けられるという人もいます。保険には、一年間に支払った保険料に応じて、納めた税金の一部が払い戻される生命保険料控除という制度があります。税金の払い戻し分も合わせて運用利回りを考えると貯蓄型保険の魅力が感じられるでしょう。
また、若い独身者、子どものいない共働き夫婦、子育てがひと段落した人など、家族のために大きな死亡保障を残す必要がない人には、貯蓄型の保険が向いているでしょう。
注意点についても3つ話しておきましょう。1つは、生命保険料控除の枠には上限があるため、控除の枠を超えて保険料を払っても、運用としての魅力は増えないということです。2つめは、マイナス金利の影響で、貯蓄型保険の運用利回りは下がってきていることです。予定利率の高い時に加入した保険は大切にして、新たに加入を検討するときには払う保険料に対して、解約返戻金や満期保険金をどの程度受け取れるのか比較しましょう。3つめは、貯蓄型保険の早期解約は、解約返戻金の返戻率が低くなることです。無理なく長い期間払い続けられる保険料で始めるといいでしょう。

貯蓄型保険には、保障機能と貯蓄を兼ねられます。
ただし、以前に比べると、近年はマイナス金利の影響もあって、返戻率の低下や販売停止になる保険が相次いでいます。掛け捨て型保険と上手に使い分けるようにしましょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 当社保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。

ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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