保険お役立ちコラム
終身保険の解約返戻金について知ろう
公開日:2020/5/14
終身保険と定期保険は、どちらも死亡保障目的で利用されることが多い保険ですが、両者には図表1のような違いがあります。
保険の種類 | 終身保険 | 定期保険 |
---|---|---|
保険料 | 高め | 低め |
保障期間 | 一生涯 | 一定期間 |
保険料 | 途中で上がらない | 更新時に上がる |
解約返戻金 | あり | 基本的にはなし、あってもごくわずか(※1) |
- ※1 逓増定期保険や長期平準型定期保険など一部の定期保険を除きます。
終身保険は、保障が一生涯続くため、葬儀費用の備えに適しています。一方、現役時代の死亡保障については、ライフスタイルや家族構成の変化によって必要保障額が変わるため、お手頃な保険料で加入できる定期保険や収入保障保険でその時々に必要な保障額を備えるといいでしょう。

終身保険の解約返戻金とは
終身保険の解約返戻金
契約期間中に保険を解約したときに、契約者に支払われるお金を解約返戻金(かいやくへんれいきん)といいます。
終身保険のほか、養老保険や学資保険、個人年金保険など貯蓄性がある保険は解約返戻金があります。貯蓄性のある保険では、保障にあてるお金と運用に回すお金をあわせて保険料としており、途中で解約したときには運用に回していたお金の一部が解約返戻金として支払われます。定期保険などでも保険期間や解約のタイミングによっては解約返戻金が支払われるものもありますが、一部の定期保険を除いて貯蓄性の保険に比べるとわずかです。
終身保険の場合、それまでに納めた保険料が多ければその分、解約返戻金額も増えていく傾向があります。契約者が保険料を払い終えた後も保険会社は預かった保険料の運用を続けるので、運用期間が長くなるほど返戻率が増えていくことになります。
一方、加入してから数年以内など短期間で解約した場合には、解約返戻金が少なくなる傾向にあります。納めた保険料は保障にあてるほか、契約にかかる事務・営業費用などにも使われるため、最初の数年間は運用に回される部分が少なくなるのが理由です。

低解約返戻金型終身保険とは
低解約返戻金型終身保険は、払込期間中の解約返戻率を低めに設定することで、通常の終身保険よりも保険料がお手頃になる終身保険です。
短期払いの低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険のなかには、保険料の払い込みを一定期間で終えられる短期払いがあります。60歳まで、65歳までのように、一定年齢までで払い込みを終えるものを「歳払済(さいはらいずみ)」、保険料の払い込みを15年や20年のように、一定年数で終えるものを「年払済(ねんはらいずみ)」といいます。
保険料払込期間中の解約返戻金額は通常の終身保険よりも少なくなりますが、中途解約をせずに払い込みを満了できれば、通常の終身保険と同様に解約返戻金を受け取れます。そのため、歳満了、年満了の低解約返戻金型終身保険は、教育費を貯める学資保険代わりにも活用されています。貯蓄目的で低解約返戻金型終身保険を活用する場合には、中途解約しないで継続できる金額設定で始めましょう。
終身保険の解約返戻金にかかる税金
契約者本人が受け取った終身保険の解約返戻金は一時所得扱いとなり、所得税の課税対象になります。一時所得には50万円の特別控除があるため、受け取った解約返戻金額が払込保険料50万円を上回った場合に限り、所得税がかかります。
反対に、払込保険料よりも解約返戻金が少ない場合や、差益が50万円未満でほかに一時所得にあたるものがない場合には、所得税を払う必要はありません。
所得税がかかる場合は、受け取った解約返戻金額から、それまでに納めた保険料を差し引き、特別控除50万円を差し引きます。一時所得の場合は、さらにこの金額に2分の1にした金額が課税対象額となります。ここに所得に応じた所得税率(5%から45%)をかけると所得税額が計算できます。
計算式
所得税の課税対象額 =(解約返戻金 - 払込保険料累計額 - 特別控除50万円)× 1/2
所得税額=所得税の課税対象額×所得税率(5%から45%)
また、本人が中途解約をしないまま亡くなり、遺族が死亡保険金として受け取った場合には、相続税の対象となります。死亡保険金には法定相続人1人当たり500万円の非課税枠があります。
保険料の支払い方法
保険料は、毎月支払う「月払い」のほかにも、6ヶ月分ずつ支払う「半年払い」、1年分をまとめて支払う「年払い」などが選べることがあります。同じ保険であれば、月払いよりも半年払い、半年払いよりも年払いを選んだほうが、払った保険料に対する返戻率が高くなります。保険会社や保険商品によって、選べる支払方法が決まっていますので、各保険会社に確認してみましょう。
解約返戻金を抑えた低解約返戻金型なら、保険料がお手頃になる
払込期間中の解約返戻金を低めに設定した低解約返戻金型の終身保険は、通常の終身保険よりもお手頃な保険料で一生涯の死亡保障を確保できます。また、短期払いの低解約返戻金型終身保険は、解約返戻金を学資準備に活用することもできます。お手頃な保険料で大きな保障を備えやすい定期保険と組み合わせながら、上手に活用しましょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事で書かれている保険の内容には、アクサダイレクト生命では取り扱いのない商品や手続きがございます。
- ※ 当社保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。

ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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