保険お役立ちコラム
定期保険は一定期間を保障する死亡保険ですが、終身保険と比べてどんな特徴があるのでしょうか。また、定期保険にはいくつもの種類がありますが、それぞれの特徴やメリット、デメリット、支払い方法についても解説します。
定期保険とは
定期保険は、一定期間を保障する死亡保険のことを言います。終身保険との違いや、保険料の支払い方法等について確認しておきましょう。
定期保険と終身保険との違い
定期保険も終身保険も、死亡に備えるために加入する死亡保険です。死亡のほか、保険会社所定の高度障害状態になったときにも保険金が支払われます。
両者の違いは大きく2つ挙げられます。
保険期間の違い
ひとつめは、保険期間にあります。定期保険は、契約時に定めた一定期間だけを保障するので、保険期間が終わってから支払事由が発生しても保険金は支払われません。
一方、終身保険は保険期間が一生涯なので、何歳で亡くなっても保険金を受け取ることができます。
貯蓄性の違い
ふたつめは、貯蓄性の有無です。定期保険は、基本的に保険料を掛け捨てにすることで保険料を抑える死亡保険です。そのため、解約返戻金は全くないか、あってもごくわずかです。
一方、終身保険は基本的に貯蓄性がある保険なので、解約すると解約返戻金が支払われることが多くなっています。ただし、終身保険の中には、解約返戻金を少なくすることで保険料を抑えているものもあります。
定期保険の期間
定期保険には、保険期間が長期にわたる「全期型」と、保険期間を10年、15年などと区切り、保険期間が満了したら契約を更新する「更新型」の2種類があります。
「全期型」は保険期間中の保険料がずっと一定ですが、「更新型」は、10年、15年など決められた保険期間が終了するごとに保険料が見直されます。
また、保険期間には「年満了」「歳満了」という分類もあります。「年満了」は10年、15年など年数で区切るもので「更新型」の保険になります。「歳満了」は65歳、70歳、80歳までなど、年齢で保険満了期間を決める「全期型」の保険です。
「歳満了」の場合、その年齢になると保障が終了し、更新はできませんので注意が必要です。
保険料の支払い方法
保険料の支払い方法には、いくつかの種類があります。半年、一年、全期間とまとめ払いをするほど1ヶ月あたりの保険料が安くなる傾向がありますが、まとめ払いには注意点もありますし、保険会社によってはまとめ払いの取り扱いがない場合もあります。
月払・半年払い・年払い
月払いは、毎月1ヶ月分ずつ保険料を支払う方法です。毎月の収入からその月の保険料を支払うので、家計管理がしやすくなります。
半年払いは、ボーナス払いとも呼ばれます。年に2回、ボーナスから保険料を支払いたい方に向いています。まとめて半年分支払うため、月払いよりも1ヶ月あたりの保険料が安くなります。
年払いは、1年分の保険料をまとめて支払う方法です。月払いやボーナス払いよりも保険料が安くなります。
一時払い
一時払いは保険期間分の保険料を全額一度に支払う方法です。
全期間分の保険料をまとめて支払うため、月払いや年払いと比較すると保険料総額が安くなりますが、途中で解約しても保険料は戻ってきません。
また、生命保険料控除は一度しか利用できない点にも注意が必要です。
一括払い
一括払いは、保険期間分の保険料をまとめて保険会社に預ける方法で、全期間分の保険料を預ける「全期前納払い」一定期間分の保険料を預ける「一定期間の前納払い」があります。
保険会社は預かった保険料から、毎月、払込期日で保険料に充当していきます。
未経過分の保険料は保険会社が預かっている状態のため、解約したら戻ってきます。
保険料の払込方法
保険料の払込方法には、「口座振替」「クレジットカード」「勤務先の給与から引去り(※1)」などがあります。保険商品によっては、払込方法が決められているものもあります。
クレジットカード払いを選ぶと、クレジットカードのポイントが付与されるので、ポイント還元率が高いカードを選ぶとよりメリットが大きくなります。このほか、最近では、キャッシュレス化が進み、「コード決済」や「スマホ決済」できる保険商品も出てきました。
- ※1 勤務先の会社と保険会社が「団体扱・給与引去り」の取扱契約を結んでいる場合に可能
定期保険の種類
定期保険には、基本的な定期保険のほかにも、保障がだんだん減っていく逓減定期保険や、年金形式で受け取る収入保障保険があります。また、保険期間によっても、更新型と全期型に分けられます。それぞれの特徴を解説します。
基本的な定期保険
基本的な定期保険は、契約時から保険期間が終わるまで、一定の死亡保障があります。保険期間中であれば、加入して間もなく死亡しても、保険期間終了間際に死亡しても同額の死亡保険金を一括で受け取ることができます。
逓減定期保険
逓減定期保険(ていげんていきほけん)は、「逓減」すなわち「だんだん減っていく」という言葉の意味の通り、保険金額が時の経過とともに減っていく保険です。死亡保険金は一括で支払われます。
例えば、家族の生活を支える世帯主の場合、末子が生まれたタイミングで必要な保険金額が最大になります。一般的に、子どもの成長とともに世帯主に必要な保険金額は減っていくため、自分の状況に合った逓減定期保険に加入すれば、ライフプランの変化に合わせて保険金額を準備することも可能です。
ただ、万が一の際に必要なお金は、生活スタイル、働き方や収入状況等によって変化しますので、定期的に必要な保険金額が適切かどうか確認するようにしましょう。
収入保障保険
「まとまった額のお金がいくら必要か」という視点で考えるのではなく、万が一のことが起きたときに、「毎月あといくらの収入があれば遺族が生活していけるのか」という視点で設計されているのが収入保障保険です。
収入保障保険は、保険金額がだんだんと減額されていく点は逓減定期保険と同様ですが、死亡保険金を給与のように毎月一定額ずつ受け取ることができます。遺族にとって死亡保険金を生活費として使いやすいところに特徴があります。
また、受け取り時に希望すれば、死亡保険金を一時金として一括受け取りすることも選べますが、総額は一括受け取りのほうが少なくなります。
更新型保険
定期保険のうち、10年、15年など、あらかじめ決めた期間を設定して保障を更新していくタイプの保険です。健康状態に関係なく、同じ内容、同じ保険金額で更新できるのが特徴です。
更新型保険の場合、年齢とともに死亡リスクが高まるので、同じ保険金額で更新する場合は更新前よりも保険料は増加します。更新できる年齢は、保険商品によって限度が決められているので、契約時に確認することが大事です。
一般的に、保険会社に連絡をしなければ自動的に契約は更新されるため「解約したい」「保険金額を減らしたい」という場合には、更新時期の前に保険会社にその旨を伝えるようにしましょう。
全期型保険
保険期間が長期にわたり、契約から満期まで保険料、保険金額とも変わらないタイプの定期保険です。同じ保険金額の更新型タイプと比べると、契約時の保険料は高くなりますが、保険期間全体を通して支払った保険料総額は、同じ期間の更新型よりもお手頃になります。
ただし、全期型タイプには、比較的契約期間が長く、柔軟な見直しがしにくいというデメリットがあります。一般的に、契約期間中に保険金額を減額することは可能ですが、保険金額を大きくしたい場合は改めて告知をする必要があります。
定期保険のメリット
定期保険を上手に活用すると、家計負担を軽くしながら必要な保障を備えやすくなります。定期保険のメリットについて解説します。
お手頃な保険料で大きな保障が得られる
一定期間の保障を得ることを重視し、その期間だけの保険料を支払うため、一生涯保障が続く終身保険と比べると、保険料がお手頃になります。
ライフプランに応じて保険期間を選択できる
10年間、15年間などライフプランに応じて保険期間を選択することができるため、子どもが小さい間は保険金額を大きく設定し、子どもが自立したあとは保険金額を減額するなど、ライフプランごとに保障を見直しやすいというメリットもあります。
乗り換えや見直しをしやすい
掛け捨てで一定期間だけを保障する定期保険の場合、新たにいい保険が出てきたときに見直しやすくなります。終身保険など貯蓄性のある保険の場合、解約返戻金の返戻率などを考慮して見直しを検討することになります。
ただし、加入途中の保障内容の見直しは、加入年齢が上がると保険料が上がってしまうことがあります。また、そのときの健康状態によっては希望する保険に加入できないなどのデメリットもあるため注意が必要です。
定期保険の注意点
定期保険にはメリットだけではなく、注意点もあります。しっかり確認しておきましょう。
保険料のほとんどが掛け捨てになる
定期保険の注意点は、保険料のほとんどが掛け捨てになることです。途中で解約した場合、解約返戻金は全くないか、ごくわずかなケースが多く、契約期間を満了しても満期保険金はありません。
- ※1 長期平準定期保険や逓増定期保険など一部の定期保険を除きます。
保険期間が満了すると保障がなくなる
定期保険は期間があらかじめ決まっているため、全期間型の定期保険では保険期間が終了すると保障がなくなってしまう点にも注意が必要です。
例えば、昨日までは数千万円の死亡保障があったにも関わらず、翌日には保障が全くなくなってしまうことが起こります。
更新回数の限度がある
更新型の定期保険の場合には、更新時期が来れば自動更新されるため、その時の健康状態にかかわらず、同じ保障を継続できます。ただし、更新すると保険料が上がることも知っておきましょう。
また、更新は無限にできるわけではありません。更新の回数や加入年数に限度があったり、更新時の年齢に上限が設けられていたりするので、終身保険のように一生涯を保障できるわけではありません。
また、全期型の定期保険の場合、保険期間が終われば保障は終了します。更新ができないので、その後も保障が必要な場合には、新たに保険に入り直すことになります。
定期保険の備えがおすすめの方
定期保険がおすすめの人は、保険料を抑えながら大きな保障を必要とする方です。
具体的には、小さな子どもがいる方、子どもの教育費がかかる期間の保障を手厚くしたい方、夫婦で収入差がある方、賃貸住宅に住んでいる方などがあげられます。また、新しい保険が登場したら柔軟に見直したい方や、シンプルな保障を求める方、家計における固定費をなるべく抑えたい方にも定期保険が向いています。
定期保険ならお手頃な保険料で大きな死亡保障を備えやすい
定期保険は、一定期間だけを保障する死亡保険です。保険料を掛け捨てにすることで、お手頃な保険料で比較的大きな死亡保障を備えられます。一般的な定期保険のほか、「逓減定期保険」や「収入保障保険」などもあるため、目的に合わせて、保険料なども比較しながら検討してみましょう。更新型の定期保険は、更新時の健康状態にかかわらず更新できますが、更新時には保険料が上がること、更新年齢には上限があることも知っておきましょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事で書かれている保険の内容には、アクサのネット完結保険では取り扱いのない商品や手続きがございます。
- ※ アクサのネット完結保険の保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 個別の税務等の詳細については税務署や税理士等、専門家にご確認ください。
ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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