保険お役立ちコラム
傷害保険は死亡保険金も受け取れる?知っておきたい傷害保険金の基本
公開日:2020/08/19
傷害保険は、どんな時にどんな補償が受けられるかご存じですか。また、傷害保険と医療保険にはどんな違いがあるのでしょうか。今回は傷害保険の基本と補償の範囲について解説します。
傷害保険とはどんな保険?
傷害保険は、日常生活での事故やケガに備える保険です。スポーツをしていて骨折をした、階段から落ちて腰を痛めた、料理をしていて火傷を負った、交通事故に遭って死亡したというように、「急激」かつ「偶然」な「外来の事故」によりケガをし、入院や通院、死亡や後遺障害が生じた場合に保険金が支払われます。
傷害保険は、偶然の出来事による損害を補償する損害保険の一種のため、事故やケガによる入院では入院給付金が支払われますが、病気による入院は補償の対象外となり、入院給付金が支払われない点には注意が必要です。
傷害保険の補償内容
傷害保険では、事故によってケガをした人に対して、契約時に定めた保険金額を支払います。ほかに加入している医療保険や生命保険などから支払われた給付金や保険金に影響を受けることなく、定額の保険金を受け取ることができます。傷害保険から支払われる主な保険金は、図表1「傷害保険の保険金の種類」のとおりです。
保険金の種類 | 要件 | 支払われる額 |
---|---|---|
死亡保険金 | 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に死亡した場合 | 死亡・後遺障害保険金額の全額 |
後遺障害保険金 | 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に後遺障害を負った場合 | 死亡・後遺障害保険金額×所定割合 (後遺障害の程度に応じた4%~100%の割合) |
入院保険金 | 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に入院した場合 | 入院保険金日額×入院日数 (180日を限度) |
手術保険金 | 事故発生の日からその日を含めて180日以内に手術をした場合(手術1回に限る) | 入院保証金日額×所定倍率 (入院中の手術は10倍、入院外(外来)の手術は5倍) |
通院保険金 | 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に通院した場合 | 通院保険金日額×通院日数(90日を限度) |
- ※ 出典 日本損害保険協会「損害保険Q&A」
https://soudanguide.sonpo.or.jp/body/q070.html
傷害保険の種類
傷害保険には、被保険者の範囲や補償する事故の範囲によって、図表2「傷害保険の種類」のようにさまざまな種類があります。
商品 | 概要 |
---|---|
普通傷害保険 | 国内外を問わず、家庭内、職場内、通勤中、旅行中などで起こる急激・偶然・外来の事故によるケガ(死亡・後遺障害・入院・通院)が補償されます。 |
家族傷害保険 | 補償するリスクの範囲は普通傷害保険と同じです。本人だけでなく家族のケガも補償されます。 |
交通事故傷害保険 | 交通事故によって被ったケガが補償されます。 |
ファミリー交通傷害保険 | 補償するリスクの範囲は交通事故傷害保険と同じですが、家族のケガも補償されます。 |
国内旅行傷害保険 | 日本国内の旅行中に被ったケガの治療費等を補償します。また、特約として賠償責任、携行品損害、救援者費用なども選べます。 |
海外旅行傷害保険 | 海外旅行中に被ったケガの治療費等を補償します。また、特約として疾病治療費用、賠償責任、携行品損害、救援者費用なども選べます。 |
- ※ 参照 損害保険協会「損害保険Q&A」
https://soudanguide.sonpo.or.jp/body/q072.html
傷害保険に付けられる主な特約
(1)賠償責任特約
他人にケガを負わせたり、他人の財物を壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。例えば、買い物中に商品を壊してしまった、飼い犬が噛みついて他人にケガをさせた場合などが該当します。
(2)携行品損害特約
偶然な事故により、自宅外で携行している身の回り品に損害が生じた場合に保険金が支払われる特約です。例えば、旅行先でカメラを落として壊してしまった。テニスのプレー中にラケットが壊れた場合などが対象になります。
(3)救援者費用特約
被保険者が偶然の事故で遭難した場合等に、保険契約者や親族が支出した捜索費や救助費用、交通費、宿泊費、移送費等に対して保険金が支払われます。
傷害保険の保険料は職業で決まる
傷害保険の保険料は、リスクの度合いと補償の範囲で決まります。このうち、リスクを判断する基準となるのが職業です。バスやトラックなどの運転手、建築作業者、漁業従事者のように、事故に遭うリスクが高いと考えられる職業に就く人は保険料が高めに設定されます。反対に、事務職や販売員などはリスクが低い職業と考えられています。
医療保険や生命保険の場合には、年齢や性別が保険料を決める大きな要因となりますが、傷害保険は偶然の事故によるケガを補償の対象とするため、年齢や性別は基本的に保険料に影響を与えません。ただし、高齢になると転倒や骨折などのケガのリスクが高まることから、一定年齢以上の人には、別の料金が設定されていることもあります。
こんな人は傷害保険の加入がおすすめ
傷害保険に向いているのは、偶然の事故によるケガのリスクに備えたい人です。トレッキングやウィンドサーフィンなどアウトドア活動が好きな人や、事故が心配な職業に就いている人等が該当します。ただし、アイゼンやピッケルを使う山岳登攀やスカイダイビングといった危険なアウトドア活動は補償の対象外となります。また、保険会社では職業の危険度に応じて加入できる職業を定めており、レーサーやプロボクサーなど、特別に危険を伴う職業の人は加入できません。なお、傷害保険の種類によっては、熱中症や食中毒を補償の対象とするものもあるので、キャンプやバーベキュー、サッカーや野球などの屋外スポーツにも備えられます。
傷害保険のQ&A
傷害保険と医療保険との違い
傷害保険も医療保険も「人」を対象とした保険です。入院や通院の際に、契約時に定めた金額が支払われるという点では同じです。
ただし、傷害保険は、「急激・偶然・外来」の事故によるケガだけを補償するため、病気が原因で入院をしても保険金を受け取ることができないのに対し、医療保険では事故によるケガでも病気でも入院すれば入院給付金を受け取ることができます。
傷害保険の保険料は、事故でケガをするリスクの高さで決まるため、危険性の高い職業に就いているかどうかが大きな基準となるのに対して、医療保険の場合には、病気になるリスクの高さが重要視されるため、年齢や性別が保険料を決める大きな基準となっています。
傷害保険の保険金は課税対象になる?
傷害保険の保険金のうち非課税になるものには、後遺障害保険金、入院保険金、手術保険金、通院保険金などがあります。
一方で、死亡保険金については、相続税や贈与税がかかります。税金の種類は、保険料を誰が負担し、誰が保険金を受け取ったかによって異なります。
契約者 (保険料の負担者) |
被保険者 (補償の対象者) |
受取人 (お金を受取る人) |
税金の種類 |
---|---|---|---|
A | A | B | 相続税 |
A | B | A | 所得税 |
A | B | C | 贈与税 |
(1)相続税がかかるケース
被保険者・契約者である夫が亡くなった際に、妻が受け取った死亡保険金は、相続税の対象になります。
(2)所得税がかかるケース
夫が妻を被保険者として保険を契約し、妻の死亡により夫が受け取った死亡保険金は、所得税の対象になり、他の一時所得と合算して課税されます。
(3)贈与税がかかるケース
契約者でも被保険者でもない第三者が保険金を受け取った場合、第三者からの贈与を受けたものとみなされて、贈与税が課税されます。
傷害保険の受取人の変更は可能か?
受取人の変更は可能です。契約者が保険会社を通じて必要な手続きをすることで受取人を変更できます。また、法律上有効な遺言を通じて受取人を変更することもできます。なお、保険契約者が受取人を指定しなかった場合には、被保険者の法定相続人が死亡保険金受取人となります。
傷害保険は、急激・偶然・外来の事故に備える保険。死亡保険金も支払われます。
傷害保険は偶然の事故に備える損害保険の一種です。そのため、偶然の事故が原因であれば、入院保険金や通院保険金、死亡保険金等が支払われます。ただし、病気が原因の入院や死亡は補償の対象となりません。事故やケガのリスクの高い人は、医療保険や生命保険とは別に備えておくといいでしょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事で書かれている保険の内容には、アクサのネット完結保険では取り扱いのない商品や手続きがございます。
- ※ アクサのネット完結保険の保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 個別の税務等の詳細については税務署や税理士等、専門家にご確認ください。
ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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