保険お役立ちコラム

教育費は生命保険(死亡保険)で準備?子どもの教育費のための保険選び

公開日:2020/12/23

※本記事についてのご注意

子どもの教育費はどのくらいの金額を用意しておけばよいのでしょうか。公立・私立、文系・理系など進学先別の教育費の相場から、教育プランを立ててみましょう。保険に加入する場合、加入する商品選びも重要ですが、どんなタイミングで受け取るのかも重要です。進学コース、近頃の受験事情、兄弟姉妹のことも考えた教育費準備の方法をお伝えします。

子どもにかかる教育費は、最終学歴をどこに設定するのか、幼稚園から高校までは公立と私立のどちらに進学させるのかによって大きな差が開きます。文部科学省の教育費データを見ながら、教育コース別の教育費について考えていきましょう。

幼稚園から高校までにかかる教育費

図表1「幼稚園から高校まで 公立私立進学コース別学習費総額」は、文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」を参考に、幼稚園から高校卒業までの15年間にかかる教育費の平均額について、公立と私立の進学コース別にまとめたものです。それぞれの金額には、学校に納める「学校教育費」「学校給食費」のほか、塾や習い事などの「学校外活動費」も含まれています。

図表1「幼稚園3歳から高校3学年までの公立私立進学コース別学習費総額」
通わせる幼稚園・学校の種別 通園・通学にかかる総計 通園・通学にかかる費用の内訳
全て公立 5,410,082円 幼稚園(3年間):649,088円
小学校(6年間):1,926,809円
中学校(3年間):1,462,113円
高校 (3年間):1,372,072円
幼稚園のみ私立 6,345,771円 幼稚園:1,584,777円
小学校:1,926,809円
中学校:1,462,113円
高校 :1,372,072円
幼稚園・高校が私立 7,877,929円 幼稚園:1,584,777円
小学校:1,926,809円
中学校:1,462,113円
高校 :2,904,230円
幼稚園・中学校・
高校が私立
10,632,988円 幼稚園:1,584,777円
小学校:1,926,809円
中学校:4,217,172円
高校 :2,904,230円
全て私立 18,298,324円 幼稚園:1,584,777円
小学校:9,592,145円
中学校:4,217,172円
高校 :2,904,230円

大学にかかる費用

大学は、学校種別(国公立・私立)や学問分野(理系・文系など)によってかかる費用が異なります。国公立大学は私立大学よりも授業料は安くはありますが、私立大学よりも数が少ない為、入学はより狭き門となります。国公立大学を希望している場合でも、マネープラン上は私立大学を選択できるだけの資金を用意しておきたいところです。

国公立大学の場合は、文系でも理系でも基本的に授業料は同じですが、大学や学部(文系・理系以外の医歯系学部など)によっては金額が異なる場合があります。

図表2「国公立大学にかかる費用」
入学金 授業料(1年間) 4年間にかかる費用
国立大学 282,000円 535,800円 2,425,200円
公立大学 394,225円 538,294円 2,547,401円

私立大学は、文系学部に比べて理系学部の学費が高いことに気が付きます。また、医歯系学部の場合、1年当たりの金額が他学部よりはるかに高額なことに加えて、在学期間も6年と長期間になります。その他学部には、音楽や芸術系、スポーツ系など、文系にも理系にも区分できない学部が入ります。お子さんの興味関心がある分野によって、教育費にもかなりの開きがあることがわかるでしょう。

図表3「私立大学にかかる費用」
区分 授業料(1年間) 入学料 施設設備費(1年間) 初年度合計 4年間(※医歯系は6年)の合計
文系学部 785,581円 229,997円 151,344円 1,166,922円 3,977,697円(※1)
理系学部 1,105,616円 254,309円 185,038円 1,544,962円 5,416,925円(※1)
医歯系学部 2,867,802円 1,073,083円 881,509円 4,822,395円 23,568,949円(※1)
その他学部 958,445円 258,747円 234,644円 1,451,836円 5,031,103円(※1)
  • ※ 参考 文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」Ⅱ調査結果(授業料、入学料及び施設設備費の状況)
    1.私立大学学部
    https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_1.pdf
  • ※1 4年間(医歯系は6年間)の合計は、(授業料+施設設備)×在籍年数+入学料で筆者が算出。

学資保険

学資保険は、子どもの教育費を準備するために加入する保険です。貯蓄代わりに毎月(年払いや一時払いもあり)保険料を支払っていき、満期を迎えると満期保険金を受け取ります。また、学資保険は死亡に備える生命保険の一種でもあるので、保険料の支払い途中で契約者が死亡した場合には、以後の保険料の支払いが免除され、満期のタイミングで、保険料を支払った場合と同額の満期保険金を受け取ることができます。満期保険金のほかに、中学校や高校などに進学するタイミングで祝い金が出る保険商品もあります。途中で契約者に万が一のことがあっても、教育費を準備できることから、子どもが生まれたタイミングで利用されることの多い保険です。

注意点としては、近年学資保険の予定利率(運用利回り)が下がっていることから、かつてのように支払った保険料よりも受け取れるお金が「増える」ことが期待しにくくなっている点です。「1回あたりの保険料×支払い回数」と、満期保険金や祝い金を合計した「受取総額」を比較して、払った保険料よりもどの程度プラスになるかに注目して選びましょう。

また、子どもの病気やケガの保障がついている学資保険もありますが、保障部分が手厚い保険商品を選ぶほど、保険料が増えて、将来の教育費準備に回るお金が少なくなります。必要のない保障は省くことも検討するといいでしょう。

学資保険が向いているのは、子どもの名義で教育費準備をしたい人、学資に特化した金融商品でお金を貯めたい人でしょう。学資保険は子どもの学資のためという目的が明確なため、他の目的にお金を流用しにくくなります。中途解約をすると支払った保険料よりも受取金額が少なくなる可能性が高くなるので、保険を契約したら継続することが大切になります。

終身保険

終身保険は、一生涯保障が続くタイプの死亡保険です。何歳で亡くなっても死亡保険金を受け取れる、貯蓄性のある保険です。そのため、亡くなる前に解約した場合には、解約返戻金を受け取ることができます。

親名義で加入した終身保険を子どもが進学するタイミングで解約して、受け取った解約返戻金を子どもの学資として活用するという方法が以前はよく使われていました。終身保険の中でも、特に保険料払込期間中の解約返戻率を低く抑えた「低解約返戻金型」の終身保険が学資保険の代わりに利用されています。大学資金準備として低解約返戻金型終身保険を利用する際には、保険料の払込期間を15年や17年などに設定して、子どもが進学を迎えるよりも前に保険料の払込みを終えることがポイントになります。

ただし、近年はマイナス金利の影響で、終身保険の予定利率(運用利回り)がずいぶんと下がっています。学資準備として人気のあった保険商品の中には、新規販売を取りやめたものや、魅力が低下したものもあります。興味のある方は、貯蓄性の保険の取り扱いがある保険会社に現在の取り扱い状況を問い合わせてみてください。

保険で準備すべきは大学資金

図表2「国公立大学にかかる費用」、図表3「私立大学にかかる費用」をご覧いただくとわかるように、大学進学には多額の資金がかかります。そのため、お子さんが生まれたら、まずは大学資金の準備を始めましょう。大学に向けて準備をしていれば、途中でやりたいことが出てきて進学先が専門学校等に代わった場合にも対応ができます。

中学校や高校で私立へ進学予定の場合

中学校や高校からは私立に行かせたいと考えているご家庭もあるでしょう。私立中学や私立高校の学費については、幼少期から保険で貯めるというよりも、その時々の収入から捻出するといいでしょう。幼少期から保険ですべてを貯める場合、多くの保険料を支払うことになり、家計を圧迫してしまうリスクが可能性としてあるからです。

図表1「幼稚園から高校まで 公立私立進学コース別学習費総額」にあるように、私立中学・私立高校に進学すると高額の学費がかかります。私立中学・私立高校に進学しながら、大学資金の積み立ても並行して行うのは困難だと考える場合は、大学進学に向けた学資保険の保険料支払いを小学校卒業までに終えられると、中学生以降の家計の負担を軽減できます。

兄弟姉妹には平等に資金準備を

2人以上子どもがいる場合、それぞれの子どもの教育資金は平等に用意してあげましょう。子どもが大きくなってくると、それぞれやりたいことが出てきたり、学力に差がついてきたりして、最終的に進路は異なることもあります。それでも、親としては平等に資金を用意し、すべての子どもにチャンスを平等に与えられるように準備しておくことが良好な家族関係を維持する上では重要になります。

受け取り時期は高校3年生の秋までに

近頃は大学受験のスタイルも多様化しています。大学の一般入試は1月の共通テストを皮切りに2月から3月まで続きますが、推薦入試やAO入試は高校3年生の9月頃から始まります。合格が決まるとすぐに入学手続きが必要になることもあります。多様な受験スタイルに対応できるように、学資保険の満期日は、高校3年生の秋までに設定しておくことをお勧めします。

生命保険(死亡保険)以外で教育費を準備する方法も

学資保険や終身保険で教育費を準備する以外にも、預貯金やつみたてNISAなどを使って教育費を準備する方法があります。この場合は、定期保険や収入保障保険などの掛け捨て型の保険で死亡保障を備えておくことが重要になります。多様な選択肢がありますので、ご家庭にあった方法を選択できるといいでしょう。

公立の学校が多い小学校・中学校・高校と違い、国公立大学は狭き門となります。国公立大学を希望している場合でも、マネープラン上は私立大学入学を想定して準備しておきましょう。私立大学の場合、文系は約400万円、理系は約540万円がかかります。子どもが生まれたらすぐに教育費の準備を始めましょう。親に万が一のことがあった場合にも、子どもが夢をあきらめなくて済むように、保険の活用も検討しましょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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