保険お役立ちコラム
お互いに家計を支える共働き夫婦の場合には、どちらが亡くなっても家計に経済的なダメージが生じます。ただし、その必要保障額は、子どもの有無や、会社員か自営業者なのかといった、ライフスタイルによってもずいぶんと変わってきます。共働き夫婦の生命保険料の目安について、考えていきましょう。
共働き夫婦に生命保険が必要な理由
生命保険の必要保障額は、その人が亡くなった時の遺族の支出と収入の両面から考える必要があります。
共働き夫婦の場合には、お互いが家計を支えていることになるため、夫と妻、それぞれに死亡保障が必要だと考えたほうがいいでしょう。ただし、その必要保障額は、子どもの有無、持ち家の有無、保険金を受け取るのが夫なのか妻なのか、亡くなった人が会社員か自営業かなどによって、ずいぶんと変わってきます。暮らしが変われば必要となる金額が変わり、働き方が変わればもらえる年金額も大きく異なってくるからです。
共働き夫婦の必要保障額の考え方
共働き夫婦の必要保障額を考えるうえで、大まかな目安となるのが、「働き方」「子ども」「持ち家」です。
「働き方」ですが、個人事業主やフリーランスは、国民年金に加入するため、死亡時に受け取れる年金も遺族基礎年金だけになります。一方、会社員や公務員の場合には、厚生年金にも加入することから、死亡時には遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方の対象になります。どの年金からいくら遺族年金が受け取れるのかは、個別の状況によっても異なるので後述しますが、こうした理由から、自営業者の方が、必要保障額が大きくなると考えられます。
「子ども」がいる家庭では、子どもが無事に独立するまでの養育費や教育費が必要になるため、夫婦だけの家庭に比べてより多くの死亡保障が必要になると考えられます。
「持ち家」がある家庭は、団体信用生命保険付きの住宅ローンを組んで家を購入している場合、返済の途中でローン契約者が亡くなると、以後のローン返済が免除されます。その場合、住宅ローンの返済が完了していなくても、ローン支払いが必要ない家が遺ることになります。
必要保障額少ない | 必要保障額多い | |
---|---|---|
子ども | なし | あり |
持ち家 | あり | なし |
働き方 | 会社員 | 自営業者 |
共働き夫婦の生命保険は子どもの有無、会社員か自営業で変化する
会社員や公務員と、自営業者では加入する年金制度が異なります。さらに、子どもの有無や夫婦の年齢によっても遺族年金の有無が変わってきます。ここでは、働き方と子どもの有無でライフスタイルを4つに分け、それぞれの遺族年金と生命保険の目安について考えていきます。
会社員の共働き夫婦(子ども無し)
子どもがいない会社員の共働き夫婦は、それぞれが仕事を持っているため、夫と妻のどちらかが亡くなっても、遺された配偶者はその後も働き続けることができます。養育費や教育費も必要ありません。お互いが「医療保険」に加入して、さらにお葬式代程度を預貯金か「終身保険」で用意しておけばいいでしょう。
ただし、注意点もあります。遺族基礎年金は18歳までの子どもがいることが支給条件となっているので、子どもがいない場合には、配偶者が死亡しても遺族基礎年金は受け取れません。夫が死亡した場合、妻は遺族厚生年金を受け取れますが、夫の死亡時に妻が30歳未満だった場合には、5年間だけの支給となります。妻が死亡した場合、妻の死亡時に55歳以上だった夫は60歳以降に遺族厚生年金をもらえますが、妻の死亡時に夫が55歳未満だった場合には、遺族厚生年金も支給されないので注意が必要です。
- ※ 遺族厚生年金を受け取る配偶者は、年収が850万円未満であることが条件となります。
持ち家がある場合には、団体信用生命保険に加入している場合は以後のローンの支払いが免除となります。ただし、共働きということで、ローンをふたりの名義で組んでいる場合には、配偶者が死亡した後にも、自分名義のローンの支払いは継続します。
子どものいない会社員共働き夫婦は、配偶者の亡くなった後も、大きな死亡保障はいらないと思われます。しかし、遺された配偶者の収入が少ない場合には、公的遺族年金があまり受け取れないことを考慮して、民間の死亡保険でも備えておくといいでしょう。
自営業の共働き夫婦(子ども無し)
自営業の共働き夫婦の場合、子どもがいなければ、子どものための養育費や教育費は必要ありません。
ただし、自営業者が加入する国民年金から遺族基礎年金を受け取れるのは、子どもがいる妻や子どものみとなっています。また、厚生年金には加入していないため、遺族厚生年金の対象からも外れます。そのため、子どもがいない自営業の夫婦の場合、どちらが亡くなった場合でも、遺族年金が支払われません。万が一の場合に、出ていくお金が少ないけれど、入ってくるお金も少ないのが、子どものいない自営業で共働き夫婦の特徴です。
万が一のことがあった時、配偶者に遺せる資産にはどのようなものがあるでしょうか。自宅や店舗などの資産がある場合には、相続対策についても考えておきましょう。一緒に事業を行っていた場合には、配偶者が一人でも事業を継続できるかどうかが、その後の配偶者の収入を左右します。
配偶者に遺せる資産があまりない場合には、遺される配偶者のその後の収入を考慮して、民間の生命保険で死亡保障を備えておきましょう。公的な遺族年金がもらえず老後に頼れる子どももいないため、会社員の共働き夫婦よりも手厚い死亡保障が必要となります。
会社員共働き夫婦(子ども有り)
子どもがいる会社員共働き夫婦の場合、夫が亡くなると、妻は遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取れます。一方、妻が亡くなった時に夫が55歳以上であれば、夫が遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取ることになりますが、妻の死亡時に夫が55歳未満だった場合には、夫が遺族基礎年金を受け取りますが、遺族厚生年金は18歳になるまで子どもが受け取ることになります。
夫婦のどちらも仕事を持っていること、遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方が支払われることから、一見、経済的に余裕があるように見受けられますが、それまで二人で協力してきた家事や子育てを一人で行うようになることもあり、配偶者が亡くなった後も今まで通りの収入を稼ぎ続けるのは困難になるでしょう。一人で子育てをするため、勤務時間が今までよりも短くなることで収入が減る可能性や、ベビーシッターなどの外部サービスを利用して支出が増えることも想定しておきましょう。
生命保険で備えるべき保障としては、毎月の生活費の不足分に加えて、子どもの教育費も備えておく必要があります。
自営業の共働き夫婦(子ども有り)
子どもがいる自営業夫婦の場合、夫または妻が亡くなると、子どもが18歳になるまで遺族基礎年金が支払われます。厚生年金には加入していないため、遺族厚生年金はありません。
配偶者が亡くなった後も、いままで通り仕事を継続できれば収入を得られますが、それが難しくなる場合には、会社員に比べて遺族年金も少ないですし、経済的に厳しい状態になるかもしれません。
備えておくべき生命保険は、毎月の生活費の不足分と、子どもの教育費になりますが、遺族厚生年金が無いことも考慮して、会社員の共働き夫婦よりも手厚い保障の検討が必要です。
共働き夫婦の保険の加入と見直しのポイント
共働き夫婦の場合、結婚当初はお互いの医療保険から保障をスタートすることになりますが、その後は暮らしの変化にあわせて、保険に追加で加入したり、保険を見直したりすることになります。
特に子どもが生まれた時には、お互いに親としての責任が生じますし、共働きを続けている以上、お互いが稼ぎ手としての責任も負っています。夫婦それぞれに死亡保障が必要になるでしょう。また、どちらかが仕事を辞めた場合には、稼ぎ手としての責任が片方に集中することになるため、稼ぎ手の死亡保障額を増額する必要があります。
勤務先の福利厚生として団体保険が用意されている場合には、割引率が適用された団体保険も候補に入ってきます。ただし、すべての人にとって団体保険がベストとは限りません。候補の一つとしてその他の保険と比較して選びましょう。また、これから転職や退職を考えている人は、転職や退職をした後も、団体扱いで加入した保険を継続できるか確認するようにしましょう。
共働き夫婦の場合、夫と妻それぞれに生命保険が必要です。
生命保険の必要保障額の目安は、ライフスタイルによって異なります。特に、子どものいる夫婦や、自営業の夫婦、賃貸暮らしの夫婦は、手厚い保障が必要になるでしょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事で書かれている保険の内容には、アクサのネット完結保険では取り扱いのない商品や手続きがございます。
- ※ アクサのネット完結保険の保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 個別の税務等の詳細については税務署や税理士等、専門家にご確認ください。
ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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