保険お役立ちコラム

団体信用生命保険に加入すると生命保険の保障内容と重複する?

公開日:2021/03/26

※本記事についてのご注意

団体信用生命保険とは、どういうときに活用できる保険なのでしょう?普通の生命保険とは何が違うのでしょうか?ここでは、団体信用生命保険の特徴と、生命保険との関係について解説します。

団体信用生命保険に加入したとき生命保険の見直しが必要な理由

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険とは、マイホームを購入する際、住宅ローンとセットで加入する保険です。省略して「団信(だんしん)」とも呼ばれています。契約者が死亡したり、高度障害状態になったりした場合に、住宅ローンの残債が団体信用生命保険から保険金として支払われるため、その後の住宅ローンの返済が免除されます。

民間金融機関の住宅ローンでは、ほとんどの場合、団体信用生命保険への加入が義務付けられていますが、「フラット35(※1)」は団体信用生命保険への加入は任意となっています。

  • ※1 民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している住宅ローン

生命保険の見直しが必要な理由

「団体信用生命保険」は、その名前からもわかるように、万が一に備える「生命保険」の一種です。団体信用生命保険は住宅ローン返済の保障に特化している保険ではありますが、契約者に万が一のことが起こってしまった場合に、遺された家族が生活に困らないように保障を準備するという目的は同じです。マイホームを購入して住宅ローンを組むと、その後のライフプランや家計収支に変化が生じるため、すでに加入している生命保険があれば見直しを検討する必要があります。

(1)生命保険と保障が重複する可能性がある

住宅ローン契約時に団体信用生命保険に加入すると、すでに加入している生命保険の保障と重複する可能性があります。
団体信用生命保険に加入すれば、万が一の場合、住宅ローンの支払い義務はなくなりますので、遺された家族は住宅ローンを返済することなく、その後も同じ家に住み続けることができます。

すでに加入している生命保険で、将来の住宅費用のための保障額などを大きく見積もっていた場合、団体信用生命保険で保障される部分は重複するので、減額できる可能性があります。

(2)家計支出額や内訳に変化が生じる

マイホームに住み替えると、それまでとは住宅形態が変わるため家計支出の内容に変化が生じます。家賃の支払いがなくなり住宅ローンの返済が始まるなど、住宅にかかる費用の内訳が変わるのはもちろんですが、居住エリアや生活スタイルが変わることでそれ以外の支出も増減する可能性があります。

生命保険は定期的に見直すことが大事ですが、特に人生における大きなイベントの1つである住宅購入の際は、生命保険の見直しは欠かせません。マイホーム購入のタイミングで生命保険を見直すことで、ライフプランに合った保障に近づけることができ、保障の重複を解消することで保険料負担を軽減し、家計支出を減らせる可能性もあります。

死亡保険を見直す際のポイント

死亡保険の具体的な見直し方法についてみてみましょう。

保障内容の重複と不足を確認する

まずは、現在加入している死亡保険の種類と保険金額を確認しましょう。 死亡保険は、一生涯保障が継続する終身保険と、契約した一定期間のみの保障を目的とした定期保険に分かれます。

終身保険は、貯蓄性がある保険で、一般的に、葬儀費用やお墓代を準備する目的で加入することが多いので、住宅ローン返済の保障に特化した保険である団体信用生命保険と保障が重複する可能性は低いでしょう。

定期保険は、必要な期間のみの保障を準備するのに適した保険で、お手頃な保険料で大きな保障を備えることができます。基本的に掛け捨て型で貯蓄性はありませんので、ライフプランの変化に合わせて、見直しをしやすいという特徴があります。保障に重複している部分がないかチェックしてみましょう。

マイホームを取得することで発生してくるお金についても考えておく必要があります。

例えば、マンションを保有する場合には、住宅ローンの支払いのほかに管理費や修繕積立金が必要です。戸建てを保有する場合には、維持費やリフォーム費用などが必要になります。また、固定資産税など、賃貸住宅の時にはかからなかった税金の支払いも発生します。さらに、住まいに合った内容の火災保険や地震保険への加入が必要となるので、賃貸住宅の時よりも保険料の負担が大きくなる可能性があります。

重複内容があれば生命保険の解約、見直しを検討する

生命保険の保障に重複している部分があれば、すでに加入している保険の解約や見直しを検討します。

例えば、マイホーム購入前に賃貸住宅に住んでいた人が、将来にわたって賃貸住宅に住み続けることを前提として必要保障額を算出していた場合、マイホーム購入時に団体信用生命保険に加入することで、将来の家賃支払いのために備えていた保障部分は重複となり減額できる可能性があります。

ただし、いくつか注意点もあります。死亡保険に医療特約などを付加している場合、主契約である死亡保険を解約すると、特約も消滅してしまいます。また、今契約している保険をいったん解約し、必要な分だけ別の保険に加入をするという選択肢もありますが、団体信用生命保険を含め、保険に新規加入する際は、健康状態についての告知が必要になります。健康状態によっては加入できない可能性もあるので、解約や見直しは慎重に行うべきです。

また、住宅ローンを組む際に検討したいのが「就業不能保険」です。「就業不能保険」とは、病気やケガで働けない状態になった場合に、毎月給付金を受け取ることができる保険です。通常の団体信用生命保険の場合、死亡に対する保障はありますが、働けなくなった時の保障はありません。住宅ローンの返済プランに合った「就業不能保険」に加入することで、病気やケガによって働けなくなったり、収入が減少したりしてもカバーすることが可能です。

団体信用生命保険の保障内容を拡大するか検討する

団体信用生命保険には、医療保障などの特約が付加された「特約付き団体信用生命保険」というものもあります。現在加入中の保険を解約、または見直しを行い「特約付き団体信用生命保険」を活用することで、死亡保障や高度障害保障に加え、ガンや病気などのリスクに備えることも可能です。

「特約付き団体信用生命保険」には、3大疾病特約付き団体信用生命保険(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)の他、7大疾病特約付き、8大疾病特約付きや、生活習慣病について保障する団体信用生命保険などもあります(※2)。これらは、死亡や高度障害などの通常の団信の保障に加え、所定の疾病が原因で一定の要件に該当した場合に、住宅ローンの返済が免除 (全額または一部)されたりする特約です。マイホーム購入後、病気になって就労ができず収入が減る可能性を考えると、「疾病特約付き団体信用生命保険」は心強い保険とも言えます。

その他にも、がんと診断された場合のがん診断給付金や、入院や先進医療に対して給付金がでる特約もあります。
特約保険料は、無料のものや、住宅ローン金利に上乗せされるもの、別途保険料を支払うタイプなど、商品によって様々ですので、ご自身に合うタイプを選択するようにしましょう。

  • ※2 疾病特約の具体的な要件は、金融機関や保険商品によって異なります。
フラット35は、団体信用生命保険の加入が任意

住宅ローンの代表的なものとして「フラット35」があります。民間金融機関と住宅支援機構が提携して販売しているローンで、返済期間が最長35年間で全期間固定金利という特徴があります。民間金融機関の住宅ローンは団体信用生命保険を付加することが前提になっていますが、「フラット35」は機構団信(※3)をつけない選択ができます。

平成29年10月より、「フラット35」の仕組みが変わり「団信付きのローン」という形態になっていますが、金利マイナス0.2%で機構団信を付加せずに利用することができるので、実質的には任意加入といえます。

  • ※3 フラット35の付加する団体信用生命保険は「機構団信」と呼びます。

若年層の場合は、団体信用生命保険ではなく生命保険がおすすめ

フラット35を利用しマイホームを購入する際、機構団信に加入せず生命保険で備える方法もあります。機構団信の保険料は年齢に関係なく一定ですが、一般的に生命保険は年齢が若いほど保険料がお手頃になりますので、若年層の場合は生命保険で備える方が保険料は低くなる可能性があります。

①定期保険で備える
お手頃な保険料で一定期間大きな保障を得ることができる保険です。住宅ローンの返済プランに合わせて見直しをしやすい、更新型の定期保険がお勧めです。
②収入保障保険で備える
「収入保障保険」とは、被保険者の死亡後、遺された家族が毎月の給与のように保険金を受け取ることができる保険です。毎月の住宅ローン返済額と同額程度を受け取ることができる「収入保障保険」に加入することで、万が一のことが起こってしまった後、保険金をローン返済に充当することができます。

機構団信の保険料は借入金額や借入時の金利、生命保険の保険料は契約時の年齢や健康状態などによって異なりますので、機構団信か生命保険のいずれを選ぶかは、しっかりシミュレーションして決めるようにしましょう。

団体信用生命保険の仕組みと生命保険との関係について解説しました。マイホーム購入は人生における大きなイベントの1つですが、ほとんどの人は住宅ローンを組むことになるため、万が一のための保障を準備することが大切です。生命保険と保障内容が重複する可能性も考えて、マイホーム購入時にはご自身に合った保険を検討するといいでしょう。

ライター

合田菜実子(ごうだなみこ)

ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。

Happy Career & FP Support Office 代表。

お茶の水女子大学大学院修了。
2007年CFP ® 資格取得後、講師業・執筆業を中心に業務を始める。2010年にキャリアコンサルタント資格を取得し、Happy Career & FP Support Office を設立。
「お金」と「キャリア」の両面からサポートできる専門家として活動中している。
大学や高校などにおける「パーソナルファイナンス教育」他、BSジャパン「お金のなる気分」に出演する等メディア経験も多数。

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