保険お役立ちコラム

払済保険とは?保険を解約する前に一度検討を

公開日:2021/06/14

※本記事についてのご注意

保険料の支払いが苦しくなると、保険の「解約」が頭をよぎることがあるかもしれません。ただし、もし保険を解約すると、そこで保障が終わってしまうことになります。保険を解約する前に一度検討してほしい「払済保険」について解説します。

払済保険は、加入中の保険の見直し方法の一つです。その時点での解約返戻金相当額を一時払い保険料に充当して、保険料の支払いを済ませる方法で、以後の保険料の支払いを無くしたいときによく利用されます。払済保険の場合、保険期間はそれまで通り変わりませんが、保険金額が下がります。

図表1「払済保険のイメージ図」

メリット

(1)保険料の負担を減らせる

払済保険を選択すると、以後の保険料の支払いがいらなくなります。保険料の支払いが苦しくなった時の選択肢の1つに入るでしょう。

(2)保障を継続できる

払済保険の場合、保険料の支払いが不要になった後も、保障を維持できます。ただし、保険金額は少なくなります。

(3)保険期間が変わらない

払済保険を選択すると保険金額は下がりますが、保険期間はそれまで通り維持されます。

(4)払済保険に変更後も解約返戻金は増える

払済保険では、その時点での解約返戻金相当額をそのまま一時払い保険料に充当します。一時払いした解約返戻金は、払済にする前の予定利率で引き続き運用されていきます。

(5)告知や診査がいらない

従来の保険を解約して、別の保険に入り直す場合には、通常は告知や医師の診査が必要です。そのため、健康不安を抱えている人にとっては、入り直しが難しくなることがあります。その点、払済保険は新規契約扱いではないため、告知や診査無しで手続きができます。

デメリット

(1)特約が無くなる

終身保険を主契約として、その上に特約として、死亡保障や医療保障等いろいろな保障を付加している方もいるでしょう。このような保険契約を払済保険にする場合、主契約の終身保険は維持できますが、特約としていた保障は解約されて無くなります。

(2)保険金額が減る

払済保険の場合、保険期間は今まで通りですが、保険金額が減額になります。解約返戻金が少なければその分保険金額も小さくなりますし、場合によっては払済保険にできない場合もあります。

(3)配当金がなくなる

配当金がつくタイプの保険でも、払済保険にした後は配当金が無くなります。

保険の見直しにはさまざまな理由があります。払済保険以外の保険の見直し方法について、そのメリットやデメリットと、どんな風に保険を見直したときに向いているのかをお伝えします。

解約

不要になった保険を解約します。解約のメリットは、保険料の支払いが不要になって家計改善効果が期待できることや、貯蓄性のある場合には解約返戻金が受け取れるなどがあげられます。一方、デメリットとしては、保障がそこで終了することがあるでしょう。解約後に再び加入しようと思っても、再度告知が必要となるため、健康状態によっては加入できないことがあります。また新たに保険に入りなおす場合、年齢が上がって保険料が高くなる可能性があります。保障が無くなっても問題ないか、慎重に検討しましょう。

延長(定期)保険

以後の保険料の払込みを止め、その時点での解約返戻金を一時払い保険料に充当する方法です。延長(定期)保険のメリットは、保険料の支払いが不要になることと、これまでの保険金額を下げることなく今までと同額の保障を維持できることです。デメリットとしては、特約等がすべて消滅してしまうことと、保険期間が短くなってしまうことです。

減額

子どもの成長に伴って、死亡保障額は減額できます。また、団体信用生命保険付きの住宅ローンを組んだ場合、既契約の生命保険で住宅費用も備えていれば、住宅費用相当分の保障を減らせるようになります。保障を減らす「減額」をすると、減額した保険金額分の保険料がお手頃になりますし、貯蓄性のある保険の場合、減額した保険金額分の解約返戻金を受け取ることができます。

増額

家族が増えたりして責任が増し、保険金額を増やしたくなった時には、保障を「増額」することを考えましょう。これまで加入していた保険の保険金額を増やす方法と、これまでとは別の保険で補いたい保障を追加する方法、新たな保険に入り直して従来の保険を解約する方法などがあります。どの方法を選んでも、新たに追加する保障部分については、告知や医師の診査が必要になるため、健康状態によっては保障を増やしにくい場合があります。

契約者貸付

契約者貸付は、現在加入している保険の解約返戻金の一定範囲内で、保険会社からお金を借りる方法です。直接的には保険の見直しではありませんが、経済的理由で保険の解約や見直しを検討しているときに、知っておきたい方法です。契約者貸付のメリットとしては、保障をそのまま維持できることと、お金を一時的に工面できることがあり、デメリットとしては、貸付には利息がかかることです。返済はいつでもできますが、返済しないと元金に利息負担が重なって、元利金は膨らんでいくことになります。

払済保険を選ぶ場合、保険期間は従来通り変わりませんが、保険金額が下がるという難点があります。例えば、貯蓄性のある保険に加入していたものの、教育費や住宅ローンの返済がかさむようになって保険料が負担になることがあります。このような場合、払済保険を選択すると保険料の支払いは無くなりますが、その後の保障が手薄になる可能性があります。従来の保険を払済保険にする前に、定期保険などに新規加入して不足する死亡保障を補っておきましょう。

払済保険にしてから、後で別の保険に入ろうと思っても、告知や診査の結果によっては新たな保険に入れない可能性があることには注意が必要です。

貯蓄性のある保険の保険料支払いがきつくなったときの保険の見直し方法の一つに「払済保険」があります。以後の保険料の支払いを無くしつつ、保障も確保できる方法があることを知っておきましょう。ただし、払済保険にした際に保険金額は下がるので、その後も保障が必要な場合は、お手頃な保険料で加入できる定期保険等で保障を補うことも忘れないようにしましょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー。ハートマネー代表。

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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