保険お役立ちコラム

老後の一人暮らしに必要なお金はいくら?安心して老後を迎えるための準備

公開日:2024/11/18

※本記事についてのご注意

日本では、全世帯の半分以上に高齢者が住んでいます。若い世代との同居が減る中、老後にかかるお金、健康、孤独についての対策を考えます。安心して老後を迎えるために今から準備を始めておきましょう。

高齢化が進む日本では、 65歳以上の者がいる世帯の割合が年々増加しています。2022年には、2,747万4,000世帯、全体の50.6%に達しています。

図表1「65歳以上の者がいる世帯の割合」

65歳以上の者がいる世帯の割合

続いて、65歳以上の者がいる世帯の内訳に注目してみましょう。65歳以上の者がいる世帯のうち、31.8%と全体の約3分の1を単身世帯が占めています。

「夫婦のみ世帯」32.1%よりはやや少ないものの、「親と未婚の子のみの世帯」や「三世代世帯」よりははるかに多くなっています。

図表2「65歳以上の者がいる世帯の内訳」

65歳以上の者がいる世帯の内訳

20代から70代の男女に老後に対する不安を感じるか聞いた調査によると、男性の78.5%、女性の85.1%が老後に対して何らかの不安を感じています。

不安の内訳をみると、女性のほうが非常に不安を感じている方の割合が高いことにも気づきます。

図表3「老後に対する不安の有無」
非常に不安を感じる 不安を感じる 少し不安を感じる 不安感なし わからない
男性 13.4% 26.0% 39.1% 19.3% 2.2%
女性 20.8% 28.3% 36.0% 13.1% 1.8%
全体 17.5% 27.3% 37.4% 15.9% 2.0%

続いて、高齢社会白書に掲載された調査結果より、高齢者が「お金」「健康」「孤独」について不安をどの程度感じているかを調べてみました。

お金

65歳以上の方に経済的な暮らし向きについて聞いた調査によると、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と感じている方が最も多く、56.5%を占めています。

「家計にゆとりがあり、全く心配なく暮らしている」という回答も含めると、現在の高齢者は68.5%が心配なく暮らせています。

一方で、「家計にゆとりがなく、多少心配である」が23.7%、「家計が苦しく非常に心配である」が7.5%を占めている点にも注目しましょう。全体の3割程度の方が、実際に高齢期に入っても心配を抱えています。

心配なく暮らせる老後を迎えられるように、早めに準備をしたいものです。

図表4「65歳以上の人の経済的な暮らし向き」
家計にゆとりがあり、全く心配なく暮らしている 12.0%
家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている 56.5%
家計にゆとりがなく、多少心配である 23.7%
家計が苦しく、非常に心配である 7.5%

高齢社会白書によると、高齢者世帯の平均所得金額は332万9,000円で、全世帯から高齢者世帯と母子世帯を除いたその他の世帯の689万5,000円の5割程度となり、減少します。

高齢者世帯のほうが1世帯当たりの人数は少なく、教育費負担などはほぼないでしょう。そのため、暮らしの豊かさを単純比較はできないものの、多くの世帯で暮らしがつつましやかになっていると考えられます。

図表5「高齢者世帯の所得」
平均所得金額 平均世帯人員
高齢者世帯 332万9,000円 1.57人
その他の世帯 689万5,000円 2.82人

健康

高齢社会白書によると、65歳以上の方で、健康状態が「良くない」と答えた方の割合は24.6%です。

回答の内訳を年齢階層別に比較してみると、健康状態が「良くない」と答えた方の割合は、年齢とともに増加しています。80歳以上では、36.0%が「良くない」と回答しています。

図表6「高齢者の年齢別健康状態」
良い 普通 良くない 不明・無回答
65-69歳 37.3% 46.0% 14.8% 1.9%
70-74歳 32.6% 43.9% 21.3% 2.2%
75-79歳 32.5% 41.3% 24.0% 2.2%
80歳以上 23.4% 36.6% 36.0% 4.1%
全体 30.9% 41.7% 24.6% 2.7%

続いて、要介護認定の状況を年齢別に見てみましょう。65歳から74歳では要支援が1.4%、要介護が3.0%でした。支援や介護が必要と認定されている方の割合は、全体の5%以下となっています。

しかし、これが75歳以上の世代になると、要支援が8.9%、要介護が23.4%と、支援や介護が必要と認定されている方の割合は急増しています。

図表7「要介護等認定の状況」
要支援 要介護
65-74歳 人数 24万1,000人 51万7,000人
割合(%) 1.4% 3.0%
75歳以上 人数 163万8,000人 429万3,000人
割合(%) 8.9% 23.4%

要介護者等の介護を誰が担っているかというと、全体の54.4%が同居の親族の手によって行われています。配偶者、子、子の配偶者の順となり、内訳は図表8のとおりです。

図表8「要介護者等から見た主な介護者の続柄」
同居の親族 別居の家族等 事業者 その他 不詳
配偶者 子の配偶者 父母 その他の親族
23.8% 20.7% 7.5% 0.6% 1.7% 13.6% 12.1% 0.5% 19.6%

同居の親族がいない場合には、別居の家族や事業者に介護を頼む方が多くなっています。介護が必要になったら事業者に依頼する予定の方は、介護費用を多めに確保しておきましょう。

孤独

退職すると社会とのつながりが減るため、意識的に社会活動に参加して人との接点を持つことが重要です。

高齢社会白書によると、65歳以上で1年間に社会活動に参加した方の割合は51.6%、参加していない方は43.2%となっています。

現役時代はあまり地域活動に参加していなかった方にとっては、参加するきっかけがつかみにくいかもしれませんが、自治体の広報誌や地域情報などには地域イベントの情報が掲載されています。意識して目を通して、地域に知り合いを増やすと孤独から身を守れます。

なお、65歳以上の方が参加している社会活動の種類では、健康・スポーツ活動が25.8%、趣味活動が14.9%、祭りなどの地域行事が12.8%となっています。

65歳以上で一人暮らしをしている無職の方の家計内訳は、図表9のようになります。無職世帯なので、1ヶ月の主な収入は公的年金になります。

収入から税・社会保険料1万2,243円と消費支出14万5,430円を差し引くと、毎月3万768円が不足しています。

図表9「高齢単身無職世帯の家計内訳」
内訳 金額
実収入 12万6,905円
税・社会保険料等 1万2,243円
可処分所得 11万4,663円
消費支出 14万5,430円
不足分 3万768円
図表10「高齢単身無職世帯の消費支出の内訳」
消費支出内訳 金額
食費 4万103円
水道光熱費 1万4,436円
教養娯楽費 1万5,277円
交通通信費 1万5,086円
住居費 1万2,564円
保険医療費 7,981円
家具家事用品 5,923円
被服履物費 3,241円
教育費 0円
その他 3万821円
<消費支出合計> 14万5,430円

1ヶ月当たりの消費支出は14万5,430円となっていますが、この金額はあくまでも参考値にすぎません。現在の自分の暮らしと比較して、自分の場合にはどのくらいの生活費を想定すればいいのか考えることが重要です。

例えば、消費支出の内訳をみると、住居費は1万2,564円となっています。老後も家賃や住宅ローンの支払いが続く場合などには、そのぶんも上乗せして予算を組んでおきましょう。

老後の不安としては、お金、健康、孤独があります。健康維持を心掛けて、地域の知り合いを増やすことが大切です。一人暮らしで老後を迎える場合の、今からできるお金の準備について解説します。

老後にかかるお金を把握する

老後の生活費を把握するには、現在かかっている生活費を把握する必要があります。何にいくら使っているかわからないという方は、3ヶ月ほど家計簿を付けてみましょう。そのうえで、1ヶ月あたりの生活費の平均値を計算することをおすすめします。

現在の生活費がわかったら、将来の生活費をイメージしながら、金額を調整してみましょう。「退職後は洋服代や美容にかかる費用が減らせる」「余暇の時間が増えるのでレジャー費は増やしたい」「なるべく自炊を心掛けて食費は減らす」といった具合です。

老後の1ヶ月の生活費が計算できたら、「1ヶ月の生活費×12ヶ月×老後の年数」の計算式で、老後の生活費を計算してみましょう。

令和4年における65歳時点の平均余命は、男性が19.44年、女性が24.30年です。平均データを参考にしつつ、長めの年数で計算しておきましょう。

収支の見直しをおこなう

老後の生活費を計算してみて、どのように感じたでしょうか。万が一、老後資金が大きすぎると感じたら、収支の見直しをおこないましょう。

例えば、趣味にお金がかかりすぎると感じるなら、お金のかからない趣味を探してみましょう。食費がかかりすぎると感じたら、今から食費を減らす工夫を始めてみましょう。

老後の暮らしは現在の暮らしの延長上にあります。退職したら一気に節約を目指すのではなく、できることを今から始めていきましょう。

節約だけで難しそうな場合には、長く働いて収入を増やすことも検討してみましょう。

資産運用を検討するのも手

節約してためる、働いて稼ぐほかにも方法はあります。それは、資産運用です。すぐに使わない余裕資金や老後資金は、預貯金するだけではなく、資産運用に回すことも考えましょう。

例えば投資信託は、初心者でも始めやすい傾向があります。元本保証ではないので値下がりする可能性もありますが、少額からでも始めやすく、毎月積み立て購入もできます。

NISAやiDeCoといった非課税口座を利用すれば、運用期間中にかかる税金を抑えられる分、効率的に運用ができます。

老後のお金は今から準備を始められます。無駄を省いて家計を見直すとともに、すぐに使わないお金の運用も始めてみましょう。お金の準備を今から始めて、健康的な暮らしと地域ネットワークづくりに努めると、一人暮らしの老後不安を緩和できるでしょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)

ハートマネー代表

「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
2005年からFP相談を始める。
日々お金のことを考えなくても安心な
「家計の仕組みづくり」が好評。

大学の非常勤講師として金融リテラシーを普及するほか、
キャリアコンサルタントとしても活動している。

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