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保険お役立ちコラム

公的医療保険と公的介護保険の違いとは?

公開日:2020/4/23

※本記事についてのご注意

かしこく民間保険を選びたいなら、公的制度の理解が欠かせません。公的医療保険と公的介護保険がどのような制度になっているのかを押さえておきましょう。

公的医療保険とは

公的医療保険は、おもに病気やけがに備えるための社会保険制度の一つです。病気やけがで医師の診察や治療を受けたり、薬の処方を受けたりした時には、健康保険証を病院の窓口で提示することで、自己負担額3割で済ませられます(2歳未満や、高齢者を除く)。

公的介護保険とは

公的介護保険は、おもに介護に備えるための社会保険の一つです。公的介護保険には、40歳から加入し、公的医療保険の保険料(健康保険料)に上乗せする形で介護保険料を納めることになっています。公的介護保険は2段階制となっていて、40歳から64歳までが第2号被保険者、65歳以上が第1号被保険者となります。公的介護保険を使うと、介護保険サービスが原則自己負担額1割で利用できます(高所得者を除く)。

日本は、国民皆保険制度をとっています。そのため、赤ちゃんから高齢者までのすべての人がなんらかの公的医療保険に加入することになっています。公的医療保険にはいくつかあって、職業や年齢、所得によって加入する医療保険の種類や保険料を負担する割合が異なります。会社員は、勤務先の健康保険組合や協会けんぽ、自営業者などはおもに国民健康保険に加入します。また、会社員や公務員に扶養されている家族は、被扶養者として保険料を負担することなく健康保険を利用できます。

一方、公的介護保険には、40歳以上になると加入します。公的介護保険では、40歳から64歳の人が第2号被保険者となりますが、この第2号被保険者は、16種類の特定疾病が原因で要介護になった場合にだけ公的介護保険のサービスを利用できます。そのため、例えばバイク事故が原因で介護が必要になったとしても、公的介護保険を利用できないので注意が必要です。

65歳以上になると、公的介護保険の第1号被保険者になります。この第1号被保険者は、介護や支援が必要な状態であれば、その理由にかかわらず公的介護保険を使えます。公的介護保険を使うには、はじめにその人の要介護度を判断する要介護認定をうけます。要介護度は、7段階で判定されて、要介護度が重いと判定された人ほど、より多くの介護保険サービスに公的介護保険を利用できるようになります。

図表1 要介護度の段階と身体の状態
要介護度 身体の状態(目安)
要支援1 要介護状態とは認められないが、社会的支援を必要とする状態
食事や排せつは一人でできるが、入浴や掃除など日常生活の一部に見守りや手助けが必要。
要支援2 生活の一部で部分的に介護が必要な状態
食事や排せつは一人でできるが、立ち上がりや歩行に不安定さが見られる。問題行動や理解の低下が見られる。介護予防サービスをすれば、状態の維持や改善が期待できる。
要介護1 生活の一部で部分的に介護が必要な状態
食事や排せつは一人でできるが、立ち上がりや歩行に不安定さが見られる。問題行動や理解の低下が見られる。
要介護2 軽度の介護を必要とする状態
食事や排せつに何らかの介助が必要。衣服の着脱は何とかできるが、物忘れや理解の低下が見られる。
要介護3 中程度の介護を必要とする状態
食事や排せつに一部介助が必要。一人で立ち上がれない。入浴や衣服の着脱に全面的な介助が必要。いくつかの問題行動や理解の低下が見られる。
要介護4 重度の介護を必要とする状態
食事にときどき介助が必要。排せつ、入浴、衣類の着脱に全面的な介助が必要。多くの問題行動や全面的な理解の低下が見受けられる。
要介護5 最重度の介護を必要とする状態
食事や排せつが一人でできないなど、日常生活を遂行する能力が激しく低下、歩行や両足での立位保持がほとんどできない。意思の伝達がほとんどできない。
  • ※ 生命保険文化センター「介護保障ガイド」p12『要介護度例の身体状態の目安』を参照の上、作成

適用される内容

公的医療保険は、おもに病気やけがの治療に使われます。病院での診察、治療、入院、手術、薬の処方などがおもな対象です。妊娠中の定期検診や普通分娩による出産は、健康保険の対象外となり自己負担となりますが、帝王切開による出産や、異常妊娠による治療や入院には公的医療保険が利用できます。そのほか、出産したら受け取れる出産育児一時金や、産前産後休暇中に支払われる出産手当金など、出産にまつわる給付も公的医療保険がおこなっています。

公的介護保険は、介護サービスを受けるときに使われます。在宅で介護をしている場合でも、介護施設等に入居している場合でも利用できます。このほか、自宅の廊下や風呂場に手すりを付けたり、車いすが通りやすいように段差にスロープを付けるなどの介護リフォームでも、公的介護保険が利用できます。

自己負担額と限度額

公的医療保険では、原則としてかかった医療費の3割を自己負担します。ただし、未就学児は2割負担、高齢者は年齢や所得によって負担割合が異なります。病気やけがの種類や入院日数等によっては、医療費は高額になることもありますが、医療費の自己負担額が大きくなりすぎないように、自己負担額に上限を設ける高額療養費制度があります。

図表2 公的医療保険の年代別自己負担割合
年齢 自己負担割合 注意
0歳~6歳
(義務教育就学前)
2割負担 ※自治体による医療費助成があることも多い
6歳~69歳 3割負担
70歳~74歳 2割負担 ※現役並み所得者は3割負担
75歳以上 1割負担 ※現役並み所得者は3割負担

公的介護保険では、介護サービスを受ける際の自己負担は1割ですが、所得によっては2割負担、3割負担となります。また、1ヶ月に利用できる介護サービスには、要介護度に応じた上限額が決まっています。例えば、図表3の「公的介護保険の要介護度と支給限度額の目安」を例にすると、要介護2の支給限度額は196,160円ですから、自己負担割合が1割の人なら、支払いは19,616円以下で抑えられます。ただし、上限額を超えて介護サービスを受ける場合には、限度額を上回った部分については全額自己負担になります。

図表3 公的介護保険の要介護度と支給限度額の目安
要介護度 支給限度額 利用できるサービスの目安
要支援1 50,030円 週2~3回のサービス
要支援2 104,730円 週3~4回のサービス
要介護1 166,920円 1日1回程度のサービス
要介護2 196,160円 1日1~2回程度のサービス
要介護3 269,310円 1日2回程度のサービス
要介護4 308,060円 1日2~3回程度のサービス
要介護5 360,650円 1日3~4回程度のサービス
  • ※ 生命保険文化センター「介護保障ガイド」p14 『在宅サービスと地域密着型サービスの支給限度額と利用の目安(月額)』を参照の上、作成

公的医療保険と民間医療保険の使い分け

公的医療保険だけでは、十分ではない保障を、民間の医療保険に加入して備えます。具体的には、医療費の自己負担部分と、公的医療保険ではカバーされない差額ベッド代、先進医療への備えなどは、おもに民間医療保険で備えたい部分となります。年代別にかかりやすい病気のリスクや入院日数の傾向などもわかると、より適切な医療保険を選びやすくなるでしょう。

公的介護保険だけでは不足する保障を、民間介護保険に加入して備えます。公的介護保険の自己負担割合は、標準世帯であれば利用額の1割で済みますが、所得が多い人は2割負担、さらに、平成30年8月の介護保険の保険制度改正(※1)によって3割負担となる区分もできました。このように、自己負担は上昇傾向にあるので、備えておいた方がいいでしょう。このほか、要介護度によって定められた上限額以上の介護サービスを受けようと思うと、超えた部分は全額自己負担になりますから、家族に介護を頼めないという人や、家族に介護の負担をあまりかけたくないという人は、民間介護保険での備えが必要になるでしょう。

図表4 介護サービスの自己負担割合(65歳以上)
本人の合計所得金額 年金収入+その他の合計所得金額の合計額 介護サービスの自己負担割合
220万円以上 単身世帯で340万円以上  または2人以上世帯で463万円以上 3割負担
単身世帯で280万円以上340万円未満 または2人以上世帯で346万円以上463万円未満 2割負担
160万円以上220万円未満 単身世帯で280万円以上 または2人以上世帯で346万円以上
単身世帯で280万円未満 または2人以上世帯で346万円未満 1割負担
160万円未満
  • ※ 第2号被保険者(40歳以上65歳未満の人)、市区町村民税非課税の人、生活保護受給者は1割負担
  • ※1 厚生労働省「平成30年度介護保険制度改正」
    https://www.mhlw.go.jp/content/000334525.pdf

公的介護保険の主な対象は、65歳以降、介護や支援が必要になってからです。親の介護や将来のために、公的介護保険の制度を知っておくことはとても大切です。ただし、現役世代が自分の為に今備えるべきなのは、介護保険よりも医療保険です。公的医療保険で不足する部分を民間医療保険で備えておきましょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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※2019年1月1日~2022年1月31日にお申込みをいただいた方のうち、当社からのメール配信を許諾いただいている方へアンケートを実施した結果。
(実施日:2022年3月15日~2022年3月21日、配信数:13,986件、全回答数:1,821件:他社からの乗り換え加入者604件のうち、当該項目における有効回答者数520件)

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