保険お役立ちコラム
医療保険には「公的医療保険」と「民間の医療保険」の2種類があります。この記事では、40代の方が、民間の医療保険を選ぶ際に知っておきたいポイントや選ぶ際の注意点について解説します。
この記事でわかること
- 40代以降は右肩上がりに入院リスクが上昇する
- 40代は家計における責任の面でも民間の医療保険が必要な年代
- 40代でかかりやすい傷病や入院日数、男女別の病気の傾向、予算から選ぶのがおすすめ
目次
40代こそ民間の医療保険が必要な理由
40代は病気にかかるリスクの面からも、家計における責任の面からも、民間の医療保険が必要な年代だといえます。その理由について考えてみましょう。
40代は体の不調を感じる方が増える年代
40代に入った頃から、仲間内で健康について話題にのぼる機会が増えたり、体のあちこちに不調を感じることが増えたりしている方も多いのではないでしょうか。
健康保険組合連合会が行った「令和3年度 生活習慣病関連疾患の動向に関する調査」によると、生活習慣病10疾患による入院患者数(年度平均)は、35~39歳が1,499人、40~44歳が2,231人、45~49歳が4,463人、50~54歳が6,979人、55~59歳が8,610人、60~64歳が8,638人と、年齢上昇に伴って右肩上がり増えていきます。
生活習慣病は、食事や運動、休息、喫煙、飲酒など長年の生活習慣の積み重ねが発症に大きく関与するといわれる病気の総称ですが、40代以降は年齢とともに生活習慣病による入院リスクが高まることがわかります。
- ※ 参照 健康保険組合連合会 「令和3年度 生活習慣関連疾患の動向に関する調査」
https://www.kenporen.com/toukei_data/pdf/chosa_r05_06_02.pdf
- 関連記事:「生活習慣病とは?種類や原因、予防方法について詳しく解説」
また、40代以降は、更年期障害が増える年代でもあります。男女共同参画局が行った「男女の健康意識に関する調査の結果」には、40代以上の男女を対象に更年期障害について聞いた設問があります。
その調査結果を見ると、女性の36.3%、男性の19.3%が更年期障害による何らかの症状を抱えていることもわかりました。
- ※ 参照 男女共同参画局「男女の健康意識に関する調査の結果」
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/ishiki_4.pdf
40代は働き盛りで子どもを育てている方が多い年代
40代は働き盛りで子どもを育てている方が多い年代です。また、安定した収入が得られるようになったことや、家族が増えたことなどによって住宅を購入し、住宅ローンを返済中の方もいるでしょう。
家庭における責任が増す方の多い40代の場合、病気やけがにより治療費や入院費の支払いが発生したり、療養によってすぐに職場復帰できない状態が続いたりすることは、家計にとって大きなリスクとなります。
あらかじめ医療保険への加入を検討しておきましょう。
年齢が上がると保険料も上がる
まだ元気だから民間の医療保険に入る必要はないと考えている方もいるかもしれませんが、病気にかかってからでは民間の医療保険に入りにくくなるほか、既往歴があると医療保険に加入できない場合があります。
その場合、加入できても条件が付加されたり、保険料が高くなったりする場合もあるので注意が必要です。
また、病気にかかるリスクは、年齢の上昇に伴って高くなっていきます。そのため、「年齢が上がると保険料も上がる」ということも、ぜひ覚えておきましょう。保険料の確定には、保険加入時の年齢(契約年齢)も影響します。
※ 契約年齢(保険年齢)…契約日における被保険者の年齢。会社により満年齢・誕生日の半年前に上がるなど、数え方の基準が異なる。
40代の民間医療保険の加入率
40代のうち、どのくらいの方が民間の医療保険に加入しているのでしょうか。
生命保険文化センターの調査によると、40代男性の87.7%、40代女性の87.1%が医療保障に対して何らかの準備をしていると回答しています。
そのうち、民間の生命保険の医療特約や医療保険に加入しているという方は、40代男性の74.9%、40代女性の76.2%となっています。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20代 | 32.8% | 47.6% |
30代 | 68.4% | 72.4% |
40代 | 74.9% | 76.2% |
50代 | 72.1% | 77.2% |
60代 | 75.4% | 77.2% |
70代 | 64.7% | 65.2% |
- ※ 参照 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r4/2022honshi_all.pdf
40代で医療保険を検討・見直したほうがよい方
医療保障の加入率が男女とも7割以上に高まる40代ですが、40代で医療保険を新たに検討したほうがいい方、見直したほうがいいのはどのような方でしょうか。
今まで病気やケガとは無縁だった方
冒頭にご紹介した生活習慣病患者数を見てもわかるとおり、40代以降は右肩上がりに入院リスクが上昇していきます。これまで病気やケガとは無縁だったという方も、いつまでも無縁でいられるとは限りません。
民間の保険に加入するときには健康告知がありますが、現在も健康状態が維持できている方はすでに既往症を抱えている方よりも保険に入りやすいと考えられます。元気なときが入り時と考えて、今のうちに医療保険への加入を検討しておきましょう。
昔加入した医療保険がある方
すでに何らかの医療保険に加入していても、保障内容を長年見直さずにずっと放置しているという方も多いのではないでしょうか。
いつ入ったか覚えていないくらい前に加入した医療保険の場合、保障内容が古くなっている可能性があります。医療保険は治療の進歩に合わせて年々進化を遂げています。年齢に伴う病気やケガのリスクの増加に備えて、既契約の保障内容を見直しましょう。
守るべき家族ができた方
結婚・出産などで守るべき家族ができた方や、これからそうしたライフイベントが控えているという方は、医療費の出費により家族の生活費に影響が出ないようにするためにも、医療保険の加入を検討するとよいでしょう。
医療保険があれば、ケガや病気による思わぬ長期入院の費用をカバーしたり、先進医療特約で先進医療にも備えたりもできるので、積極的に治療を受けて、家族を安心させることができます。
すでに契約している医療保険がある場合には、保障内容が古くないか、保障が十分かどうか確認しておきましょう。
40代におすすめの医療保険の選び方
40代が医療保険を選ぶときには、どんなポイントに注目すればいいのでしょうか。40代ならではの傾向から考えます。
40代でかかりやすい傷病や入院日数を基準に選ぶ
厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査の概況」によると1入院当たりの平均入院日数は、令和2年の時点で32.3日です。平成2年の調査では平均日数が44.9日でしたが、その後調査を続けるたびに平均入院日数は短くなっています。
図表2「傷病分類別にみた年齢階級別退院患者の平均在院日数」も、「令和2年(2020)度患者調査」に掲載されている傷病別の平均入院日数です。
主な傷病 | 平均入院日数 |
---|---|
全体 | 32.3日 |
ウィルス性肝炎 | 13.8日 |
悪性新生物<腫瘍> | 19.6日 |
高血圧性疾患 | 47.6日 |
心疾患(高血圧性のものを除く) | 24.6日 |
脳血管疾患 | 77.4日 |
肝疾患 | 23.4日 |
骨折 | 38.5日 |
- ※ 参照 厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/dl/heikin.pdf
平均在院日数のデータを見ると、脳血管疾患を除く傷病の患者は60日以内に退院をしていることがわかります。
そのため、近年発売されている多くの医療保険では、1入院当たりの入院給付金の支払限度日数を60日に設定し、そのぶん入院1日目から入院給付金を給付したり、日帰り入院にも対応したりするなど、短期入院でも手厚い保障が受けられるようにしています。
ひと昔前までは、1入院当たり180日までなど長期間の入院を保障する一方で、4日目までの短期入院は保障の対象としない医療保険がありました。
万が一、現在40代で新入社員の頃に加入した医療保険をそのままにしている方は、短期入院もカバーされている保険かどうか確認しておくとよいでしょう。
近年の医療動向を考えると、どんな病気やケガでも保障され、入院初日から60日まで保障が続く医療保険を基本に考えるのが合理的だと思われます。入院1日当たりの費用は5,000円から1万円の範囲で、保険料と給付金のバランスを見ながら比較するとよいでしょう。
男女別の病気の傾向から選ぶ
医療保険を選ぶときには、男女別の病気の傾向なども参考にしてみましょう。
図表3「男性の死亡原因トップ10」、図表4「女性の死亡原因トップ10」は厚生労働省が発表している令和4年「人口動態統計」より「性別にみた死因の順位」を男女別に掲載してあります。
順位 | 死因 | 死亡総数に占める割合 |
---|---|---|
1 | 悪性新生物(腫瘍) | 27.9% |
2 | 心疾患 | 14.1% |
3 | 脳血管疾患 | 6.7% |
4 | 老衰 | 6.3% |
5 | 肺炎 | 5.4% |
6 | 誤嚥性肺炎 | 4.2% |
7 | 不慮の事故 | 3.1% |
8 | 腎不全 | 2.0% |
9 | 間質性肺疾患 | 1.9% |
10 | 自殺 | 1.8% |
順位 | 死因 | 死亡総数に占める割合 |
---|---|---|
1 | 悪性新生物(腫瘍) | 21.1% |
2 | 老衰 | 16.8% |
3 | 心疾患 | 15.6% |
4 | 脳血管疾患 | 7.1% |
5 | 肺炎 | 4.0% |
6 | 誤嚥性肺炎 | 2.9% |
7 | 不慮の事故 | 2.4% |
8 | アルツハイマー病 | 2.1% |
9 | 血管性等の認知症 | 2.0% |
10 | 腎不全 | 1.9% |
上位7位までは男女とも同じ疾病が入っています。女性のほうが老衰の順位が高いなど多少の順番の違いはありますが、リスクの高い病気は似通っています。
男女とも、医療保険で幅広い病気に備えるとともに、死因が1位の悪性新生物に備える「がん保険」や、男性の場合には上位3位を占めている、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患に備えられる「三大疾病保険」は必要性が高くなるでしょう。
あらかじめこうした保険に加入しておき、健康診断や人間ドッグで早期発見、早期治療に努めるようにしましょう。
8位から10位で比べると、女性はアルツハイマー病や認知症が入っていますから、民間の介護保険や認知症保険などが候補に挙がるでしょう。
- ※ 参照 厚生労働省「令和4年人口動態統計」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei22/dl/10_h6.pdf
予算にあわせて選ぶ
40代は教育費の準備や、住宅ローンの返済にお金が出ていく方も多いでしょう。
また、親の介護がすでに始まっていて今後の見通しが立ちにくいという方もいると思います。保険料負担が重くなりすぎると家計を縛ることになりかねないため、家計の予算に合わせた保険を選ぶようにしましょう。
保険料についても1か月あたりの保険料を比較するのはもちろんのこと、一生涯ではどのくらいの保険料を支払うのか、支払総額についても確認することをおすすめします。
医療保険とあわせて加入したい保険を選ぶ
複数の医療保険を比較して医療保険を選んだら、必要に応じて他の保険で保障を上乗せすることも検討しましょう。
医療保険とあわせて加入したい保険はこちらです。
40代は病気のリスクが高まる世代。医療保険の検討を
40代は病気のリスクが高まる世代です。これまで病気やケガとは無縁だったという方も、入院や手術の可能性が高まっていきます。男女別に罹患しやすい病気も考慮して、早めに医療保険で備えておきましょう。
また、ずいぶん前に医療保険に加入したという方は、最新の保障内容に見直すことも検討しましょう。最近の医療事情に合った保障内容に見直しつつ、保険料を更に抑えることができるかもしれません。
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- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
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- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 個別の税務等の詳細については税務署や税理士等、専門家にご確認ください。
ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー(AFP)
ハートマネー代表
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
2005年からFP相談を始める。
日々お金のことを考えなくても安心な
「家計の仕組みづくり」が好評。
大学の非常勤講師として金融リテラシーを普及するほか、
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