保険お役立ちコラム
医療保険とがん保険に組み合わせて入ることは、保障の重複にあたるのでしょうか。両方の保険を組み合わせて入る場合のポイントと、保険料の調整の仕方についてお答えします。

医療保険とがん保険の違い
幅広く備える医療保険
医療保険は、病気やケガにより入院した場合や、手術を受けた場合などに、給付金が支払われる民間保険です。幅広い病気やケガに備えられますが、入院1日当たりに支払われる金額は、保険会社によって異なりますが、数千円から2万円程度の範囲内で選べるようになっており、1入院当たりの給付金の支払限度日数にも60日や120日などの上限があります。
医療保険の特約には、先進医療特約、3大疾病払込免除特約、長期入院時一時金給付特約、入院時一時金給付特約、通院支援特約(退院時給付型)、女性疾病入院特約などがあります。3大疾病や女性疾病に関しては病気がある程度絞られていますが、それ以外の特約に関しては、幅広い病気やケガに備えられます。なかでも、医療保険の先進医療特約は、厚生労働大臣が定めた先進医療をカバーしています。
- ※ 先進医療の種類や医療機関は随時見直されます。最新の情報は厚生労働省のホームページをご覧ください。
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan.html
がんに特化した「がん保険」
がん保険は、民間の医療保険の一種ではありますが、がんの保障に特化しています。がんと診断された時には診断給付金、がんで入院したときには入院給付金が支払われます。がん診断給付金の金額は50万円、100万円、200万円など、各保険会社のがん保険のタイプや契約内容によって異なります。入院給付金は、がんによる入院に限られますが日数無制限で支払われることが多くなっています。
がん保険の特約には、抗がん剤治療特約、がん手術給付特約、がん先進医療特約、がん退院療養特約、女性がん入院特約、がん無事故給付特約などがあります。いずれも、がんで何らかの治療を受けた場合、もしくは一定期間がんにならなかった場合など、がんを対象とした特約となっています。がん先進医療特約は、厚生労働大臣が先進医療として定めた治療のうち、がんに関する治療を保障しています。
医療保険とがん保険を一緒に加入するメリット・デメリット
メリット
医療保険とがん保険を組み合わせて加入する最大のメリットは、保障の死角が無くなることです。医療保険があることで、幅広い病気やケガに備えることができますし、がんになった場合には、がん診断給付金を受け取ることができます。
また、目的がはっきりした保険を組み合わせて加入することは、どんな保険に加入しているかわかりやすいというメリットもあります。保険料を負担に感じた時や、特定の保障が不要になったときには、不要になった部分だけを切り離して見直しやすい点もメリットでしょう。
デメリット
医療保険とがん保険を組み合わせて加入することにデメリットがあるとすれば、2種類の保険に入ることで保険料が増えることでしょう。また、保険の数を増やすほど、保険選びの手間や加入手続きの手間もかかりますし、保険証券など保管すべき書類の数も増えていきます。保険証券が複数ある場合には、保険用のファイルを一つ用意して、まとめて管理するようにしましょう。
医療保険とがん保険を一緒に加入する場合のポイント
保障の重複に気を付ける
複数の保険を組み合わせて加入する場合には、保障が重複しないように気を付けましょう。病気やケガによる入院や手術に幅広く備える「医療保険」と、がんに特化して手厚く備える「がん保険」の組み合わせであれば、お互いを補完し合う、良い組み合わせになる可能性があります。医療保険に先進医療特約が付けてあれば、がんでもその他の病気やケガでもあらゆる先進医療がカバーされるので、がん保険にはがん先進医療特約を付ける必要はありません。
月々の保険料を調整する
医療保険だけでなく、がんにも手厚く備えたいと思う一方で、両方入るとなると保険料の負担が気になって悩む人もいるでしょう。その場合には、合計保険料を見ながら保障期間を調整するという方法があります。
たとえば、医療保険とがん保険の両方に加入したいものの、終身医療保険とがん終身保険の組み合わせでは保険料を負担に感じるという場合は、例えば、がん終身保険をがん定期保険に変えてみると毎月の合計保険料を抑えられます。この場合、がん定期保険の更新時には保険料が上がるものの、当面の保険料負担を抑えながら、幅広い病気やケガへの保障と、がんへの手厚い保障を両方備えることができます。
ほかにも、医療保険に先進医療特約をつけていれば、がん保険では先進医療特約は不要になるため、その分保険料を抑えられます。
アクサダイレクト生命の保険を例に、具体的な数字で見ていきましょう。
ケース1<終身医療保険とがん終身保険に加入していた場合>
35歳の男性の場合、1ヶ月あたりの合計保険料は3,530円になります。内訳は以下の通りです。
商品名:アクサダイレクトの終身医療
∟年齢・性別 :35歳 男性
∟保険期間 :終身
∟保険料払込期間:終身
∟入院給付金日額:5,000円
∟手術給付金額 :I型(入院有りなら5万円、入院無しなら2万5,000円)
∟特約 :先進医療特約
∟月額保険料 :1,450円
- ※ 上記の保険料は、2020年11月2日現在適用する保険料です。
商品名:アクサダイレクトのがん終身
∟年齢・性別 :35歳 男性
∟保険期間 :終身
∟保険料払込期間:終身
∟がん診断給付金:100万円
∟入院給付金日額:1万円(日数無制限)
∟特約 :なし
∟月額保険料 :2,080円
- ※ 上記の保険料は、2020年11月2日現在適用する保険料です。
ケース2<終身医療保険とがん定期保険に加入していた場合>
同じ35歳男性が、がん終身の代わりにがん定期を選んだ場合、終身医療保険との合計保険料は1ヶ月あたり2,240円に抑えられます。がん定期の詳細は以下の通りです。
商品名:アクサダイレクトのがん定期
∟年齢・性別 :35歳 男性
∟保険期間 :10年
∟保険料払込期間:10年
∟がん診断給付金:100万円
∟入院給付金日額:1万円(日数無制限)
∟特約 :なし
∟月額保険料 :790円
- ※ 上記の保険料は、2020年11月2日現在適用する保険料です。
医療保険とがん保険を一緒に加入している場合の給付金の支払われ方
複数の保険に入っている場合には、それぞれの保険から給付金を受け取ることができます。35歳男性が上記ケース2の条件でアクサダイレクト生命の終身医療保険とがん定期に加入した場合で、給付金の支払われ方をシミュレーションしてみましょう。
・盲腸で手術を受け、6日間入院した場合
医療保険:入院給付金5,000円×6日=3万円 手術給付金5万円(入院給付金×10倍) 合計8万円
がん保険:がんではないため、給付金の支払い無し
・胃がんと診断されて、19日間入院し、がんの摘出手術を受けた場合(入院日数は生命保険文化センタ―より)
医療保険:入院給付金5,000円×19日=95,000円 手術給付金5万円 合計14万5,000円
がん保険:がん診断給付金100万円、がん入院給付金 1万円×19日=19万円 合計119万円
(がんの手術を受けても特約を付加していない場合は、がん手術給付金の支払いは無い為 0円)
2つの保険より、合計133万5,000円が支払われる
- ※ 生命保険文化センター「入院した場合、入院日数は何日くらい?」
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/medical/3.html

医療保険とがん保険の組み合わせは合理的
医療保険とがん保険は、相互に補完しあういい組み合わせです。保険料を負担に感じる場合には、がん定期保険や定期医療保険など、どちらか一方の保障期間を終身ではなく10年間の定期保障に変えるなどして調整してみるといいでしょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 当社保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。

ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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