保険お役立ちコラム

生命保険(死亡保険)と医療保険の違いとは?両方加入したほうがいい?

更新日:2024/03/28

※本記事についてのご注意

生命保険(死亡保険)には終身保険、定期保険、収入保障保険があります。医療保険には終身医療保険と定期医療保険があります。それぞれの保険の特徴を知り、必要性を考えることで、自分に合った保険を選びやすくなります。セット加入と、別々に選んで加入する場合のメリットや注意点についても解説します。

生命保険(死亡保険)とは

生命保険と医療保険の大きな違いは、以下のとおりです。

図表1「生命保険と医療保険の違い」
保険の種類 主な違い
生命保険(死亡保険) ・死亡・高度障害状態になったときに保険金が支払われる
・被保険者と受取人は別の人
・保険金が支払われると、保険契約が終了する
・保険金は課税対象になる
医療保険 ・入院や手術を受けたときに給付金が支払われる
・被保険者と受取人は通常、同じ人
・保険期間内であれば契約は継続し、何度も給付金が支払われる可能性がある
・給付金は非課税扱い

生命保険(死亡保険)は、死亡や高度障害状態に備える保険です。
保障の対象となる被保険者が「死亡」または「高度障害状態」になったときに、受取人に対して死亡保険金または高度障害保険金が支払われます。

家族を支える人が亡くなると、収入が減少したり、葬儀費用などで支出が増加したりと経済的ダメージを受けます。もしものケースを想定してあらかじめ死亡保険に加入しておくと、万が一の場合にも家族の暮らしを守ることができます。

いくらの死亡保障を備えるべきか、家族構成やライフスタイル、収入などによっても異なります。死亡保険に加入するときには、必要保障額を計算しましょう。

生命保険(死亡保険)の種類

おもな生命保険(死亡保険)の種類には、終身保険、定期保険、収入保障保険があります。それぞれの違いを確認して、目的や暮らしにあった死亡保険を選びましょう。

終身保険

終身保険は、保障が一生涯続く生命保険(死亡保険)です。被保険者が死亡したとき、もしくは高度障害状態になったときに保険金が支払われますが、保険期間が一生涯続くため、何歳で亡くなっても保険金を受け取れます。

また解約返戻金が付いている場合、途中で解約した場合には解約返戻金を受け取ることができます。そのため、お葬式代や相続対策、老後資金の準備としても活用される保険です。

  • ※ ステップ方式など一部保険料が上がる終身保険もあります。

保険料をいつまで支払うかによって「全期払い」と「短期払い」に分けられます。全期払いは、保険料の支払いが一生涯続くタイプで、短期払いは、一定の年数や一定の年齢までに保険料の支払いを終えるタイプです。

定期保険

一定期間を保障する死亡保険です。契約時に定めた保険期間中であれば、どの時点で亡くなっても死亡保険金が支払われますが、期間を1日でも過ぎると保険金は支払われません。

掛け捨て型の保険で、解約返戻金は全くないか、あってもごくわずかです。そのぶん保険料がお手頃になっています。大きな保障が必要で目先の生活費も確保したい、子育て世代に向いた保険です。

定期保険には「全期型」と「更新型」があります。全期型は、保障が必要な期間全体を通して保険契約を結びます。途中で更新はありませんし、保険料が途中で上がることもありません。

更新型は、10年ごとなど期間を区切って、複数回にわたって契約を更新していく方法です。更新型の場合、加入当初の保険料が抑えられるメリットがありますが、同じ保障で更新する場合、更新ごとに保険料が上昇します。なお、健康状態に関係なく同じ保障内容、同じ保障額で更新できます。

収入保障保険

収入保障保険は、一定期間を保障する定期保険の一種です。大きな特徴としては、保険金が給与のように一定金額ずつ継続して支払われるところにあります。

死亡時点から毎月(あるいは毎年)一定の金額ずつの保険金が支払われ、生前に決めた保険契約終了時まで支払いが継続します。そのため、保険期間中の早いタイミングで亡くなると保険金が多く支払われますが、保険期間の終盤で亡くなると受け取れる保険金の総額が少なくなります。

保険期間中であれば、どこで亡くなっても同額が支払われる一般的な定期保険に比べると、収入保障保険の保険料がお手頃なのはこうした理由があります。さらに、毎月定額ずつ支払われる収入保障保険は、遺族にとっては生活費として使いやすいというメリットもあります。

なお、収入保障保険の保険金は、一括で受け取ることも選べます。ただし、一括受け取りの場合には、毎月定額で受け取るよりも総額が少なくなります。これは、保険期間満了までに見込まれる年金現価(将来の年金を受け取るために必要な現在の積立金のこと)の運用益が差し引かれて支払われる仕組みになっているためです。

生命保険(死亡保険)のメリット

生命保険(死亡保険)の最大のメリットは、死亡や高度障害状態といった「万が一のリスク」に備えられることです。特に、定期保険や収入保障保険では、掛け捨てにすることで保険料を抑えつつ、大きな保障を備えやすくしています。

医療保険は、病気やケガに備える保険です。

医療保険のタイプにもよりますが、病気やケガで入院したときには、入院した本人に対して入院給付金が支払われ、手術を受けたときには手術給付金が受け取れます。さらに、特約を上乗せすることで、保障をさらに付加することができます。

保険期間内であれば、何度も入院給付金や手術給付金を受け取ることが可能です。これらの給付金は非課税のため、税金がかかりません。

公的な医療保険

民間の医療保険を選ぶときには、加入している公的医療保険の保障内容を確認しましょう。人によっては公的医療保険だけでは保障が不足するため、そのぶんを民間医療保険で補うと考えると選びやすくなります。

公的医療保険があるため、現役世代の医療費窓口負担は3割負担となります。さらに、長期入院や手術を受けた場合などで1ヶ月あたりの医療費が高額になった場合には、1ヶ月の医療費負担を一定の範囲内に抑えられる「高額療養費制度」が利用できます。

例えば69歳以下の場合、収入によって自己負担の上限額が5段階に分かれています。適用区分の年収は図表2のとおりです。標準的な世帯の場合、1ヶ月の自己負担額は「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」の計算式の金額までに抑えられます。

あらかじめ医療機関の窓口に「限度額適用認定証」を提示しておけば、超過分を立て替え払いする必要もありません。まずは自己負担の上限額を意識して保険で備える必要があります。

図表2「69歳以下の人の高額療養費自己負担限度額」
適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~ 252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円~約1,160万円 167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円~約770万円 80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円 57,600円
住民税非課税者 35,400円

民間の医療保険の種類

医療保険は、保険期間の違いによって、終身医療保険と定期医療保険に分けられます。それぞれの特徴の違いと、使い分け方について解説します。

終身医療保険

終身医療保険は、一生涯を保障する医療保険です。途中で解約しない限り、亡くなるまで医療保障が継続します。同じ年齢で加入した場合、定期医療保険よりも加入時の保険料は高めになりますが、途中で保険料が上がらない安心感があります。

保険料の支払い方法は、一生保険料の支払いが続く「終身払い」と、60歳や65歳など一定の年齢で保険料の支払いを終える「短期払い」があります。短期払いのほうが、1ヶ月あたりの保険料は高めとなりますが、一定年齢で保険料の支払いを終えて保障だけを一生涯継続できる安心感があります。

定期医療保険

定期医療保険は、一定期間だけを保障する医療保険です。一生涯保障が続く終身医療保険に比べると、加入時の保険料がお手頃となる傾向にあります。

例えば、10年更新の定期医療保険の場合、加入から10年間は保険料が上がりません。10年後の更新時には、そのときの健康状態にかかわらず同じ保険を更新することができますが、更新時の年齢で保険料が計算されるため保険料が上がります。

なお、定期医療保険は、保険会社ごとに更新可能年齢に上限を設けています。いつまでも更新を続けられるわけではないので、一生涯保障される医療保険が欲しい場合には、どこかのタイミングで終身医療保険の加入を検討しておきましょう。

医療保険のメリット

医療保険のメリットは、幅広い病気やケガによる入院や手術に備えられることです。医療保険に加入することで、公的医療保険の不足分を補うことができます。

生命保険(死亡保険)と医療保険は、セットで入るか、別々に入るか

生命保険(死亡保険)と医療保険はそもそも目的が違います。必ず両方に入るというよりは、自分にとって死亡保険も医療保険も必要だと思えば、両方に加入しましょう。

両方に加入する場合、生命保険(死亡保険)の特約として医療保険にセット加入する方法と、死亡保険と医療保険を別々の保険商品で加入する方法があります。それぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。

セット販売に加入するメリットと注意点

ここでいう「セット販売」の保険とは、1つの保険会社で複数の保険を組み合わせて加入する方法です。

例えば、「定期付終身保険」は、終身保険を主契約として、そこに掛け捨て型の定期保険を特約として付加したセット販売の保険ですが、ここに入院や手術に備える医療保障も特約として付加されることがあります。

セット販売のメリットは、1つの保険契約に必要な保障がすべてまとまっていることです。そのため、自分が加入している保険契約数の管理がしやすいです。また、1社ですべて加入しているため、営業担当者に連絡をすれば、保険金や給付金の受取り手続きや保険の見直しの相談にのってもらうなど、手厚いサポートを受けることもできます。

セット販売の注意点としては、加入時には保障内容を理解して入ったつもりでも、時間が経つとどんなときにいくらの保険金・給付金がもらえるのか、どの保障にいくらの保険料を支払っているのかわからなくなることがあります。

また、主契約に特約を組み合わせるセット販売の場合、主契約を解約すると特約も同時に消滅します。特約として付けた医療保障は今後も必要だが、主契約の死亡保険はもう必要ないという場合、見直しがしにくくなるという難点があります。

片方だけに加入するメリットと注意点

医療保険と生命保険(死亡保険)、どちらかしか必要性を感じなければ、必要性を感じる保険だけに絞って保険を選ぶといいでしょう。

片方の保険だけに加入するメリットは、その保障だけに集中して選びやすくなることです。

例えば、「いまは医療保険だけに加入したい」という場合、医療保険に絞って比較検討することで、医療保険の保障内容や自分が必要とする保障についてじっくりと考えやすくなります。

片方の保険だけに入る注意点としては、保障が不足しやすいことです。保険は一度入ったらそこで終わりではありません。加入後、しばらくして暮らしが変化したら、別の保障が必要になることがあります。その際は、追加で加入することも検討しましょう。

両方に加入するメリットと注意点

医療保険と生命保険(死亡保険)の両方に加入したいと思ったとき、1つの保険会社のセット販売ではなく、それぞれ単独に加入する方法があります。

両方に単独加入するメリットは、死亡保険と医療保険のそれぞれに対する保険料がいくらか、内訳が明確にわかりやすいことがあります。

他社との比較もしやすくなるので、自分にとっての予算と保障の優先順位に従って、保険を選びやすくなるでしょう。ライフスタイルの変化によって不要な保障が出てきた場合にも、その保険だけを解約して見直しやすくなります。

複数の保険に別々に加入する注意点は、保険証券がいくつにも分かれることがあります。保険用の専用ファイルを用意するなどして、家族全員分の保険証券や保険会社からのお便り、カスタマーサービスの連絡先などを一元管理できるようにしておくといいでしょう。

どちらかしか入れないという場合には、優先順位で選びましょう。選び方のポイントをご紹介します。

医療保険の優先度が高い人

医療保険の優先度が高いのは独身の方、預貯金がまだ十分にない方でしょう。

医療保険は本来、独身者でも既婚者でも必要です。ただし、医療保険から支払われる給付金は1回の入院と1回の手術では多くの場合、数十万円程度です。

預貯金がすでに十分にあって、入院や手術の費用は預貯金で確保しているという場合には、医療保険の必要性は低くなります。

生命保険(死亡保険)の優先度が高い人

死亡保険の優先度が高いのは、子どもや配偶者を扶養している既婚者です。家族を養っている方の必要保障額は、多くの場合、数千万円になります。万が一のときの経済的ダメージが計り知れないため、まずは死亡保険から備えましょう。

死亡保険と医療保険は、「主契約の死亡保険+医療保険特約」という形で加入するよりも、それぞれ単独の商品で「死亡保険」+「医療保険」という形で加入したほうが、保障の中身や保険料の内訳がわかりやすくなり、保険の見直しもしやすくなります。まずは片方だけ加入したという方も、必要性が出たら追加加入を検討しましょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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