保険お役立ちコラム

「がん保険」と「医療保険のがん特約」の違いとは?必要性と特徴を比較

公開日:2020/06/30

※本記事についてのご注意

がんの保障を考えるとき、がん保険に入るのと、医療保険にがん特約を付けるのでは、どんな違いがあるのでしょうか。がんの治療方法や入院日数などから検討していきます。

「がん保険」と「医療保険のがん特約」の違い

がん保険

がん保険は、がんの治療に特化した保険です。がん以外の病気を保障の対象外としている一方で、がんの治療に対しては手厚い保障があります。がん保険では、主契約として、がんと診断されるとまとまった一時金が支払われる「がん診断給付金」と、入院日数無制限で支払われる「がん入院給付金」があります。さらに、特約として、必要な保障を上乗せできるようになっています。特約の種類は保険会社によってもさまざまですが、先進医療による治療、抗がん剤治療、通院治療への備えなどがあります。

医療保険のがん特約

医療保険は幅広い病気やケガを保障する保険で、入院日数に応じた入院給付金と、手術をした場合に支給される手術給付金が保障の中心となっています。入院給付金は、各保険会社によって異なりますが、入院1日当たり5,000円から2万円の範囲で選べます。入院給付金の支給日数は、30日程度のものもあれば1,000日を超えるものまでありますが、60日や120日で設定するものが主流です。

医療保険に入れば、がんによる入院でも他の病気と同様に、入院給付金や手術給付金を受け取れます。ただし、がん保険のように手厚い保障は受けられません。

そこで、医療保険のなかには「がん特約」を用意して、がんへの保障を上乗せできるものがあります。がん特約には多くの場合「がん診断給付金」が含まれるので、がんと診断されると一時金が受け取れます。ただし主契約である医療保険を解約した場合には、がん特約も解消されるため、がんの保障も終了となる点には注意が必要です。

幅広い病気やケガをカバーする医療保険には、さまざまな保障が特約として用意されていることがあります。先進医療特約、女性疾病特約、三大疾病特約、がん特約、介護特約などがあり、気になる保障を上乗せできる仕組みです。

医療保険のがん特約の目的は、がん保険と同じです。多くのがん特約では、がんと診断されたらがん診断給付金が受け取れるので、どんな治療法にも対応できますし、まとまった支出にも備えやすくなっています。また、がん特約を付けた場合、この特約については医療保険の責任開始日から約90日間の免責期間がありますが、この免責期間についてもがん保険と同じと考えていいでしょう。

ただし、注意点もあります。一つ目は、がん特約では、がん保険に比べて柔軟な保障選びがしにくいことがあげられます。例えば、各保険会社によってがん特約に診断給付金がないものがありますし、あっても金額が固定されていたり、給付金額を自由に選択しにくい場合があります。また、保障が固定されており、抗がん剤治療などの特約を別途付けられないこともあります。

二つ目は、がん特約の保障内容が「がん診断給付金」だけの場合、がんで入院したときに入院給付金の上乗せは無いことです。医療保険から他の病気やケガと同様の給付金が支払限度日数の範囲で支払われます。

医療保険とがん保険にそれぞれ別々に加入している場合には、がんで入院したときに医療保険とがん保険それぞれから入院給付金が支払われますし、がん保険の入院給付金は支払限度日数が無いため、入院中はずっと入院給付金を受け取ることできます。がん診断給付金額も医療保険の影響を受けることなく決められます。

図表1「がん保険と医療保険のがん特約の違い」
がん保険 医療保険 医療保険+がん特約
保障の目的 がんへの備え 病気やケガへの備え 病気やケガへの備え+がんへの備え
入院給付金の対象・上限日数 がん入院に限る
支払限度日数の上限なし
幅広い病気やケガが対象
支払限度日数の上限あり
幅広い病気やケガが対象
支払限度日数の上限あり
がん診断給付金 がんの診断で、まとまった一時金あり なし がん保険に比べると一時金は少ない傾向
先進医療特約 がんの先進医療を保障 がんを含む幅広い先進医療を保障 医療保険に先進医療特約を付ければがんの先進医療も対象に
備考 がん保険+医療保険のセット加入なら、幅広い病気やケガにも、がんにも、手厚く備えられる セット加入よりも保障は薄めだが保険料がお手軽な傾向

がん保険がおすすめの人

医療保険とは別にがん保険に加入したほうがいいのは、がんに手厚く備えたい人です。医療保険の影響を受けずに、さまざまな保険会社のがん保険を比較して選ぶことができます。がん診断給付金の設定金額を大きくしたい、抗がん剤治療や通院などにも手厚く備えたい、上皮内新生物にも備えたいなど、希望にあわせてがん保険を選べます。

がん保険と医療保険のどちらか一方だけを見直したくなったときにも、それぞれが独立した契約なので見直しがしやすくなります。

医療保険のがん特約がおすすめの人

医療保険にがん特約をセットで加入したほうがいいのは、幅広い病気やケガに備えつつ、保険料を押さえながらがんにも備えたい人です。医療保険とがん保険に別々で加入するよりも保険料がお手頃になる可能性がありますが、がん特約を選ぶことで、付加できる保障の選択肢が減ったり、がん保障の上限額が制限される場合もあります。

  • ※ 保険会社や保険商品によって異なります。

がんによる入院日数は短期化傾向

厚生労働省によると、がんで入院した人の平均在院日数は、平成29年(2017年)で17.1日でした。平成8年(2006年)から入院日数の短期化が続いています。

図表2「がん患者の平均在院日数」(単位:日)

図表2「がん患者の平均在院日数」

図表3「がんの入院受療率と外来受療率の推移(人口10万対)」は、厚生労働省のデータより、がんの入院受療率と外来受療率を比較しています。平成20年(2012年)以降は入院患者数が減少し、外来患者数の方が上回っていることがわかります。

図表3「がんの入院受療率と外来受療率の推移(人口10万対)」

図表3「がんの入院受療率と外来受療率の推移(人口10万対)」

がんの治療には、手術、放射線治療、抗がん剤治療などがあり、これらをがんの種類や症状にあわせて選んだり、組み合わせたりしながら治療してきます。必ずしも入院による治療ばかりではなく、退院後も通院しながら治療を継続することも多くなっています。

がん治療において入院日数が短期化傾向にあること、通院治療が増えていることを考えると、入院日数に応じて支払われるがん入院給付金だけでは心もとないことがわかります。近頃のがん保険は、がんと診断されたときに「がん診断給付金」が支払われるものが多く、治療方法や入院日数の影響を受けない「がん診断給付金」は、幅広い治療に利用しやすいでしょう。

病気やケガによる入院や手術に幅広く備える「医療保険」と、がんに特化してまとまった給付金が受け取れる「がん特約」や「がん保険」を組み合わせると、バランスよく備えられます。医療保険にがん特約をセットするよりも、単体の医療保険とがん保険に加入したほうが、保障の充実度や保障の選択の自由度が高くなります。

「医療保険」と「がん保険」の組み合わせで備えましょう

がんによる入院日数は短期化傾向

がんへの備えとしては、医療保険にがん特約を付ける方法と、医療保険とがん保険を別々に加入する方法があります。別々に加入したほうが、がんへの手厚い保障を選びやすく、見直しもしやすくなります。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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