保険お役立ちコラム
入院保険を選ぶ際には、どんなポイントで選べばいいのでしょうか。入院時にかかる費用から保障の種類、入院給付金の請求方法まで、総合的に考えていきましょう

入院保険(医療保険)とは
入院に備える入院保険は、多くの場合、「医療保険」という名前で販売されています。入院保険には、入院日数に応じてもらえる「入院給付金」を中心として、手術を受けたらもらえる「手術給付金」などが付いています。ほかにも、必要に応じてさまざまな特約が付加できるようになっています。
入院保険の種類
入院保険は保険期間によって「終身型」と「定期型」があります。
終身型の入院保険である「終身医療保険」は、病気やケガでの入院や手術に一生涯備えられます。終身医療保険の支払い方法には、「終身払い」と「短期払い」がありますが、一生涯の保障を確保しつつも、月々の保険料負担を少しでも抑えたいという場合には、「終身払い」を選択するといいでしょう。一生分の保障を確保しながらも、保険料の支払いを短期で終えたい場合には、60歳払い済み、65歳払い済みのように、保険料を一定年齢までに支払い終える「短期払い」が向いています。短期払いでは、一生分の保険料の支払いを短期間で終えるため、ひと月当たりに支払う保険料は、終身払いよりも高くなります。
定期型の入院保険である「定期医療保険」は、10年や15年など期間を定めた入院保険で、保険期間が終わった後は自動更新をしていきます。
終身型の入院保険(終身医療保険)のメリット・デメリット
メリットは、一生涯の入院や手術の保障を備えられ、保険料が加入時から上がらないところです。若いうちに加入しておくことで、老後の入院保険をお手軽な保険料で確保できます。
デメリットは、加入時の保険料が、定期型の入院保険よりも高いところです。
定期型の入院保険(定期医療保険)のメリット・デメリット
メリットは、加入時の保険料が終身保険よりもお手軽なところです。若い人で、目先の保険料負担を少しでも軽くしつつ、必要な保障を確保したいという場合に利用しやすいでしょう。更新時期の健康状態に関わらず、同じ保障内容で更新できることもメリットと言えるでしょう。
デメリットは、更新のたびに保険料が上がっていくため、高齢になるほど保険料負担が増していくことです。また、一定年齢を超えると更新ができなくなる点にも注意が必要です。
入院保険の保障内容
入院保険(医療保険)では、多くの場合、入院給付金と手術給付金が主契約となっています。
(1)入院給付金
入院日数に応じて受け取れる給付金を「入院給付金」と言います。保険会社によって異なりますが1日あたり5,000円、1万円など様々あります。入院1日当たりの給付金額を高く設定するほど、保険料も高くなります。また、1入院あたりの支払限度日数にも注目をしましょう。最近は支払限度日数を60日まで、120日までとしている入院保険が多くなっていますが、なかには30日、180日、360日、365日、720日といった設定ができるものもあります。支払限度日数が長いと安心感がありますが、医療技術の進歩や、保険の診療報酬の改定などもあって、入院日数は短期化する傾向があります。
(2)手術給付金
病気やケガで所定の手術を受けた場合に受け取れる給付金を「手術給付金」と言います。対象になる手術であれば、手術の種類に関わらず一定額を受け取れる保険と、手術の種類によって入院給付金日額の5倍、10倍、20倍、40倍など段階的に受け取れる保険があります。
多くの入院保険(医療保険)では、複数の特約を用意して、加入者が選択できるようになっています。特約を付けた人が対象になる、主だった給付金をご紹介します。
(3)先進医療給付金
健康保険が利用できない特別な治療のうち、厚生労働大臣が先進医療として定めた治療を受ける時に、技術料相当額を受け取ることができます。
- ※ 先進医療の種類や医療機関は随時見直されます。最新の情報は厚生労働省のホームページをご覧ください。
厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan.html
(4)通院治療給付金
通院日数に応じて受け取れる給付金です。
(5)女性疾病入院給付金
女性特有の病気で入院した場合に、通常の入院給付金に上乗せして受け取れる給付金です。
(6)がん診断給付金
がんと診断された場合に受け取れる給付金です。
(7)保険料払込免除特約
3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)や、身体障害、要介護状態などにより、保険会社の定める所定の状態になったとき、以後の保険料の払い込みが免除される特約です。保険会社によって、免除となる要件が異なります。

入院保険の必要性とは?入院にかかる費用
公的医療保険の保障内容
入院保険を選ぶ際には、加入している公的医療保険制度の保障内容を理解しておきましょう。民間の入院保険は、公的医療保険の不足分を補うものと考えると、必要な保障を選びやすくなります。
(1)高額療養費制度
高額な医療費負担を軽減する制度です。1ヶ月(当月1日から末日まで)の医療費の自己負担額に所得に応じた上限額を設定し、その上限額を超えた金額を支払った場合には、公的健康保険から後日払い戻しが受けられます。70歳未満で標準的な所得の場合、「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」が自己負担の上限額となっています。なお、「限度額適用認定証」を事前に医療機関に提示していれば、超過分を立て替え払いしなくて済みます。
(2)傷病手当金
治療のために働けない期間の生活費を保障する目的で支払われます。病気やケガのために会社を休んでいる人に対して、休業4日目から通算1年6ヶ月までの間、給与日額の3分の2を受け取ることができます。ただし、フリーランスや個人事業主など国民健康保険の加入者には、傷病手当金の制度はありません。
- ※ 傷病手当金の支給には条件があります。詳しくは全国健康保険協会のホームページをご覧ください。
全国健康保険協会: https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/
(3)出産育児一時金
出産費用を補助する目的で、子ども一人につき42万円が支給されます。夫か妻、どちらかが加入する健康保険で手続きをするため、妻が専業主婦の場合でももらえます。「直接払い制度」を使えば、健康保険から医療機関に直接お金が振り込まれるため、42万円を超えた分を病院に支払えばいいことになります。
- ※ 直接支払制度を取り扱っていない分娩機関もあります。詳しくは利用する病院や機関にご確認ください。
(4)出産手当金
給与所得者として働く女性が、産前産後休暇(出産予定日の前6週間から、出産後8週間)を取得する場合に、その間の生活保障として、健康保険から日額の3分の2を受け取ることができます。
入院保障日額
生命保険文化センターの調査によると、「疾病入院給付金の支払われる生命保険に加入」している人が保険で備えている入院給付金日額の平均は、全体で9,800円でした。男女別に見ると、男性が10,900円、女性が9,100円となっています。
分布をみると、男性は10,000円から15,000円未満が最も多く35.6%を占めています。女性は5,000円から7,000円未満と回答した人が最も多く、35.4%となりました。
図表1「生命保険で備えている入院給付金額(男女別)」

- ※ 出典 生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
(図表Ⅱ-23)疾病入院給付金日額(全生保)性別
https://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html
受け取れる給付金と支払う入院費用
入院生活が始まると、どんなところにお金がかかるのでしょうか?
まずは医療費の自己負担ですが、公的医療保険には「高額療養費制度」や「傷病手当金」といった制度があるという話は既にしました。ただし、高額療養費の上限額までは自己負担となりますし、傷病手当金があっても給与の3分の1は減収になります。
続いて、公的医療保険が利用できない部分としては、入院中の食事代や差額ベッド代があります。これらは、入院日数が長くなるほど大きな負担となっていきます。また、先進医療のように、技術料が全額自己負担となる治療を選択したくなるケースもあるでしょう。
また、その他の費用として意外と侮れないのが、パジャマや下着などの着替えやスリッパなどの入院準備にかかる費用です。家族がお見舞いに来てくれる場合には、お見舞いのための交通費なども必要になります。

入院給付金の請求の手順と期限
入院給付金の請求の手順
(1)保険会社へ連絡
入院給付金を請求するためには、最初に生命保険会社に連絡をしましょう。いざというときに迅速に連絡ができるように、保険会社の担当営業所の連絡先や、コールセンターなどの連絡先を保険証券と一緒に整理しておくことをお勧めします。
生命保険会社に連絡をする際には、以下の情報を正確にメモしておくとスムーズにいきやすいでしょう。
- 証券番号
- 被保険者名
- 入院日と退院日(予定日)
- 病名
- 手術日と手術名
(2)診断書を準備して、請求書類と一緒に保険会社へ送付
生命保険会社に提出する書類の一つに、病院からの診断書があります。保険会社の定めた診断書に病院で記入してもらう場合と、病院所定の診断書をそのまま生命保険会社に提出できる場合があります。原本提出のみか、コピーでも提出できるのかは、保険会社ごとに異なります。入院日数や支払われる入院給付金の合計額によっては、診断書の添付が不要になる場合もあります。詳しくは保険会社に確認してみましょう。
(3)生命保険会社による判断を経て、給付金の受け取り
生命保険会社では、届いた書類を確認して、支払い対象かどうかを判断します。支払いの対象と判断された場合には、被保険者もしくは請求人が指定した金融機関口座に、後日給付金が振り込まれます。
入院給付金の請求から受け取りまでの期間
入院費用を負担して給付金を請求する段階になると、入院給付金がいつ支払われるかが気になることでしょう。請求から振込まで2日から3日という保険会社もあれば、書類確認から振込までに時間を要する保険会社もあります。加入前にはなかなか気が付きにくいところですが、請求から給付金受取までのスピード感にも注目しておきましょう。
給付金の請求期間
給付金の請求期限が約款で定められていることがあります。例えば、請求期限が3年の場合、給付金の請求を忘れていたという場合にも、退院から3年以内であれば請求できます。また、請求期限を設けていない保険会社もありますので、詳しくは各保険会社に確認してみましょう。
知っておきたいポイント
(1)指定代理請求制度
入院保険の場合、被保険者と受取人が同一の人であることが多く、入院給付金や手術給付金の請求についても、被保険者でもある受取人が自分で行うのが一般的です。ただし、病気やケガの状態によっては本人が意思表示をできない場合や、傷病名や余命の告知を本人が受けていない場合には、本人が請求することはできないでしょう。
指定代 理請求人は、本人に代わって保険金や給付金の請求を行える代理人です。あらかじめ保険会社に対して、指定代理請求人を定めておけば、本人が請求できない状況になった時も請求手続きがスムーズにいくでしょう。
- ※ 参考 生命保険文化センター「医療保障に関するQ&A」
https://www.jili.or.jp/knows_learns/q_a/medical_security/medical_security_q12.html
入院保険(医療保険)は、給付金の受け取りやすさにも注目して選びましょう
入院保険に入ったら、給付金が必要になった時にスムーズに請求できるように、保険証券や保険会社の連絡先を管理しましょう。給付金の請求がしやすく、支払いまでの日数が短いと、入院費用がかかった時にすぐに役に立ちます。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事で書かれている保険の内容には、アクサダイレクト生命では取り扱いのない商品や手続きがございます。
- ※ 当社保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。

ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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