保険お役立ちコラム

医療保険制度とは?医療保険制度の種類や違いをわかりやすく解説

公開日:2020/07/03

※本記事についてのご注意

国民皆保険制度がある日本ですが、勤務先や年齢によって、所属する医療保険制度は異なります。自分の所属する医療保険制度には、いつ、どんな給付が受けられるのかを理解しておきましょう。

日本の医療保険制度は、1961年に国民皆保険となりました。それ以前は、医療を受けられずに亡くなる人も大勢いましたが、国民皆保険が整い、いつでも、誰もが、必要な医療サービスを、少ない費用負担で受けられるようになったこともあり、日本は世界有数の長寿国となっています。

日本の医療保険制度の3つの特徴

(1)国民皆保険

日本では、国民全員が公的医療保険に加入して、一人一人が保険料を出し合って助けあう「国民皆保険」の仕組みが整っています。そのため、誰もが安心して医療を受けられます。日本では長年当たり前に利用している公的医療保険ですが、アメリカでは現在も公的医療保険が利用できない無保険の人が大勢います。

(2)フリーアクセス

患者が医療機関を自由に選ぶことができます。日本では、保険証1枚で、どこの医療機関でも医師の診察を受けられますが、イギリスのように、登録した医療機関を最初に受診しなければいけない国もあります。

(3)現物給付

窓口で一部負担金を支払うだけで、医師の診察や、注射や手術、薬の投与などを受けることができます。

医療保険制度は、大きく3つにわけることができます。現役世代で働いている人とその扶養家族は、勤務先で職域保険に加入します。職域保険に該当しない自営業者やフリーランス、退職者等は、地域保険の「国民健康保険」に加入します。また、75歳以上になるとすべての人が「後期高齢者医療制度」に加入します。

図表1「医療保険制度の種類」
75歳以上 後期高齢者医療制度(原則75歳以上で加入)
退職後 国民健康保険
就労期
(勤務先で加入)
健康保険組合
(主に大企業の従業員、その家族)
協会けんぽ
(主に中小企業を中心とした従業員とその家族)
共済組合
(公務員・教職員等とその家族)
国民健康保険
(自営業・無職等とその家族)
就学期・幼児期
(親の属する保険に加入)

職域保険(健康保険組合・協会けんぽ・共済組合)

勤務先(職域)で加入する医療保険制度で、大きく3つの種類があります。

  • ・健康保険組合:おもに大企業の従業員とその扶養家族が加入します。
  • ・協会けんぽ:全国健康保険協会。独自の健康保険組合を持たない企業の従業員やその扶養家族が加入します。
  • ・共済組合:公務員や教職員とその扶養家族が加入します。

保険料は、その人の給与水準によって決まり、本人と勤務先の労使折半で納めます。

地域保険(国民健康保険)

被用者保険に加入していない人が、住まいのある地域で加入する医療保険です。自営業者、農家、フリーランス、無職の人と、その扶養家族などが加入します。また、退職して勤務先の職域保険を離れた人の多くは、75歳で後期高齢者医療制度に移行するまでの間、国民健康保険に加入します。

保険料は、世帯ごとに収入や資産、世帯人数等に応じて計算し、保険料を市区町村に納めます。保険料は住んでいる地域によって異なります。

後期高齢者医療制度

75歳以上になった人が、それまでの働き方等に関わらず加入します。

  • ※ 65歳以上で一定の障害がある方も、申請をして認められると後期高齢者医療制度へ加入することができます。

医療保険制度には、さまざまな場面で利用できる給付制度があります。公的な医療保険でどこまで保障されるかを知ることは、民間の医療保険を検討する際にとても参考になります。

治療費の負担軽減(療養の給付)

医療機関に健康保険証を提示すれば、一部負担金を支払うだけで必要な医療が受けられます。
負担割合は、年齢と所得によって以下のように分けられます。在宅療養時に訪問看護を受けた場合の「訪問看護療養費」の自己負担割合も同様です。

図表2「窓口負担割合」
未就学児 小学生以上70歳未満 70歳以上75歳未満 75歳以上
負担割合 2割 3割 現役並み所得 一般 現役並み所得 一定以上の所得 一般
3割 2割 3割 2割 1割

入院時食事療養費(入院時生活療養費)

入院中は、1食あたり460円の自己負担金で食事が支給されます。
(療養病床に入院する65歳以上の人は、1日370円+1食あたり460円)

高額療養費制度

1ヶ月(1日から月末)にかかった医療費が自己負担限度額を超えた場合には、申請することで後日超過分が払い戻されます。高額になることが分かっている場合には、「限度額適用認定証」を事前に医療機関に提示しておくと、超過分を立て替え払いする必要がありません。

図表3「70歳未満の高額療養費自己負担限度額」
適用区分 1ヶ月の自己負担上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~ 252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円~1,160万円 167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円~770万円 80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円 57,600円
住民税非課税者 35,400円
図表4「70歳以上の高額療養費自己負担限度額」
適用区分 1ヶ月の自己負担上限額(世帯ごと)
外来(個人ごと) 外来・入院(世帯)
現役並みⅢ 252,600円+(医療費-842,000)×1%
※多数該当 140,100円
現役並みⅡ 167,400円+(医療費-558,000)×1%
※多数該当 93,000円
現役並みI 80,100円+(医療費-267,000)×1%
※多数該当 44,400円
一般所得者 18,000円
※年間上限144,000円
57,600円
※多数該当44,400円
低所得者Ⅱ 8,000円 24,600円
低所得者Ⅰ 15,000円
  • ※ 同じ世帯で同じ月に21,000 円以上の自己負担が複数あった場合や、1人で同じ月に2つ以上の医療機関でそれぞれ21,000円以上の自己負担があった場合には、「世帯合算」とする。
  • ※ 同じ世帯で1年間に3回以上高額療養費を受けた場合は、4回目からは「多数該当」として負担が軽減される

現金給付

(1)出産育児一時金

子どもを一人出産すると、出産した本人もしくは配偶者の属する医療保険から、原則50万円が支給されます。

(2)埋葬料

被保険者やその家族が亡くなると、埋葬を行った家族等に5万円が支給されます。(国民健康保険や後期高齢者医療制度では1万円~5万円程度)

(3)傷病手当金

病気やケガの療養で働けない期間の生活保障を目的として、休業4日目から通算1年6ヶ月までの間、標準報酬日額の3分2が支給されます。国民健康保険や後期高齢者医療制度では支給されません。

(4)出産手当金

出産で働けない期間の生活保障を目的として、産休中(出産前から出産後56日まで)の間、標準報酬日額の3分の2が支給されます。国民健康保険や後期高齢者医療制度では支給されません。

公的な医療保険制度によって、私たちは様々な場面で守られています。自分が加入する医療保険制度にはどんな保障があるかを知ることが、民間の医療保険選ぶ際にもとても役立ちます。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

アクサのネット完結保険に変えて

年平均65,394円削減!

まずはお見積り

※2019年1月1日~2022年1月31日にお申込みをいただいた方のうち、メール配信を許諾いただいている方へアンケートを実施した結果。
(実施日:2022年3月15日~2022年3月21日、配信数:13,986件、全回答数:1,821件:他社からの乗り換え加入者604件のうち、当該項目における有効回答者数520件)

関連コラム
人気コラム

アクサのネット完結保険に変えて

年平均65,394円削減!

まずはお見積り

保険料
シミュレーション

※2019年1月1日~2022年1月31日にお申込みをいただいた方のうち、メール配信を許諾いただいている方へアンケートを実施した結果。
(実施日:2022年3月15日~2022年3月21日、配信数:13,986件、全回答数:1,821件:他社からの乗り換え加入者604件のうち、当該項目における有効回答者数520件)

気になる保険商品をチェック

保険商品一覧