保険お役立ちコラム

女性は医療保険が必要か?判断基準と医療保険の加入タイミング

更新日:2023/02/21

※本記事についてのご注意

子宮筋腫や乳がん、帝王切開など女性特有の疾病による入院や手術のリスクを知っていると、女性向けの医療保険への加入について検討しやすくなります。女性が医療保険に加入すべきタイミングや選び方のポイントについて解説します。

女性のための医療保険の選び方とは?女性保険の特徴や種類、加入タイミングも解説

医療保険とは、病気やケガによる入院や手術等の出費に備える保険です。多くの医療保険では、入院すると入院日数に応じた「入院給付金」が支払われ、手術を受けると「手術給付金」が支払われます。また、必要に応じて特約を付加し、保障を手厚くできるようになっています。

女性の医療保険の特徴

では、女性にとっての「医療保険」とは、どのような特徴があるのでしょうか。女性向けの医療保険は、一般的な医療保険に女性特有の疾病(子宮がん、乳がん等)や分娩時におけるリスク(緊急帝王切開等)等への保障を付加した保険です。女性特有の事態に備えられる保険であり、その保障も手厚いことから「女性保険」ともいわれています。

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女性の場合には女性特有の病気やリスクがあるので、20代のうちから医療保険を備えておいたほうがよいでしょう。

女性が医療保険に加入する必要性とは

女性特有の病気やリスク

20代から40代にかけては妊娠・出産する方が多くなる年齢であり、この期間は入院や手術のリスクが高まります。

また、この年代は、女性特有の病気のリスクが高まる点にも注意が必要です。例えば、国立がん研究センターがん情報サービスの「がん統計」によれば、人口の高齢化によりがんの罹患者数は年々増加しています。乳がんの罹患者数は全部位の中でも一番の増加率となっており、ここ約40年で6.7倍にも増えているのです。乳がんは、30~40代で罹患率が急増し、40~60代後半までほぼ横ばいに推移します。この統計を見る限り、乳がんに対する経済的な備えも検討する必要があるといえます。医療保険でも乳がんなど女性特有の病気をカバーできますが、がん治療に即した手厚い保障を受けるなら30代の頃からがん保険に加入しておいたほうがよいでしょう。

また、乳がんの生存率は全てのがんの中でも高めとなっていますから、乳がんに罹患した場合でも、早期発見を心掛けて早めに治療することで、生存する確率は高くなると考えられます。医療保険に加入していれば、医療費に慌てることなく治療に専念できるでしょう。

年齢とともに健康状態も変化する

女性に限られることではありませんが、一般的に年齢が上がるにつれて病気やケガのリスクは高まります。年齢とともに健康状態は変化していきますので、できるだけ若くて健康なうちに医療保険へ加入して備えておくことが大切です。

次に「女性のため医療保険の選び方」について、医療保険を選ぶ手順を解説します。

女性の医療保険を選ぶ手順

女性が医療保険への加入を検討する際は、以下の3つの手順で進めていきましょう。

①医療保険に加入する目的を定める

保険は毎月の保険料支払いが発生します。「医療保険でどのようなリスクに備えたいのか」という加入目的を明確にしましょう。

一般の医療保険は、幅広い病気やケガによる入院や手術に備えられます。医療保険は、入院給付金と手術給付金を主契約として、そこに複数の保障を特約として付加できる場合があります。
妊娠中や出産時のトラブルや、乳がんや子宮頸がんなどの女性特有の病気に手厚く備えたければ「女性疾病特約」を付けましょう。幅広いがんに備えたい場合、医療保険にがん特約を付けるか、別途がん保険に加入します。

「女性疾病特約」は、女性特有の病気で入院をした場合に入院給付金が上乗せされる特約です。ほかにも3大疾病特約、がん特約などがあります。

医療保険の主契約となる「入院給付金」「手術給付金」などの医療保障に付加できる特約には、以下のような種類があります。各保険会社で特約は異なりますので、検討している医療保険に希望する特約があるかどうか確認しましょう。

図表1「医療保険に付加できる特約の種類(例)」
特約の種類 保障内容
3大疾病特約 がん・心筋梗塞・脳卒中のいずれかで療養した際に3大疾病入院給付金等が受け取れる
がん特約 がんと診断されたときに受け取れるがん診断給付金や、がんで入院したときに入院日数に応じたがん入院給付金が受け取れる。保障の内容は保険会社や保険契約ごとに異なる
女性疾病特約 女性特有の病気や手術(乳がん・子宮がん、帝王切開手術や子宮筋腫など)で療養をしたときに、通常の入院給付金や手術給付金に上乗せして給付金が支払われる

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②自分の置かれているライフステージを確認する

今、自分が人生でどのような状況に置かれているのか、ライフステージを確認します。

将来的に結婚や妊娠・出産を想定している場合には、妊娠する前に医療保険へ加入しておきましょう。仕事が多忙でストレスを抱えがちなときも、病気への備えは必要です。また、家計の収支状態が変化することも想定して、無理なく支払い続けられる保険料を設定するのも大切です。

③毎月の予算を決める

女性向けの医療保険の必要性は理解しているけれど、毎月の保険料の支払いを負担に感じるという方もいるでしょう。

毎月の負担が気になる方や経済的に余裕がない方は、終身型の医療保険ではなく、保険料がお手頃な定期型の医療保険に加入しておき、余裕ができたら一生涯保障が続く終身型の医療保険に加入し直すという方法もあります。

また、終身型の医療保険でも短期払いではなく、終身払いにすることで月々の保険料を抑えることもできます。毎月の家計に無理のない保険料で、必要な保障を備えていきましょう。

女性はライフステージによって必要となる保障が異なります。ここからは年代別の医療保険の選び方を解説します。

20代女性の医療保険の選び方

20代の女性で疾病入院給付金が支払われる生命保険に加入しているのは、全体の51.3%となっています。

女性にとって20代は、仕事に加えて結婚・妊娠・出産などのライフイベントが重なりやすい時期でもあります。妊娠中には切迫流産や妊娠高血圧症候群等による思わぬ入院が必要になりやすく、出産時にも緊急帝王切開などの異常分娩のリスクがあります。また、20代で罹患率が高いがん種として「子宮頸がん」が第5位に入っていることから、女性特有の疾病に備えておくことをおすすめします。

30代女性の医療保険の選び方

30代の女性では74.2%の方が、疾病入院給付金が支払われる生命保険に加入しています。20代と比べると、医療保障に対する意識が高まっていることがわかります。

30代は20代と同じく、仕事に結婚、妊娠・出産などのイベントが重なり、ライフスタイルが大きく変化する時期です。仕事と家事・育児の両立でとても忙しく、自分の心身のケアが後回しになっている方も多いでしょう。30代で罹患率が高いがん種は「乳がん」が第1位に、「子宮頸がん」は第2位になっています。また「子宮筋腫」に罹患する人も増え始める年代でもあります。

30代でも妊娠や分娩時のリスクに加え、女性特有の疾病に備えておきましょう。

40代女性の医療保険の選び方

40代の女性で、疾病入院給付金が支払われる生命保険に加入している方の割合は81.9%です。最近では晩婚化で出産の高齢化が進み、40代で高齢出産をする方も増えています。また、40代に入って体の不調を感じ始めたという人、忙しくて自分の心身のケアまで意識が届かない方も多いかもしれません。

40代女性が入院する理由として挙げられる疾患は、「統合失調症・うつ病等」「がん」「神経系の疾患」の3つが多くなっています。女性特有の疾患である「乳がん」「子宮頸がん」「子宮筋腫」などに備えるため、幅広い病気やケガによる入院や手術に備える医療保険に加えて、女性特有の病気に備える女性疾病特約も付けておきましょう。幅広い病気やケガによる入院や手術に備える医療保険に加えて、女性特有の病気に備える女性疾病特約も付けておきましょう。

50代女性の医療保険の選び方

50代女性では80.4%の方が疾病入院給付金がある生命保険に加入しています。50代は子どもが進学したり、すでに子どもが独立したりなど、子育て中心の生活から少しずつライフスタイルが変化する時期でもあります。一方で、親の介護が始まった方もいるでしょう。そのような状況の中、更年期障害による体調不良に悩まされる方も少なくありません。

50代女性の入院理由で多い疾患は「統合失調症・うつ病等」「がん」「神経系の疾患」となっています。がんに関しては「子宮体がん」に罹患する方が50代でピークとなります。このような病気のリスクは年齢とともにさらに上がりますので、早めに入院保障やがん保障のある医療保険へ加入しておきましょう。

60代女性の医療保険の選び方

60代女性では78.8%の方が疾病入院給付金がある生命保険に加入しています。50代とほぼ変わらず、医療保障への意識の高さが伺えます。60代になると子育てがひと段落した方も多く、自分の心身のケアにしっかりと目を向けやすくなる時期だといえます。

60代女性が入院する理由として挙げられる疾患は、「統合失調症・うつ病等」「がん」「循環器系の疾患(高血圧疾患・心疾患・脳血管疾患等)」が多いです。病気だけではなくケガにも注意したい年代でしょう。少しでも早く、入院保障やがん保障のある医療保険へ加入しておくことをおすすめします。

「各年代の医療保険の加入率」については、生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査(令和元年12月発行)」を参照しています。

  • ※ 参照 生命保険文化センター
    令和元年度「生活保障に関する調査(令和元年12月発行)」
    第Ⅱ章 医療保障「疾病入院給付金の有無(全生保)」
    https://www.jili.or.jp/research/chousa/1321.html

各パートで挙げた40~60代に多い入院理由は厚生労働省の令和2年度「患者調査」を参照しています。

女性が医療保険に加入する大きなタイミングは5つあります。

大きな病気やケガをする前

保険の加入時には、健康状態などの告知が必要です。そのため、既往歴や健康上の不安がある方は、保険に入りたくても入れなかったり、加入できたとしても特定部位不担保などの条件付きでの加入になったりすることがあります。このような理由から、大きな病気やケガをしていない健康なときに医療保険へ加入を検討しておくのがよりよいといえます。

医療保険へ加入する際は、年代別に想定できる病気やケガをしたときに必要となる治療費や入院費などをまかなえるような保険に加入するようにしましょう。

就職のタイミング

就職したら、まずは医療保険への加入を検討しましょう。まだあまり貯蓄がないうちに病気やケガ等をすると、医療費負担は経済的に大きなダメージとなりやすいからです。また、一般的に保険料は加入時の年齢が上がるほど増加していくため、1歳でも若いうちに加入しておくことで1ヶ月あたりの保険料を抑えることができるでしょう。

婚約・結婚

独身の時に医療保険に加入していなかった場合でも、結婚を機に医療保険に加入する方も多くなっています。医療保険は既婚、未婚にかかわらずケガや病気で入院した場合の入院費や手術費はもちろん、働けなくなったときのこと考えると必要なものです。医療保険に未加入だった方は暮らしが変わる結婚のタイミングをきっかけに備えておきましょう。

結婚前に医療保険に加入していた方は、結婚後もそのまま同じ医療保険を継続して構いません。結婚によって名字が変わった場合には名義変更の手続きを、住所が変わった場合には住所変更の手続きをしておきましょう。

妊娠・出産前

妊娠期間中や出産のタイミングでは、妊娠高血圧症候群や帝王切開など、入院や手術のリスクが高まります。そのため、妊娠が判明してから医療保険に申し込んでも加入できないか、加入できたとしてもその妊娠に関しては保障の対象外となる可能性があることを知っておきましょう。安心して妊娠・出産を迎えるためにも、妊娠の予定がある場合には医療保険を備えておくことをおすすめします。

老後への備え

男性よりも長寿傾向にある女性には、長い老後が待っています。医療費負担が老後資金を圧迫しないためにも、入院や手術に備えられる医療保険を若いうちから備えておきましょう。

定期型の医療保険や共済等に加入している方は、加入中の保険や共済の保障が何歳まで継続できるのか確認しておきましょう。高齢期の保障が手薄な場合には、早めに終身型の医療保険に切り替えておくことをおすすめします。

妊娠や病気が判明してからでは医療保険に入りにくくなる可能性があります。年齢が上がるとともに病気やケガへのリスクも上がりますので、まずは就職したら自分に必要な医療保険を早めに備えておくとよいでしょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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