保険お役立ちコラム
医療保険にできるだけ早く加入したいと思ったときは、どうしたらいいのでしょうか。早く入りやすい保険の選び方や、加入手続きを順調に進めるために知っておきたい注意点、保障開始日などについて解説します。

目次
医療保険に早く加入するための条件
「誕生日が来て保険料が上がる前に医療保険に加入しておきたい」など、さまざまな理由で医療保険への加入を急いでいる人もいると思います。医療保険に早く加入するにはどのような条件があるのでしょうか。
ネットで申込できる保険を選ぶ
保険会社によって加入手続きにかかる時間が異なります。パソコンやスマホから手続きが完了できるネットの生命保険会社であれば、書類を郵送するやり取りが不要なため、手続き完了までの時間を短縮できます。
申込み・告知・初回保険料支払いを同日に行う
医療保険の契約成立には、「契約申込み」「告知・診査」「第1回保険料充当金の払込み」の3つが完了することが条件となっています。この3つを同日に行うことで契約成立が早まります。最近では保険料支払いがクレジットカード対応になっているので、その場で決済まで行えるクレジットカード払いが有効です。
医療保険の契約の流れ
ネットで申し込める生命保険会社の場合、医療保険の申込み手続きはパソコンやスマホで行います。加入する保険が決まっている場合、保険料の試算から、個人情報の入力、契約内容の確認、健康状態等の告知、支払い方法の選択まで含めて、所要時間は20分から35分程度です。
加入に必要な書類
健康状態を告知しやすいように、あらかじめ過去2年以内の健康診断結果やお薬手帳を手元に用意しておきます。また、保険料の支払いに使うクレジットカードか、銀行等の口座番号を用意しておきましょう。なお、クレジットカード払いを選択すると、クレジットカードのポイントを貯められるのでおすすめです。
- 関連記事:「保険契約の申込みから契約成立、契約後の確認点を紹介」
責任開始日と契約日の違い
保険の契約にあたって、「責任開始日」と「契約日」を覚えておくとよいでしょう。「責任開始日」は、保険契約上の保障が始まる日のことで、「契約申込み」「告知・診査」「第1回保険料の払込み」をした日のいずれか遅いほうになります。
「契約日」は保険会社によって、考え方が大きく2つに分かれます。
- ① 責任開始日を契約日とする保険会社
こちらの場合、誕生日前に保険契約を成立できれば、保険料が上がる前の金額で加入できます。 - ② 責任開始日の翌月1日を契約日とする保険会社
アクサのネット完結保険はこちらのタイプで、申込日が属する月の翌月1日を契約日としています。例えば、3月10日に申込みと告知を終えて、保険会社が申込みを承諾した場合、4月1日が契約日となり、保険料の支払いも4月分からになります。
医療保険で早く加入ができない3つのケース
申込み手続きがネットで完結する生命保険会社の場合でも、加入までに時間がかかる場合があります。ここでは3つのケースについて解説します。
既往歴や健康状態に問題がある
医療保険の告知には、医師の診査、検査、治療、投薬などがあります。現在治療中の病気や服用中の薬がある場合にはその詳細を記述します。このほか、手術や入院歴、健康診断結果なども指摘事項があれば正確に伝えます。
告知事項がある人は、健康診断書を保険会社に提出する場合や、診査をする場合があります。何も告知事項がない人に比べると時間がかかりますが、保険の加入者には告知義務があります。質問事項には必ず正確に回答しましょう。
入院・手術の予定がある
加入時の告知項目には、入院や手術の予定についての質問があります。予定がある場合にはここも正確に記入しましょう。告知内容によっては「謝絶(しゃぜつ)」といって加入を断られることや、治療にかかわる特定部位を保障の対象外とする「部位不担保」や「保険金の削減」「保険料の割増」などの特別条件付きでの契約となる場合もあります。
保険料の支払いを口座振替にしている
「契約申込み」「告知・診査」「第1回保険料充当金の払込み」の3つが完了することを保険契約の条件としている保険会社の場合、口座振替を選ぶと、初回保険料の振替日まで契約成立を待つ必要があります。そのぶん、クレジットカード払いと比較すると契約成立が遅くなると考えられます。
なお、アクサのネット完結保険のように、申込みと告知があった後、保険会社が承諾すれば契約が成立する保険会社もあります。契約が成立した場合、申込みと告知のいずれか遅い時点が責任開始日となります。ただし、第1回保険料の払込みが猶予期間満了までになかった場合には、契約が無効になります。
医療保険に早く加入する際の注意点
ネット保険は手続きがスムーズにできますが、重要な契約事項や申告内容について読み飛ばしてしまわないように注意が必要です。
契約内容をしっかり確認する
せっかく保険に加入しても、保障内容について勘違いしていたり、保障に過不足があったりしては、あとから困ってしまうでしょう。どんなときにいくらの保険金・給付金が支払われるのか、それに対する保険料の支払いはいくらなのか、申込みをする前に必ず確認しましょう。
告知漏れがないか確認する
契約を急ぐあまり、不正確に健康告知を済ませると、後日、「告知義務違反」となりかねません。健康診断の結果やお薬手帳などを手元に用意して、自身の健康状態を確認しながら丁寧に入力を行います。わからない箇所があった場合や、告知に迷った場合には、コールセンターに相談しましょう。
保障開始日や空白期間を確認する
すでに医療保険に加入している人が、新しい医療保険に加入し直す場合には、新しい契約が成立して保障が開始されたのを確認してから、旧契約を解約しましょう。新しい契約の成立前に旧契約を解約すると、保障の空白期間が生まれてしまいます。場合によっては、新しい保険の契約が成立しないリスクもあるので注意が必要です。
書類の記入内容を間違えない
書き慣れない書類の記入には緊張感が伴います。うっかり書類の記入を間違えて、訂正しないまま出してしまうと契約できなくなる可能性があります。ネットに入力する場合も同様です。入力したあとにもう一度じっくりと読み直して、間違いがないことを確認してから送信ボタンをクリックしましょう。
医療保険に加入してもすぐに保障を受けられないケース
がん特約や3大疾病特約には免責期間がありますが、主契約である医療保険には免責期間はありません。医療保険の入院給付金や手術給付金は、医療保険の責任開始日から保障されます。主契約と特約の責任開始日の違いに気をつけましょう。
がん特約を付加している
医療保険にがん特約を付けた場合、がんの特約部分には90日(3ヶ月)の免責期間が適用されます。がん以外の手術や入院については免責期間がありませんが、がんについては契約成立後も90日間(3ヶ月)、保障の対象外となるので注意しましょう。
3大疾病特約を付加している
医療保険に3大疾病特約を付加している場合、がんについては90日(3ヶ月の免責期間が適用されます。がん以外の入院や手術および3大疾病のうち、がんを除く急性心筋梗塞(心疾患)や脳卒中については、免責期間がありません。
医療保険のプランニングはしっかりと
医療保険への加入を急ぐ場合、ネットの生命保険会社で加入する、クレジットカード払いにするなど、いくつかのポイントがあります。ただし、それ以上に重要なのは、自分に合った保険を選び、告知や記入を正しく行うことです。急いでいるときほど焦らず、ミスしないように記入を進めましょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事で書かれている保険の内容には、アクサのネット完結保険では取り扱いのない商品や手続きがございます。
- ※ アクサのネット完結保険の保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 個別の税務等の詳細については税務署や税理士等、専門家にご確認ください。

ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。