保険お役立ちコラム

生活習慣病とは?種類や原因、予防方法について詳しく解説

公開日:2024/01/17

※本記事についてのご注意

3大生活習慣病、7大生活習慣病、8大生活習慣病に当てはまる病気の種類やその特徴について解説します。長期にわたる生活習慣をどのように見直せば今よりも健康的な暮らしができるのか、そのポイントについてもご説明します。

生活習慣病は、食生活や運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が積み重なって、その後の発症や進行につながる疾病の総称です。年齢が高くなってから不調を訴えて受診する方が多かったため、かつては「成人病」と呼ばれていましたが、年齢にかかわらず不健康な生活習慣が病気の原因となることから、生活習慣病と呼ばれるようになりました。

日本人の死因の上位を占める悪性新生物(がん)や、心筋こうそく(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)なども生活習慣病に該当します。

生活習慣病の種類はいくつかあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

悪性新生物(がん)

がんは遺伝子が傷つくことによってできる病気です。正常な細胞が分裂するときに、何らかの原因で遺伝子が傷つくことがあります。傷ついた細胞が、自己増殖を続けて無秩序に増え続けて固まりを作ると腫瘍になります。

腫瘍でも良性のものは良性腫瘍ですが、悪性のものを悪性腫瘍といいます。悪性腫瘍は、細胞壁を超えて他の細胞にまでしみこむように広がり(浸潤)、身体のあちこちに飛び移り(転移)します。

一方、良性腫瘍は、浸潤や転移をすることがないため、悪性腫瘍(がん)とは区別されます。

心筋こうそく(心疾患)

心筋こうそくは、心臓の冠動脈が詰まって血栓ができ、酸素や栄養が届かなくなった心筋細胞が壊死することで起きる病気です。胸に激痛が走り、多くの場合20分から数時間続くこともあります。痛みは胸だけではなく、胃のあたりや肩、腕などにも起きることがあります。また、呼吸困難や意識障害などを伴うこともあるようです。心臓の血管が一瞬で詰まると、突然死することもあります。

脳卒中(脳血管疾患)

脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりして脳細胞に血液が行き渡らなくなり、脳の血管に障害をおこす病気です。脳の障害を起こした場所によって、言語機能や運動機能などに重度の障害を起こしやすいのですが、より早期に治療を開始することで後遺症が軽くなることがあります。

脳卒中は、原因によって以下の4つに分類されます。
・脳こうそく(脳の血管が詰まる)
・脳出血(血管が破れる)
・くも膜下出血(動脈瘤が破れる)
・一過性脳虚血発作(TIA)(脳こうそくの症状が短時間で消失する)

高血圧性疾患

高血圧とは、診察室で繰り返し測定した場合の最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の状態を言います。ただし、繰り返しではなく一時的な数値であれば、高血圧とはいいません。

高血圧状態が長く続くと、張り詰めた血管は次第に弾力を失って硬くなります。この状態を動脈硬化といいます。動脈硬化は、脳血管疾患や心筋こうそくの原因ともなります。

糖尿病

糖尿病は、インスリンの不足や働きの悪化によって、血液中に含まれるブドウ糖(血糖)が増え、高血糖状態が慢性的に続く病気です。

インスリンは、血漿のブドウ糖を筋肉や脂肪に取り込む働きをするホルモンです。健康な方の場合、このインスリンの働きによって食後も血糖値が正常の範囲内に保たれていますが、糖尿病になるとインスリンの働きが低下して高血糖状態が続き、摂取したエネルギーを正常に代謝できなくなります。

糖尿病自体はこれといった自覚症状がない病気ですが、合併症を引き起こすなど、他の病気のリスクを高める要因となるので注意が必要です。

肝疾患

肝臓は、栄養素の加工や貯蔵、アルコールや薬物などの分解や解毒、胆汁の合成など多くの働きをしています。中性脂肪が肝臓に多く蓄積した脂肪肝の状態が進行すると、肝細胞が炎症を起こして肝炎となります。肝炎が進行すると、次第に肝細胞が死んで硬くなる肝硬変となり、さらに病気が進行すると肝臓がんとなります。

膵疾患

膵臓(すいぞう)は、膵液という消化液を十二指腸に分泌して消化を助けるとともに、血糖を下げるインスリンというホルモンを分泌して血糖値を一定に保っています。膵臓の病気には、急性膵炎や慢性膵炎、膵のう胞、膵臓がんなどがあります。

膵臓は十二指腸などの臓器に囲まれた奥深い位置にあって検査がしにくく、膵臓の病気自体にも特徴的な目立つ症状がないことから、早期発見が難しい傾向にあります。

腎疾患

腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出するフィルターの役割をしています。腎臓病が進行して、腎臓の働きが正常値の50%を下回った状態を腎不全といいます。急激に腎臓の機能が低下する急性腎不全と、長い時間をかけて腎臓の機能が低下する慢性腎不全があります。

生活習慣病は種類に分けて、3大疾病・7大疾病・8大疾病とも言われています。

3大疾病とは、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患を指します。この3大疾病が日本人の死因の48.7%を占めています。多くの人が3大疾病で亡くなっていることになります。

7大疾病とは、3大疾病に加えて、糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性腎不全を合わせたものです。また、7大疾病は、7大生活習慣病ということもあります。

8大疾病とは、7大疾病に慢性膵炎を合わせたものです。8大生活習慣病ということもあります。

これらの生活習慣病は、患者数も多く、入院日数も長期化しやすい傾向にあります。治療中は収入が減少する可能性もあります。これらの病気は、医療保険に加入していれば保険金・給付金を受け取れますが、より手厚く備えたいという場合には、がん保険や3大疾病保険等へ加入することも検討しましょう。

生活習慣病を引き起こす気をつけたい生活習慣には、どのようなものがあるのでしょうか。

塩分や糖分の摂りすぎ

塩分の取りすぎは、高血圧の原因となり、心疾患や脳血管疾患といった循環器疾患のリスクが高まるほか、胃がんのリスクが上昇します。

1日の塩分摂取量の目安は、成人男性で7.5g、成人女性で6.5gですが、しょうゆやみそなど日本の伝統的な調味料には塩が多く含まれているので、塩分を多く摂取しがちな傾向にあります。

糖分の摂りすぎは、肥満の原因となるほか糖尿病のリスクを高めます。砂糖が多く入った飲料を習慣的に飲む方などは気をつけましょう。

偏った食事

外食や間食が多いと、栄養バランスが偏りやすくなります。過度なエネルギー摂取、ビタミン・ミネラル・食物繊維の不足、塩分・糖質・脂質の摂りすぎには気をつけましょう。

外食が続くときにも、ラーメンや丼ものよりは主食、主菜、副菜が揃った定食を選ぶと、栄養バランスをとりやすくなります。

体を動かすことが少ない・運動をしない

運動をしない方は、消費エネルギーが少ないことから肥満になりやすく、筋力や筋肉量が低下します。その結果、さらに運動不足になるという悪循環に陥りやすくなります。

飲酒や喫煙

アルコールの耐性は方によっても異なりますが、お酒が好きな方、大量に飲める方でも飲みすぎは禁物です。長期にわたる大量の飲酒は、アルコール依存症になりやすく、健康を害すばかりか、社会への適応力も低下します。

また、過度な飲酒は、肝疾患、脳卒中、がんなど多くの疾患とも関連します。大量にアルコールを摂取すると、認知症のリスクが高まるといわれています。

一方、喫煙は肺がんを含むさまざまながん、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病などのリスクを高めます。

ストレスや睡眠不足

外的要因とそれに対する私たちの反応を合わせてストレスといいます。私たちの心身がストレスにうまく適応できなかった場合には、消化性潰瘍や高血圧、気管支ぜんそく、不安や抑うつ、錯乱状態など、さまざまな反応や障害をもたらします。

睡眠不足や睡眠障害は、私たちの食行動にも影響を与え肥満の原因となります。その結果、糖尿病や、心筋こうそくや狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病のリスクが高まります。

健康的な生活習慣を身につけることは、生活習慣病の予防につながります。

食生活を見直す

バランスのいい食事を心がけましょう。多種類の栄養素を食事から摂り入れるためには、各食事で「主食」「主菜」「副菜」を組み合わせるのが理想です。

塩分は控えめを心がけ、油っぽい食事はなるべく避けます。主菜は肉よりも魚を心がけ、野菜はたっぷり摂りましょう。

体を動かす習慣を取り入れる

運動不足を解消するために、まずは今よりもプラス10分、身体を動かしましょう。10分多く歩くと、約1,000歩増やせます。

まとまった運動時間を捻出するのは難しくても、室内でストレッチをする、通勤や買い物ではなるべく階段を利用するなど、毎日の少しずつの心がけで始められます。

ストレスを発散する方法を見つけておく

ストレス解消法は人それぞれですから、自分に合った方法を見つけることが重要です。ストレスへの抵抗力は、心身の健康ともつながっています。

休養が取れているか、よく眠れているか、3食バランスのいい食事がとれているか、適度に運動はできているかなど、健康的な生活をすることも心がけましょう。

睡眠の質を高める

睡眠は、時間だけでなくその質も重要です。睡眠の質を高めるために、目覚める時間を決めて、起きたらカーテンを開けて朝日を浴びるようにしましょう。

3度の食事を規則正しくとることも有効です。暮らしを一定のリズムを保つことで体内時計が働いて、夜になると眠りにつけるようになります。

睡眠前のブルーライトは睡眠の妨げになります。就寝前はスマホやタブレット端末はなるべく見ないようにしましょう。

飲酒や喫煙を控える

節度ある飲酒は、純アルコール量で1日あたり20gが目安になります。日本酒なら1合(180ml)、ビールなら中瓶(500ml)1本、ワインならグラス1杯(120ml)、焼酎なら0.5合、ウィスキーならダブル1杯(60ml)が目安になります。お酒を飲まない休肝日も作りましょう。

たばこは本人のがんリスクを高めるだけではありません。受動喫煙といってタバコを吸わない家族や周囲の方にも健康被害を与えます。1日も早く禁煙できるとよいでしょう。禁煙の手助けをする禁煙補助剤や、禁煙外来もあります。

不健康な食事、飲酒や喫煙、睡眠、運動不足、ストレスなどは、生活習慣病の原因になります。不健康な生活は、肥満、高血圧、糖尿病などの原因となり、3大疾病をはじめとする他の生活習慣病の原因となります。生活習慣病を予防するためにも、規則正しい生活や運動習慣、栄養バランスなど生活習慣の改善に努めましょう。保険の備えと健康診断による早期発見が重要です。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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