保険お役立ちコラム

脂質異常症とは?原因と予防法、民間医療保険で備えられるのかを解説

※本記事についてのご注意

血液中のコレステロール値や中性脂肪の値が異常値を示す状態を脂質異常症といいます。長年の生活習慣が引き起こす生活習慣病の一種で、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。患者数も非常に多い脂質異常症の原因や予防法を解説します。

この記事でわかること

  • 脂質異常症とは、血液中のコレステロール値や中性脂肪の値が異常値を示す状態のこと
  • 脂質異常症の原因は、食べ過ぎや運動不足、太りすぎ、喫煙、アルコール、ストレスなど
  • 脂質異常症の診断後でも、告知内容が審査基準を満たしていれば、通常通りもしくは条件付きで民間医療保険の加入を認められる可能性がある

脂質異常症とは、血液中のコレステロール値や中性脂肪の値が異常値を示す状態のことです。悪玉コレステロールや中性脂肪が多すぎる状態、もしくは、善玉コレステロールが少なすぎる状態を指します。

これといった自覚症状もないからとそのまま放置していると、やがて動脈硬化を引き起こして心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な事態を招きやすくなるため注意が必要です。

脂質異常症はかつて高脂血症と呼ばれていましたが、善玉コレステロールであるHDLコレステロールは基準よりも低い値が異常となるため、近年では「脂質異常症」というようになりました。

厚生労働省「令和4年(2022)国民生活基礎調査の概況」には、通院者率の高い疾病の調査データがあります。男性では高血圧症、糖尿病に次いで脂質異常症が3位となっており、女性では、高血圧症に次いで脂質異常症が2位となっています。

脂質異常症の割合は男性よりも女性のほうが高く、男女とも3年前の前回調査に比べて、脂質異常症で通院する方の割合が上昇しています。

図表1「男性の通院者率上位5傷病(複数回答)」
通院理由 2019年 2022年
高血圧症 129.7 146.7
糖尿病 62.8 70.8
脂質異常症 43.9 53.7
目の病気 46.1 49.5
歯の病気 49.2 48.2
図表2「女性の通院者率上位5傷病(複数回答)」
通院理由 2019年 2022年
高血圧症 122.7 135.7
脂質異常症 62.5 77.2
目の病気 60.9 65.4
歯の病気 58.4 56.4
腰痛症 54.4 53.5

脂質異常症の種類と診断基準

脂質異常症は、血液検査で調べられます。

図表3は、脂質異常症の基準値を表しています。このうち、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とトリグリセライド(中性脂肪)は、メタボリックシンドロームの判定にも用いられるもので、数値が基準値よりも高いと脂質異常症になります。

Non-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを差し引いた数値になります。

一方、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は数値が基準値よりも低いと、脂質異常症になります。

図表3「脂質異常症の診断基準」
項目 基準値
LDLコレステロール
※悪玉コレステロール
140mg/dL以上
トリグリセライド(中性脂肪) 空腹時150mg/dL以上
非空腹時175mg/dL以上
Non-HDLコレステロール
(総コレステロール-HDLコレステロール)
170mg/dL以上
HDLコレステロール
※善玉コレステロール
40mg/dL未満

なお、この基準値に当てはまればすぐに治療が必要というわけではありません。この基準は、食生活の見直しや運動習慣によって、血中の脂質を改善したほうがいいという目安になります。

自分に合った生活習慣の見直しを含めて、医師に相談してみましょう。

脂質異常症の原因と予防法

脂質異常症の原因は、食べ過ぎや運動不足、太りすぎ、喫煙、アルコール、ストレスなどがあげられます。お腹に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」の方は、特に注意が必要です。

このほか、遺伝的な要因による「家族性高コレステロール血症(FH)」もあります。血のつながった家族に脂質異常症や心筋梗塞を起こした方がいる場合には、そのリスクについても考えておきましょう。

飽和脂肪酸のとりすぎ

飽和脂肪酸は、体の中でコレステロールの吸収を高める働きをします。LDLコレステロールが高い方は、飽和脂肪酸のとりすぎに気を付けましょう。

飽和脂肪酸は、肉の脂身やラード、バター、生クリームなど冷えると固まりやすい油脂類や、インスタントラーメンなどの加工食品にも多く含まれます。こうした食品のとりすぎは、体内でも脂質として蓄積されやすいので気を付けましょう。

コレステロールのとりすぎ

食事中のコレステロールも、LDLコレステロールを上昇させます。

卵の黄身や魚卵にはコレステロールが多く含まれます。飽和脂肪酸に比べると影響が小さいことが知られていますが、食べ過ぎには気を付けましょう。

甘いもの・酒・油もの・糖質のとりすぎ

中性脂肪が高めの方は、甘いもの、酒、油、糖質の取りすぎに注意が必要です。定期的に運動する習慣をつける、間食を控える、食事の内容を見直して減量をするなど生活習慣を見直すことで、中性脂肪を減らすことができます。

肥満・喫煙・運動不足

HDLコレステロールが体内で減少すると、中性脂肪の値が上昇しやすくなります。減量や禁煙、運動習慣を心がけて、HDLコレステロールを高めるように努めましょう。

健康診断で脂質異常を指摘されたら、医療機関を受診しましょう。その後の治療方針については、医師と相談していきます。

基本的な脂質異常症の治療は、まず食事制限と運動療法を行って、生活習慣を改善するところから始めます。食事から多くのコレステロールを取りすぎている場合は、食事の内容を見直して、コレステロールの摂取量を減らします。

アルコールの摂取量が多ければアルコールを減らし、甘いものや炭水化物の摂取量が多ければ食事の内容や量の見直しが必要です。検査結果の項目や数値と、日頃の食習慣の傾向を見ながら、効果的な方法を探していきます。

食事療法と運動療法を組み合わせると、消費するエネルギーを増やしながら、体内に蓄積した脂肪を減らす効果が期待できます。

運動の中でもジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は脂肪燃焼に効果があるため、脂質異常症の対策として適しています。

食事制限や運動療法だけでは十分な改善が見られない場合は、薬物治療も合わせて検討します。

日頃の食習慣や生活習慣から、脂質異常症が心配だという方もいるでしょう。生活習慣の改善に努めるとともに、早めに医療保険で備えることも検討しましょう。

健康状態に問題がなければ通常の医療保険で備えておく

脂質異常症と診断される前の健康状態が良好なうちに保険に加入しておけば、将来的な入院や手術に備えることができます。

医療保険への加入時には健康状態の告知が必要になるため、加入を先送りして健康診断結果が悪化したり、実際に治療を始めたりしてからでは、保険に加入できなくなる可能性が出てきます。早めの行動が肝心です。

持病がある場合は引受基準緩和型の医療保険で備えておく

脂質異常症以外にも持病があり、通常の医療保険への加入が難しい場合には、持病がある方でも入りやすい「引き受け基準緩和型」の医療保険もあります。

加入時の告知項目が少なく、持病がある人でも加入しやすい保険です。通常の医療保険よりも保険料が高めになりますが、加入しやすくなっています。

アクサのネット完結保険でも持病があってもはいりやすい医療保険をご用意しています。詳細は以下からご覧ください。

脂質異常症の発覚後でも審査基準を満たせば加入できる場合もある

健康診断の結果、気になる数値が出た場合や、すでに治療を受けたという方の中には、通常の医療保険に加入を申し込むべきか、引き受け基準緩和型保険に申し込んだほうがいいのか、迷っているという方もいるでしょう。

脂質異常症と判明したあとでも、告知内容が保険会社の審査基準を満たしていれば、通常通りもしくは何かしらの条件付きで加入できる場合もあるため、保険会社に問い合わせてみるか、告知するときに状況を記載したうえで通常の医療保険へ申し込んでみましょう。

脂質異常症は、血中のコレステロール値や中性脂肪の値が異常値を示す状態です。そのまま放置していると、やがて動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。

早めに医師の診察を受けて、食生活の見直しや運動習慣、必要に応じて薬物治療を行いましょう。できれば脂質異常症と診断される前に、医療保険への加入を検討することがおすすめです。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)

ハートマネー代表

「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
2005年からFP相談を始める。
日々お金のことを考えなくても安心な
「家計の仕組みづくり」が好評。

大学の非常勤講師として金融リテラシーを普及するほか、
キャリアコンサルタントとしても活動している。

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