保険お役立ちコラム

保険にはどんな種類がある?公的保険・民間保険を解説

※本記事についてのご注意

民間保険を検討する際には、公的保険の制度概要を知っておきましょう。保険を選びやすくなりますし、保障額についても納得して決めやすくなります。公的保険と民間保険の種類と、それぞれの保障内容について全体像を解説します。

公的保険とは

公的保険は、人生のさまざまなリスクに幅広く対応するために、国や地方自治体等の公的機関が運営している保険です。社会保険とも呼ばれます。公的保険には健康保険(公的医療保険)、介護保険、年金保険、雇用保険、労災保険の5つの種類があり、働き方や所得などによって、加入する保険の種類や負担する保険料、受け取れる給付の種類が異なります。

自分が現在、どの公的保険に加入しているのかをまずは確認しましょう。そして、公的保険で備えられるリスクや給付を受け取れるタイミング、受け取れる給付の種類を理解しておきましょう。足りない保障については、民間保険への加入の検討をしてみましょう。

民間保険とは

幅広いリスクに備えられる公的保険ですが、それだけでは保障が不足するときに個人的に保険料を負担して加入する保険が民間保険です。民間保険には大きく分けて、生命保険と損害保険があります。

公的医療保険

(1)公的医療保険の保障内容

医療機関の窓口で支払う自己負担割合が3割(年齢や所得によっては1割から2割)になります。年齢ごとの自己負担割合は図表1「公的医療保険の自己負担割合」の通りです。

図表1「公的医療保険の自己負担割合」

公的医療保険の保障内容は自己負担割合についてだけではありません。
「高額療養費制度」は、個人の医療費負担が高額にならないように1ヶ月の医療費の自己負担額に上限を設け、上限を超えた場合には超過分を払い戻す制度です。また、医療費が高額になることがわかっている場合には、あらかじめ加入する公的医療保険から交付を受けた「限度額適用認定証」を病院の窓口に提示することで、超過分の立て替え払いが不要となります。

「傷病手当金」は、病気やケガの治療のために休業している期間中の生活保障のための制度です。休業4日目から通算1年6ヶ月の間、標準報酬日額の3分の2相当額が支払われます。また、産前産後休暇中の生活保障のための制度に「出産手当金」があります。産前産後休暇中(産前42日から出産日後56日までの間)、標準報酬日額の3分の2相当額が支払われます。いずれも会社員や公務員等が所属する社会保険に限った制度で、自営業者等が加入する国民健康保険の被保険者にはこうした制度はありません。

出産費用の負担を軽減する「出産育児一時金」は、加入する公的医療保険の種類に関わらず、誕生する子どもの父親もしくは母親いずれかの公的医療保険から、子ども一人につき50万円が支払われます。医療機関に出産育児一時金が直接支払われる「直接支払制度」を利用すれば、50万円を超過した金額だけを医療機関に支払えばよくなります。

(2)公的医療保険の加入対象者

勤務先の公的医療保険に加入できる人は、勤務先で手続きを行います。大企業等の従業員とその扶養家族が加入する「健康保険組合」、中小企業等の従業員とその家族が加入する「協会けんぽ」、国家公務員や地方公務員、私立学校教員等が加入する「共済組合」などがあります。

これらに属さない人は、住まいのある市区町村で「国民健康保険」に加入します。自営業者やフリーランス、企業を退職した人等が該当します。

職業の有無にかかわらず、75歳以上になると「後期高齢者医療制度」に加入します。

介護保険

介護保険とは、高齢者の介護を社会全体で支えあう仕組みです。40歳になると介護保険に加入して、介護保険料を負担します。40歳から64歳が第2号被保険者、65歳以上が第1号被保険者となっています。第1号被保険者が要支援・要介護状態になった場合には、その原因を問わずに介護保険を利用して介護サービスを受けられますが、第2号被保険者は、老化が原因の特定疾病で要介護状態になった場合のみ介護保険を利用できます。

介護保険を利用するには市区町村や地域包括支援センターを通して要介護認定を受けます。要支援1・2、要介護1から5の認定を受けると、介護保険を利用して介護サービスを受けられます。要支援・要介護度に応じて介護保険の利用限度額が決まります。限度額の範囲内であれば、原則として自己負担1割で介護サービスを利用できますが、現役並みの所得がある場合には自己負担割合が2割または3割となります。

年金保険

(1)年金保険の保障内容

年金には、老齢年金、障害年金、遺族年金の3つの役割があります。老齢年金は長生きへの保障で、原則として65歳以上になると一生涯に渡って年金が支払われます。障害年金は障害を負った場合の生活保障として支払われる年金です。遺族年金は遺族の生活保障として支払われる年金となります。

(2)年金保険の種類

会社員や公務員等は「厚生年金」に加入します。厚生年金の被保険者は、収入額に応じた厚生年金保険料を給与天引きで支払うことで、自動的に厚生年金と国民年金に加入することになります。そのため、年金の支給対象となった時には、厚生年金と国民年金(基礎年金)の両方から支給されることになります。

20歳以上の人で厚生年金に加入しない人は、原則として「国民年金」に加入します。自営業者やフリーランス、学生等が該当します。国民年金保険料は収入等に関わらず一律で、令和5年度の保険料は1ヶ月あたり16,520円です。

雇用保険

雇用の安定や就職を促進するために、職を失って新たな仕事を探している人や、教育訓練を受けている人に対して、失業給付(基本手当)を支給します。失業給付の金額は、リストラや倒産などの会社都合退職か、自己都合退職かといった離職理由や、勤続年数、年齢等によって異なります。

労災保険

労働者が業務上の事故や通勤が原因で、病気・ケガをした場合や亡くなった場合に、その労働者や家族に対して補償を行う保険です。対象者は企業等に雇用される従業員で、正社員に限らずパートやアルバイト等も対象となります。企業の経営者や個人事業主は対象となりません。保険料は雇用主側が負担して個人負担は不要なため、給与明細を見ても労災保険の保険料は差し引かれていません。

労災病院等で治療を受ける際には、労働者の医療費の自己負担はありません。また、休業補償は健康保険の傷病手当金よりも手厚く補償されています。

生命保険

生命保険とは、人に対するリスクに備える保険です。保険金や給付金の支払い要件に該当した場合には、あらかじめ決めた金額が支払われます。

(1)生命保険(死亡保険)

病気やケガなどが原因で亡くなった時に備える生命保険(死亡保険)は、「終身保険」と「定期保険」に分けられます。「終身保険」は保障が一生涯続き、何歳で亡くなっても死亡保険金を受け取れることと、死亡保険金を受け取る前に中途解約した場合には解約返戻金を受け取れるという特徴があります。一方の「定期保険」は保険期間が一定で、保険期間内に亡くなると死亡保険金が支払われますが、保険期間が終わってから亡くなると死亡保険金は支払われません。ただし、更新型の定期保険の場合には、更新時期を迎えると告知なしで自動更新ができます。貯蓄性はありませんが、終身保険よりも保険料がお手頃な傾向があります。

(2)医療保険

病気やケガによる入院や手術等に備える医療保険は、「終身医療保険」と「定期医療保険」に分けられます。「終身医療保険」の特徴は、保障が一生涯続くことと、保険料が一生上がらないことです。定期医療保険は、一定期間だけを保障するため、終身医療保険よりも保険料がお手頃な特徴があります。更新時期を迎えると更新年齢で保険料が再計算となるため保険料が上がりますが、健康状態に関わらず自動更新できます。

(3)がん保険・3大疾病保険

終身医療保険や定期医療保険が幅広い病気やケガを保障するのに対して、特定の病気だけを保障する保険もあります。例えば「がん保険」は、がんと診断されたときにがん診断給付金、がんで入院した時にがん入院給付金が支払われます。その他にもがん保険の種類や付帯する特約によっては、通院や抗がん剤治療等で給付金が支払われる場合もあります。他の病気やケガで入院しても給付金は支払われませんが、がんによる入院であれば日数無制限で入院給付金が支払われるなど手厚い保障が受けられます。

「3大疾病保険」は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3大疾病で所定の状態になった時に、特定疾病保険金を受け取れる保険です。また、特定疾病保険金を受け取ることなく死亡した場合には、同額の死亡保険金を受け取ることができます。

(4)将来に備える保険

将来に備える保険には、「個人年金保険」や「養老保険」があります。
「個人年金保険」は長生きに備える保険です。公的年金には老齢厚生年金・老齢基礎年金がありますが、これらに上乗せする形で老後資金を備えたい場合に個人年金保険を利用します。

「養老保険」は貯蓄性の高い保険です。あらかじめ保険期間を設け、無事に満期を迎えると満期保険金が支払われます。また、満期を迎える前に死亡した場合には、満期保険金と同額の死亡保険金が支払われます。

損害保険

損害保険は、偶然の事故に伴う経済的損失に備える保険です。自動車事故に備える「自動車保険」、住宅火災に備える「火災保険」、地震による建物の損壊に備える「地震保険」のように、モノや財産に対する保険が多くを占めますが、「傷害保険」のように人のケガや死亡に備える保険もあります。

損害保険による補償の特徴として「実損払い」があります。契約時に補償の上限額を定めますが必ずその金額が支払われるわけではなく、契約の範囲内で、実際に受けた経済的損失や、修理や治療にかかった費用を支払います。

幅広いリスクに備えられる公的保険ですが、足りない保障は生命保険や損害保険で備えておきましょう。ケガや事故に対する入院や死亡には、生命保険でも損害保険でも備えられますが、損害保険は突発的な事故等が原因の場合に限られるため、病気による入院や死亡に備えられるのは生命保険だけとなっています。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー。ハートマネー代表。

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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