私はこれまでに、数多くの赤字家計を見てきました。
その経験から、貯められない人に共通点があると実感していることは、前回にもお話しした通りです。
それを踏まえて、次のチェックリストを見てください。この中で、みなさんがあてはまるものはあるでしょうか?

もうお気づきのことと思いますが、これらのチェック項目は、どれも「貯め下手」さんによく見られる特徴です。 「貯まるココロ」を身につけるためには、これらのチェック項目を改善することが近道なんです。
順にご説明していきたいと思います。
まず、「財布、冷蔵庫、部屋のいずれか、もしくはすべてがゴチャゴチャしている」。
部屋が汚かろうと、お金の問題とはまったく関係ないような気がしますが、実のところ、根っこの部分はつながっているのです
。
以前お会いしたAさんという女性は、やる気はあるのに家計簿が続かず、貯蓄もなかなか増えないという状況でした。
そこで、いろいろと話を聞いていくと、このAさんは、ゴミ屋敷のように汚い部屋で暮らしていることがわかったのです。
私はAさんに、家計簿はとりあえず置いておいて、先に家を片付けることをオススメしました。
Aさんは首をかしげつつも、それを実行に移したのですが、片付けの後で家計簿を再開すると、今度はすんなり継続することができたのです。
なぜ、Aさんは部屋を片付けただけで、家計簿が続くようになったのか?
片付けによって家にあるものを把握できるようになり、ムダ遣いが減って、家計簿をつけると、それが目に見えるようになったからでしょう。
さらに、「自分もやればできる」という自信がついたことが大きいと思います。
以前の話にもつながることですが、自信があると、人は変われます。 「どうせ何をやってもダメだ」と思い込んでいると、本当に何事もうまく行きません。 自信をつけるためには、お金以外の部分で、まずは成功体験を積んでみるというのも有効なのです。 それには、部屋を片付ける。それすらも大変なら、冷蔵庫や財布といった狭いスペースから始めてみて構いません。 まずは一つ、何かを成功させてみることが肝心です。
続いて、「自分の給料やボーナスが低いことが気になっている」。
実感として、貯められない人は「収入」を気にし、貯められる人は「支出」を気にするケースが多いです
。
収入ばかり気にしている人は「貯められないのは収入のせいだ」と考えがち。
実は、調べてみると、ムダな支出もあったりするのですが、それに気付かないことも多いのです。
当たり前の話ですが、「貯める=収支の差額がある」です。
差額があればあるほど、お金は貯まるわけですから、貯蓄するには、今の生活(支出)を見直すことが、何よりの近道なのです。
だって、収入はそんなに簡単に増やせるものではありませんが、支出を減らすことは、それよりは容易なはずですからね
。
にもかかわらず、貯められない人は、収入の少なさばかりを嘆きます。
そして、「今度ボーナスが出たら貯めよう」などと考え、今の支出に目を向けないのです。
逆に言うと、こういう人は、支出にさえ気をつければ、すぐにでも貯められるようになります。
最後に、「情報収集にはあまり積極的ではない」。
貯められない人は、たとえ自分にとって有効な情報でも、積極的に集めようとしない傾向があります。
世の中には、浪費を促す情報があふれていますが、
一方で、節約やおトクな買い物に役立つ情報もたくさん発信されています。
たとえば、携帯電話の料金は、さまざまな方法によって安くすることができます。
それは、雑誌やネットなどで調べればわかること。しかし、自ら知ろうとしなければ、情報は入ってきません。
貯められない人は、いかにおトクであろうと、そうした情報を収集する手間を惜しみがちなのです。
たしかに、情報収集には手間がかかります。しかし、お金を貯めている人は、確実にその手間を惜しみません。
みなさんは、情報をないがしろにしていませんか?
もっとアンテナを張って、情報に敏感になるだけでも、貯蓄のペースに変化が出てくるはずです。