保険お役立ちコラム
40代の男女にとって、がんのリスクはどの程度あるのでしょうか。がん保険の選び方のポイントと合わせてご紹介します。

40代のがん保険の重要性
がんの罹患率
性別や年齢によって、がんの罹患率にも傾向があります。
(1)【男性】がんの罹患率
厚生労働省によると、男性のがんが多い部位を1位から5位まで並べると、前立腺16.3%、胃16.0%、大腸(結腸・直腸)15.6%、肺14.8%、肝および肝内胆管4.8%の順となります。
図表1「男性に多いがんの部位」

- ※ 出典 厚生労働省「平成29年「全国がん登録 罹患数・率 報告」」
図1 部位割合、男(上皮内がんを除く)2017年
これら上位5つのがんの罹患率を、年齢別に示したデータが図2です。40代に絞ってみてみると、大腸(結腸・直腸)のがんが一番多いことがわかります。
図表2「年齢階級別罹患率(男性)」

- ※ 出典 厚生労働省「平成29年「全国がん登録 罹患数・率 報告」」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000624853.pdf
(2)【女性】がんの罹患率
同じく厚生労働省のデータより、女性のがんが多い部位を1位から5位まで並べると、乳房21.9%、大腸(直腸・結腸)15.8%、肺9.9%、胃9.6%、子宮6.7%となります。
図表3「女性に多いがんの部位」

- ※ 出典 厚生労働省「平成29年「全国がん登録 罹患数・率 報告」」
図2 部位割合、女(上皮内がんを除く)2017年
これら上位5つのがんの罹患率を、年齢別に示したデータが図4です。女性の40代に絞ってみてみると、乳房のがんが他を大きく上回り、60代後半まで乳房が一番がんの多い部位であることが読み取れます。また、40代にとっては子宮がんの割合も高いことがわかります。
図表4「年齢別がんの罹患率(女性)」

- ※ 出典 厚生労働省「平成29年「全国がん登録 罹患数・率 報告」」
図6「年齢階級別罹患率(人口10万対):上位5部位、女(上皮内がん除く)、2017年
40代でがん保険に加入する(見直す)タイミング

男性の場合は、40代のうちは特定の部位が目立ってがんのリスクが高いということはありません。ただし、40代でじわじわと上昇した罹患率は、50代以降80代くらいまで急激に増えていきます。がんが一度でも見つかってからでは、がん保険や医療保険に加入しにくくなります。近い将来、がんのリスクが高まることを想定して、40代のうちにがん保険と医療保険を備えておくことをお勧めします。
女性の場合は、30歳前後から、乳がんや子宮がんの罹患率は急上昇し、40代を通して高い水準で推移します。女性にとって出産や子育てを経験する人が増える年代ですが、その年代では、女性特有のがんのリスクも高まることを知っておきましょう。
仕事や子育てに忙しく、自分の健康チェックが後回しになりやすい年代ではありますが、がん治療は早期発見が重要になります。会社で定期検診を受けられる人ばかりではないと思いますが、自治体でも定期的な健康診断に補助を出しているところもありますし、個人でも病院に健康診断や人間ドッグを申し込むことは可能です。年に1度は健康チェックをする機会を設け、がんの検診も受けておきましょう。
がん保険には、加入後3ヶ月(90日)の免責期間があります。加入して3ヶ月または90日以内に検診や診察でがんが見つかっても保障の対象にはならないので、早めにがん保険を備えておきましょう。
40代のがん保険におすすめの選び方
公的医療保険制度とのバランス
公的医療保険が普及している日本では、70歳未満の現役世代の医療費は、3割の自己負担となっています。さらに、1ヶ月の自己負担額に上限額を設ける高額療養費制度もあるため、69歳以下の標準世帯の場合、1か月の医療費の自己負担額は「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」に抑えられます。月初から月末までを1ヶ月とするため、月をまたいで入院した場合には別々の月として計算するなどの注意点はあるものの、自己負担額を軽減できる制度となっています。
一方で、高額療養費制度を使っても自己負担額は残ります。さらに、差額ベッド代や入院中の食費については、公的医療保険の適用外のため全額自己負担となりますし、入院準備や入院期間中には、備品を購入したり家族がお見舞いにやってきたりとこまごまとした費用がかかります。さらに、がんの種類や進行具合などにもよりますが、がんの陽子線治療や重粒子線治療など、公的医療保険が利用できない先進医療が治療の選択肢として挙がってくることもあるかもしれません。がん保険などで備えておくと、経済的な負担が軽減されて、治療に専念しやすくなるでしょう。
がん保険の保障内容
多くのがん保険では、がん診断給付金とがん入院給付金を主契約としていますが、どこまでを主契約とし、どんな特約を選べるのかは、保険会社によっても異なります。
(1)がん診断給付金
がんと診断されたときに、ある程度まとまった金額が受け取れる給付金です。どんな治療法をするのか、何日入院するのかに関わらず、がんと診断された段階で請求できるため、がんの治療費として活用しやすくなっています。
(2)がん入院給付金
がんの治療目的で入院した時に、入院日数に応じて受け取れる給付金です。がん保険の入院給付金は、がんによる入院に限られますが、入院日数無制限で給付金を受け取ることができます。
(3)がん手術給付金
がんの治療で所定の手術や放射線治療などをした場合に受け取れる給付金です。
(4)通院給付金
がんの治療で通院した場合に受け取れる給付金です。退院後、通院しながら治療を続ける場合に適しています。通院給付金日額×通院日数という形で受け取れます。
(5)がん先進医療給付金
がんの先進医療を受けた場合に、患者が自己負担した技術料相当額が、保険会社から支払われます。がん治療の先進医療として代表的なものには、陽子線治療や重粒子線治療がありますが、患者の自己負担額が1回あたり300万円前後と高額な治療です。なお、先進医療特約をすでに医療保険に特約として付加している場合には、がんの先進医療についてもそちらでカバーできるため、がん保険に先進医療特約を付加する必要はありません。
- ※ 先進医療の種類や医療機関は随時見直されます。最新の情報は厚生労働省のホームページをご覧ください。
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan.html
(6)女性向けのがん特約
乳がんや子宮がんなど、女性特有のがんに備える特約が各社から出ています。女性向けと言っても、内容は各保険会社によって様々で、女性特有のがんで入院した時に入院給付金を倍額支払う特約もあれば、乳がんで乳房切除をした時に乳房再建費用が支払われるものなどもあります。どこに重きを置いて保障をするかによって、特約保険料にも大きな差が出てきます。
(7)抗がん剤治療特約
抗がん剤治療をすると、入院や通院かに関わらず、抗がん剤治療を受けた月ごとに抗がん剤治療給付金が受け取れる特約です。
40代のがん保険を選ぶときのポイント
(1)がん診断給付金の金額と回数
がんと診断されたときに一時金が受け取れる「がん診断給付金」ですが、1回あたりの支給額と、支給される回数が選ぶポイントになります。初めてがんと診断された時に1回だけ受け取れるがん保険と、複数回診断給付金を受け取れるがん保険があります。保険料については、1回だけ受け取れるがん保険の方がお手頃な傾向があります。
(2)通院給付金への備え
退院後、通院しながらがん治療を続ける場合には、通院給付金を特約などで備えておくと、退院後も保障が続きます。一方で、がん診断給付金は、入院日数やどんな治療法を選択するかに関わらず受け取れるため、あえて特約を付けずに、がん診断給付金に保障を集中させるという考え方もあります。
(3)上皮内新生物も保障の対象になるか
がんと診断されたときに受け取れる「がん診断給付金」ですが、上皮内新生物でもがん(悪性新生物)と同額を受け取れるものと、そうでないものがあります。上皮内新生物は、比較的短い期間で治療ができ、費用の負担も軽いと考えられているため、上皮内新生物についてはがん診断給付金が支払われない保険や、支払われるものの給付金額が少ない保険があるためです。保険料とのバランスにもなると思いますが、上皮内新生物でも同等の保障を受けられる保険の方が、安心感があるでしょう。
(4)先進医療の対応
医療保険に先進医療特約をつけていない人は、がん保険に加入する際に「がん先進医療特約」を付加しておきましょう。重粒子線治療や陽子線治療など、公的医療保険が利用できない先進医療の技術料の実費分について保障が受けられます。
40代女性は乳がんと子宮がん、40代男性は大腸がんのリスクが高い
40代以降、男性も女性もがんのリスクは上昇していきます。がんと診断されるとがん保険の加入も難しくなります。健康であるときに、がん保険を検討してみましょう。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
- ※ 当記事の内容は作成日現在公表されている情報や統計データ等に基づき作成しており、将来予告なく変更されることがあります。
- ※ 当記事で書かれている保険の内容には、アクサダイレクト生命では取り扱いのない商品や手続きがございます。
- ※ 当社保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。

ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー
ハートマネー代表
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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