保険お役立ちコラム

保険料が一括払いの死亡保険「一時払い終身保険」の特徴と注意点

公開日:2020/11/06

※本記事についてのご注意

死亡保険のうち一生涯の保障を確保する終身保険のなかには、保険料を一度にまとめて支払う「一時払い終身保険」という商品があります。終身保険の保険料を一時払いすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。一時払い終身保険の特徴や注意点とあわせてご紹介します。

保険料が一括払いの死亡保険「一時払い終身保険」の特徴と注意点

一時払い終身保険の特長

一時払い終身保険とは、保険料を契約時にまとめて支払うタイプの終身保険です。終身保険には、保障が一生涯続き、何歳で亡くなっても死亡保険金を受け取れる、また、死亡保険金の受け取りを待たずに中途解約をすると解約返戻金を受け取れるといった特徴があります。では、この終身保険のなかでも、一時払い終身保険には、どのような特徴があるのでしょうか。

(1)契約時に保険料をまとめて支払う

月払いや年払いを選択すると、保険料を定額ずつ長期に渡って支払うことになります。それに対して、一時払い終身保険では、契約時に保険料をまとめて支払います。契約者から一度にまとめて保険料を受け取ることで、保険会社は保険料を長期間にわたって運用できるようになります。そのため一時払い終身保険では、月払いや年払いの終身保険よりも保険料支払い総額を少なく抑えることができます。

(2)相続税対策になる

死亡保険の中でも保障が一生涯続く終身保険は、相続税対策にも向いています。死亡保険金には「500万円×法定相続人の人数」の相続税非課税枠があります。そのため、現金や預貯金でそのまま財産を遺すよりも、一時払い終身保険を活用することで相続税の対象となる遺産を減らすことができ、相続税の節税効果が期待できます。

(3)払込保険料を上回る解約返戻金

一時払い終身保険では、加入から一定期間を経過すると払込保険料を上回る解約返戻金が受け取れることがあるため、以前は資産運用の目的でよく利用されていました。

ただし、解約返戻金がどの程度受け取れるかは加入した保険商品や、契約時の予定利率(保険の運用利回り)によっても異なります。予定利率が高い時に加入した一時払い終身保険は貴重です。なるべく解約せずに保険契約を継続したほうがいいでしょう。

死亡保険「一時払い終身保険」の注意点

加入にはまとまった資金が必要

貯蓄性のある終身保険は、掛け捨て型の定期保険よりも保険料が高い傾向にあります。一時払い終身保険の場合には、終身保険の保険料を一度にまとめて支払うことから、加入時にまとまった資金が必要になります。

生命保険料控除が適用されるのは加入年のみ

生命保険には、その年に支払った保険料に応じて税負担が軽減される「生命保険料控除」という制度があります。 一時払い終身保険の場合、保険料を一度にまとめて支払うことから生命保険料控除を一度しか利用できません。後述する全期前納払いとの違いを確認しておきましょう。

新規での取り扱いが停止

長引くマイナス金利の影響により、生命保険各社から販売されていた円建ての一時払い終身保険は、次第に予定利率が低下していき、現在はそのほとんどの商品が新規の取り扱いを停止しています。

保険料の払い方には、月払い・半年払い・年払い・全期前納払い・一時払いなど、さまざまな方法があります。この中で違いが分かりにくいのが、全期前納払いと一括払いです。どちらも契約者が保険料をまとめて納めるという点では共通していますが、どのような違いがあるのでしょうか。

図表1「一時払いと全期前納払いの違い」

項目 一時払い 全期前納払い
保険料の支払い回数 1回で支払う 全保険期間分の保険料を保険会社に預けるような形で、1回で支払う方法。年1回または毎月の支払い期日が来たら、預けたお金から保険料が支払われる仕組み
生命保険料控除 初回1回だけ利用できる 毎年利用できる
被保険者の死亡時 死亡保険金が支払われる 死亡保険金が支払われ、保険会社が預かっていた未払い保険料があれば返還される
保険料払込総額 月払いや年払い、全期前納払いよりも少ない 月払いや年払いよりも少ない
  • ※ 筆者作成

全期前納払いは、全保険期間分の保険料を保険会社に預けるような形で1度に支払い、預けたお金の中から定期的に保険料が支払われる方法です。保険料として充当される前の預かり金は、保険会社が運用しています。その結果、毎年保険料を少しずつ払っていることになるため、全期前納払いでは毎年生命保険料控除を利用できます。

また被保険者が亡くなった場合や中途解約をした時に、まだ保険料として使用されていない未払い保険料があった場合、死亡保険金や解約返戻金に加えて、未払い保険料が契約者に返還されます。

一時払いと全期前納払いの保険料を比較すると、一時払いの方が払込保険料総額は少なくなります。手元の資金に余裕のある人が、長生きをした場合の相続対策などを目的として終身保険に加入する場合には、一時払い終身保険を選択するといいでしょう。

一時払い終身保険は、貯蓄性のある終身保険の保険料を一度に全期間分まとめて支払うことになります。資金に余裕がある人が相続税の節税対策として利用するのに向いています。中途解約をする可能性がある場合や、生命保険料控除を毎年利用したい人は、全期前納払いを選んだほうがいいでしょう。ただし、一時払いや全期前納払いがすべての人に向いているわけではありません。自分に合った支払方法を検討することが大切です。

また保険料の支払い方法は、保険会社や保険商品によって決まっているので、すべての終身保険が一時払いに対応しているわけではありません。一時払いの可否については保険会社に確認しましょう。

ライター

氏家祥美(うじいえよしみ)

ファイナンシャルプランナー

ハートマネー代表

お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。

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