保険お役立ちコラム
生命保険でお金を借りられる「契約者貸付制度」とは?
公開日:2021/07/06
まとまったお金が必要になった時のために知っておきたい方法の一つに、加入中の生命保険を活用した「契約者貸付制度」があります。契約者貸付制度の基本から、貸付にあたっての条件や注意点について解説します。
生命保険の契約者貸付制度とは
契約者貸付制度は、加入中の生命保険を活用してお金を借りる制度です。解約返戻金の一定範囲内でまとまったお金を借りることができ、かつ、それまでと変わらず保障を継続できます。
家計が急変した場合などまとまったお金が必要になった時に、解約返戻金を活用するために保険を解約しようか悩んでいるという人にとっては、保険を継続しながらお金を借りられる契約者貸付制度が役に立つことがあります。
契約者貸付制度の利用条件
契約者である
契約者貸付制度は、契約者のための制度です。この制度を利用できるのは契約者に限られており、被保険者や受取人は利用することはできません。
解約返戻金のある保険に加入している
契約者貸付制度は解約返戻金を担保にお金を借りる制度のため、終身保険、養老保険、個人年金保険、学資保険のような解約返戻金のある保険に加入していることが前提となります。解約返戻金の無い掛け捨て型の保険はこの制度を利用できません。解約返戻金がある保険でも、保険契約の内容や解約返戻金の金額によって制度が利用できないこともあるので、事前に保険会社に確認しておきましょう。
契約者貸付制度の利用方法
契約者貸付制度を利用するためには、書類による手続きが必要になります。利用を希望する場合には、生命保険会社のお客様相談窓口やコールセンター、契約者専用サイトなどへ問い合わせて、必要書類を請求しましょう。生命保険会社によっては、スマートフォンの貸付専用アプリから手続きできる場合や、専用カードを発行していて自社や提携先のATM・キャッシュディスペンサーから貸付を受けられる場合などもあります。
貸付を受けるまでの手続きや、借入までの必要日数は保険会社によって異なります。また、契約者貸付にかかる金利については保険契約ごとに異なります。事前に保険会社に問い合わせて確認しておくことをお勧めします。
契約者貸付制度のメリット
保険を解約する必要がない
契約者貸付制度の一番のメリットは、一時的にお金が必要になった場合でも、保険を解約しなくて済むことでしょう。お金が必要になった時、解約返戻金を受け取るために保険解約を考える人もいるかと思いますが、解約すると大切な保障が無くなります。解約してから再び加入したいと思っても、健康状態によっては再加入できない可能性があります。その点契約者貸付を利用すれば、保障を維持しながら、必要なお金を工面することができます。
借入時の審査が不要
多くのローンでは利用にあたって審査がありますが、契約者貸付の場合には自分の解約返戻金を担保にお金を借りるため、審査なしで利用できます。利用目的も問われませんし、保証人も不要です。加入している保険に契約者貸付制度があることや、担保となる解約返戻金があることが前提にはなりますが、審査に落ちて借り入れができないという事はありません。
返済しやすい
契約者貸付制度には明確な返済期限はありません。そのため月々返済する以外にも、まとまった資金があればまとめて返済することもできます。返済方法には、生命保険会社の窓口へ持参、振り込み用紙による振り込み、ATMやキャッシュディスペンサーからの振り込みなど、さまざまな方法があります。
契約者貸付制度を利用する際に気を付けたいこと
解約返戻金以上の借入はできない
契約者貸付制度は解約返戻金の一定範囲内で借り入れができる制度です。そのため、解約返戻金のある保険契約であることが前提になりますし、それまでに払い込んだ保険料が少なければ解約返戻金も少ないため、借り入れできる金額もその分少なくなります。
借入額には利息がかかる
借入額はいつでも返済できますが、未返済部分については毎年利息がかかります。そのため、借入期間が長くなるほど元利金は膨らんでいきます。利息は複利計算されるため、借入額が大きくなるほど、借入期間が長期に渡るほど、利息負担が大きくなります。もしも「元金+利子」が解約返戻金を超過すると、保険契約が解除となるので、早めに返済していくことが重要です。
予定利率の高い保険ほど金利が高くなる傾向
貸付利率は保険契約ごとに異なりますが、予定利率の高い契約ほど貸付利率も高くなる傾向があります。バブル期に契約した予定利率の高い、いわゆる「お宝保険」などは貸付利率も高くなります。保険契約ごとの貸付利率は、保険会社に問い合わせるとわかります。複数の貯蓄性保険を持っている場合には、比較してなるべく貸付利率の低い保険契約から貸付を受けるといいでしょう。
満期保険金や死亡保険金と相殺される
貸付を受けている期間中に、満期保険金や死亡保険金を受け取ることになった場合には、保険金から未返済の「元金+利子」が差し引かれます。例えば、1,000万円の終身保険に加入していた人が、200万円を借りたまま亡くなると、死亡保険金から200万円+利子を差し引いた金額が遺族に支払われることになります。
お金が必要になった時、解約よりも前に、保障が継続できる契約者貸付を検討しましょう
一度解約した保険を元に戻すのは困難です。解約返戻金を目的に生命保険の解約をするよりは、保障を維持しながら解約返戻金の範囲内でお金を借りる契約者貸付制度の利用を検討しましょう。契約者貸付にも金利がかかります。
- ※ 当記事は著者個人の見解・意見によるものです。
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- ※ 当記事で書かれている保険の内容には、アクサのネット完結保険では取り扱いのない商品や手続きがございます。
- ※ アクサのネット完結保険の保険商品の詳細につきましては、重要事項説明書/ご契約のしおり・約款を必ずご覧ください。
- ※ 当記事を参考にご加入中の生命保険の見直し・解約をされる際には、以下3点にご留意ください。
- ① 一度解約した生命保険契約はもとには戻らないこと。
- ② 解約返戻金は解約するタイミングによって、払込保険料の合計額よりも少なくなる場合があること(解約返戻金がない保険商品もあります)。
- ③ 健康状態によっては新たに保険に加入できなかったり、加入できても保険料の増加や一部の保障が対象外になるなど特別条件付きの契約となる場合もあること。
- ※ 個別の税務等の詳細については税務署や税理士等、専門家にご確認ください。
ライター
氏家祥美(うじいえよしみ)
ファイナンシャルプランナー。ハートマネー代表。
お茶の水女子大学大学院修了。
2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち
2010年よりFP事務所ハートマネー代表となる。
「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、
子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持つ。
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